仕事に役立つオノマトペ

2022.07.06

「スッキリ!」のひと言でイライラ解消

オノマトペ13:怒りやモヤモヤでソワソワするとき

タスクが山積みでアップアップなのに、周りのメンバーにうまくかわされて、仕事が減らない……。そんな不満は、無理に押さえ込まなくて大丈夫。オノマトペとともに言いたいことを吐き出すシミュレーションをしてから、スッと伝えてしまいましょう。

「スッキリ!」と心の中で唱えることで
頭のモードが切り替わる
理不尽だと感じたときは、まず頭の中で「私だけが一人で背負うのはおかしい! スケジュールが空いているメンバーにも割り振って!」など、言いたいことを頭の中で考えます。ただの文句ではなく、誰が聞いても納得するような客観的な意見として組み立てることが大切です。
「これで完璧!」と思う意見を構築したら、心の中で「スッキリ!」と唱えます。言いたいことを組み立てる段階で、イライラで冷静さを失っていた頭がだいぶ整理されているはず。そして「スッキリ!」というオノマトペによって、完全に切り替えるわけです。
ただし、本当にスッキリするためには、ここで終わりにするのではなく、頭の中で考えたことをリーダーなど伝えるべき相手にきちんと言うことが重要です。言わなければ伝わらないことは多いし、あなたの意見を知って賛同する人が現れるかもしれません。
子どもの怒りを
なだめるときにも応用できる
「スッキリ!」と共に自分の考えを構築する方法は、子育てにも応用できます。子どもがイライラしているときに、まずは「言いたいことを全部言ってごらん」と正直な思いを吐き出させるのです。そのプロセスの中で、「じゃあどうしたらいいかな?」と一緒に考えていきます。保護者が提案するのではなく、できるだけ子どもが自分で解決策を導き出せるよう、うまく引き出しましょう。
そして最後に、「スッキリしようか」と声をかけ、子どもと一緒に「スッキリ!」と言います。言葉と同時に、脇をしめながらガッツポーズをつくるなどのアクションをするのもよいでしょう。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里