仕事に役立つオノマトペ

2023.05.02

「ニーッ」で口角と気分を上げる

オノマトペ19:疲れを周りに見せたくないとき

疲れていると、表情が曇ったり猫背になったりしやすいもの。気がついたときにオノマトペで「見た目」のメンテナンスを行いましょう。周りのメンバーに影響を与えやすいリーダーは特に、明るい雰囲気を意識した方がよさそうです。

口角が上がると脳が「楽しい!」と感じ
心が上向きに
職場でメンバーと目が合ったときには、「ニーッ」と心の中で唱えてみてください。「ニーッ」の音を意識すると口角が自然と上がり、笑顔がつくれます。特に楽しいわけでなくても笑顔になると、脳は「楽しいことがある」と勘違いするため、メンタルの状態が上向きになり、気持ちがパーッと明るくなってくるのです。
医学的にも、つくり笑いはストレスホルモンであるコルチゾールを減らし、免疫力を高める効果があるといわれています。
また、口角を上げると鼻の両脇の法令線が伸び、若々しい印象になるというメリットもあります。 「ニーッ」というオノマトペによって自分が笑顔になれば、笑顔を向けられたメンバーもリラックスできます。その連鎖によって職場の雰囲気も明るくなるでしょう。
「シャキッ」「ピン!」と心の中で唱えると
自然と背筋が伸びる
笑顔に加えて気をつけたいのが姿勢です。背筋が曲がっていると周りに暗い印象を与えることになるので、意識的に姿勢を正す習慣をつけましょう。
姿勢をよくしたいときは、心の中で「シャキッ」とか「ピン!」と唱えるのがコツです。「さあ、背筋を伸ばそう」と言葉で考えるのではなくオノマトペを使うと、一瞬でサッと姿勢を正すことができます。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里