リサーチ

2020.10.01

在宅勤務でストレス増の日本人

心も身体も仕事から離れる工夫を!

ビジネスパーソンには気分転換が欠かせない。株式会社BookLiveは2020年3月、総合電子書籍ストア「BookLive!」の会員を対象に、『“仕事と気分転換”に関する意識調査』を実施した。2,460人の回答から、有効なストレス解消方法や、これからの時代の「新しいストレス解消法」についても考える。

仕事はいつも順調とは限らない。むしろ、うまくいかずに悩むことや、ストレスを感じる場面が多いと思われる。過度なストレスは心身の健康に良くない影響を及ぼすこともあるし、仕事の効率を下げる可能性もある。ビジネスパーソンには、もちろん仕事をうまく処理する能力も必要だが、仕事に行き詰まったときやストレスを感じたときに、うまく解消するスキルも求められる。

株式会社BookLiveが実施した『"仕事と気分転換"に関する意識調査』では、「お仕事で行き詰まりを感じたことはありますか?」という質問に対し、約半数の人が「しょっちゅうある」と回答。「一度もない」という回答は、わずか1.1%だった。

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「どんな時に行き詰まりを感じるか(3つまで複数回答可)」という質問では、「ミスをしてしまった時」が最多。2位の「職場の人間関係がうまくいっていない時」とともに、回答者の4割以上が選択していた。

失敗は成長のチャンスではあるが、やはりミスをすると落ち込んでしまうビジネスパーソンが多いようだ。仕事以外の場面でも悩まされることの多い「人間関係のストレス」は納得の2位。3位の「仕事量が多く身体がしんどい時」も、日本のビジネスパーソンの多くが共感するのではないだろうか。

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「仕事で行き詰まりを感じたときに話をする相手(3つまで複数回答可)」は、1128人の回答者が「家族」を選んで1位、「仕事とは関係のない友人」が2位だった。1位と2位に「仕事とは関係のない人」という共通点があるのは興味深い。3位に「同じ部署の同僚」が入っているが、4位以下を見ると「違う部署の同僚」、「同じ業界で別の職場の知人」など、あえて違う部署や職場の人に相談しているケースもある。

仕事においては最も身近な相談相手であるはずの「同じ部署の先輩」や「上司」のランクは低く、「行き詰まった時」に話をする相手には選ばれにくいようだ。

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「仕事で行き詰まりを感じた時の気分転換方法」には、仕事のことを忘れて没頭できる趣味や娯楽を楽しむ、何も考えずに休む、リラックスする時間を持つなど、ビジネスパーソンの気分転換には「仕事から離れる時間」が必須であることがわかる。

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新型コロナウイルスの影響で急速に拡大したテレワークでは、「家族との時間が増える」、「通勤ストレスがなくなる」などのメリットもあるが、オンとオフの境目が曖昧になったことにより、かえってストレスを感じているビジネスパーソンも多いと聞く。

調査結果からは、ビジネスパーソンにとって「仕事に直接関係ない人」や「仕事と離れる時間」が重要であることが読み取れたが、テレワークでは仕事とプライベートを明確に分けるのが難しい場合もあり、プライベート空間がストレス解消や気分転換の場として機能しなくなっている可能性もある。

新型コロナウイルス感染症については、まだまだ不安が拭えない。新しい生活様式としてテレワーク継続が推進されるなか、継続意向を示す企業も多い。

ビジネスパーソンは今後しばらくの間、テレワークへの適応や、感染や経済状況への不安など、普段以上のストレスを抱えていかなければならないだろう。

これからのビジネスパーソンのストレス解消には、大きな意識改革が求められてくる。外出自粛も強化と緩和を繰り返すことが考えられるので、主に友人との飲み会や買い物・レジャーなどでストレス解消をしていた人は、「新しいストレス解消法」を見つけなければならないし、テレワークでは意図的にオン・オフのメリハリをつけていく必要がある。

仕事場となった自宅にプライベート空間をしっかりと確保することも一つの方法だ。狭くても良いので、「ここでは仕事をしない、仕事のことは考えない」という場所を決めることで、リラックスできる空間が確保できるのではないだろうか。


【出典】総合電子書籍ストアBookLive! 『"仕事と気分転換"に関する意識調査


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作成/MANA-Biz編集部