リサーチ

2021.05.14

「ビジネスチャット」のデメリットと解決策は?

利用者の悩みと工夫から読み解くビジネスチャットのコツ

新型コロナウイルスの影響によりテレワークが普及。オンラインのコミュニケーションツールとして注目されているビジネスチャット。株式会社ビズヒッツは、仕事でチャットを利用している全国の男女221人を対象に実施した『ビジネスチャットの悩みについてのアンケート調査』(2020年11月)から考察する。

新しい連絡ツールとして
ビジネスチャットが普及

働き方改革に加え、新型コロナウイルスの影響下で、テレワークの普及やデジタル化・オンライン化が一気に加速した。そのなかで、WEB会議システムとあわせて、日常的な業務連絡やコミュニケーションに活用され始めたのがビジネスチャットだ。以前は電話やメールなどが中心で、チャットにはそれほど積極的でなかった企業でも、新型コロナウイルスを機に導入したケースも多いのではないだろうか。

ビジネスチャットは、メールや電話よりも手軽にスピーディーなやり取りができることが魅力。複数人での会話や電子ファイルの共有もできるし、音声通話やビデオ機能がついたビジネスチャットもある。過去のやり取りを振り返ることができるのもメリットの一つといえる。




利用者が抱える
ビジネスチャットの悩み

手軽で便利なビジネスチャットであるが、『ビジネスチャットの悩みについてのアンケート調査』によると、仕事でチャットを利用している人の約半数が、「ビジネスチャットをするうえで悩みがある」と回答している。

悩みの内容は、「会話のテンポが合わない」が最多、次いで「言いたいことが伝わりにくい」。対面なら表情やフィーリングで補えるところが、文字だけのやり取りになると難しく感じるビジネスパーソンが多いようだ。「やり取りが多く管理しづらい」には、チャットは手軽であるため、メールよりも送受信が多くなりがちだという背景もあるし、2位に「伝わりにくい」とあるように、理解が不十分で質問と回答の繰り返しになることが多い。会話に参加する人数が多い場合は、回答のタイミングにもばらつきがあるため、なおさら管理が難しくなる。また、必要最低限の会話に留めていたとしても、やり取りの期間が長くなれば情報量は増える。

何度もスクロールが必要になると、会話をさかのぼる手間だけではなく、自分宛のメッセージや大事な内容を見落とすという問題も起こる。そのため、送り手にも受け手にも、読んだかどうかの確認を怠らない工夫が求められる。また、ピン止め機能や自分用メモの機能があるビジネスチャットなら管理しやすいので、使うビジネスチャットの選び方も重要になる。

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ビジネスチャットを
使いこなすコツ

「円滑なビジネスチャットをするうえで工夫していること」では、「簡潔でわかりやすい文章にする」が最多。対面であれば何度も会話のキャッチボールをしながらでも、結論至るまでの時間は数分であったりする。しかし、チャットで何度もやり取りをするのは時間がかかるし煩わしいので、何をどうしたいのか明確な文章で送る、結論を先に書く、相手が返信しやすい文章にするなどの工夫が必要。これを実践すれば、ビジネスチャットの悩みの内容で挙げられていた「言いたいことが伝わりにくい」は克服できるのではないだろうか。

2位の「言葉づかいを工夫する」については、マナーの問題でもあるが、顔が見えないコミュニケーション特有の配慮でもある。対面のように表情や声音など雰囲気が伝わらないため、文章ひとつで「言い方がきつい」と思われてしまうこともあり、オンラインならではの心配りが必要になる。フリー回答では、「丁寧な文章を使う」のほか、「やわらかい文章を心がけている」、「ネガティブな内容を伝えるときには先に日頃の感謝を伝えている」という回答もあった。

「即レスする」が工夫3位に入っているが、ビジネスチャットの悩みに「即レスへのプレッシャー」が挙げられていた。確かに、チャットはスピーディーかつ既読がわかるので、「早く見なければ」、「返信しなければ」というプレッシャーは大きいかもしれない。
ここを克服するためには、「ビジネスチャットは即レスが当たり前」としない雰囲気づくりに加えて、工夫5位の「緊急度合いを相手に伝える」がいきてくる。急ぐ場合は文頭に【緊急】と書く、それ以外のものは一旦即レスするにしても、「後から返信します」の一言でOKなど、ルールを作ると良いだろう。

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ビジネスチャットは
対外的にも必須の時代に

新型コロナウイルスの影響で多くの企業がビジネスチャットを利用するようになり、今後さらにテレワークが進めば、ますます需要が高まってくる。調査で多くの人が指摘していたようなデメリットもあるが、克服しながら使いこなさなければいけない時代になっている。自社では積極的に使っていなくても、取引先からチャットでのやり取りを希望されたら、「No」とは言えない風潮になってきているのではないだろうか。

管理機能の充実したビジネスチャットも出てきているし、この先も進化していくはず。まずは使ってみて少しずつ慣れながら、より良い形を模索するのが良いだろう。何事も最初は少なからず戸惑うものだが、リアルタイムでコミュニケーションができるビジネスチャットは、使いこなせば便利、かつ業務効率を上げてくれるものだ。何より、これからの時代には必須のツールになると考えられる。困り感を感じている社員が多い企業では、ビジネスチャットに関する研修の実施を検討するのも良いだろう。


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【出典】株式会社ビズヒッツ『ビジネスチャットの悩みについてのアンケート調査』
作成/MANA-Biz編集部