仕事に役立つオノマトペ

2023.06.29

「ギューッ、パッ」「ふわふわ~」でスッと入眠

オノマトペ20:スムーズにぐっすり眠りたいとき

明日は大事なプレゼンが控えているので、十分に睡眠をとってベストコンディションで臨みたい。ただ、「眠らなきゃ」と思うとかえって目が冴えてしまうこともあるので、リラックス効果を高めるオノマトペをゆっくり試してみましょう。

口に出しながら
動作を行うのがベター
私は毎晩ふとんに入ると、「ギューッ」と言いながら身体に力を入れ、次に「パッ」と言って力を緩めるアクションを行っています。手→腕→脚→お尻→お腹→肩→首→顔の順に、「7割ぐらいの力をギューッと入れてからパッと抜く」を3往復します。このようにして緊張を解放する動きを繰り返すと、とてもリラックスできてすぐ眠りが訪れるのです。
「ギューッ、パッ」というオノマトペは頭の中だけで唱えてもいいですが、口に出すと、心にわいてくるさまざまな雑念をシャットアウトできるのでおすすめです。この「ギューッ、パッ」は、実際のプレゼン前に、緊張をほぐすために行ってもよいでしょう。
「フワフワ~」も
リラックスを助ける効果あり
ぐっすり眠りたいときは、心の中で「フワフワ~」とつぶやくのもオススメです。これは、心理学のプライミング効果(単語そのものと、その単語に関連するモノ・コトが頭の中で結びついて生まれる効果)を利用したオノマトペです。「フワフワ~」という言葉を言うと、フワフワの羽毛ふとんに包まれているなどの柔らかい感覚が自然とわいてきて、心身共にリラックスして心地よく眠れると期待できるのです。
眠れないときに「ヒツジが1匹、ヒツジが2匹......」は定番ですが、数を追っていくと目が覚めてしまうことも。その前に、「ギューッ、パッ」や「フワフワ~」を試してみましょう。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里