仕事に役立つオノマトペ

2020.08.12

「スパッ!」と一声で集中力アップ

オノマトペ1:事務作業に取り組むときのひと工夫

慣れている事務作業に取り組んでいると、気がつけばボーッとして手が止まっていることも。雑念を断ち切って目の前の仕事に集中し、上手に区切りをつけていきましょう。

歯切れのよいSとPの音が含まれる「スパッ」は
脳のリセットにぴったり
事務作業の中には、データ整理や書類発送といったあまり考えずにできる仕事も多いため、どうしても集中力が低下しやすくなります。また、一説によると、人は起きている時間の約8割はネガティブなことを考えているといいます。ですから、フルで脳を使う必要がない事務作業中には、過去にあったイヤなことや未来への不安といったネガティブな思考に支配されやすくなるのです。
そこで、仕事に集中できないと感じたときは、「スパッ」と声を発して頭を切り換えるようにするとよいでしょう。SとPの音はどちらも歯切れがよく、脳をリセットするのにピッタリです。リセット力をさらに高めるには、少し大きな声で「スパッ」と唱えるのがオススメ。
ワクワクすることを3つ思い浮かべて
ポジティブな感情を上書きする
大学生46名に実践を交えた調査をしたところ、イライラを解消したいときは、「忘れよう』という言葉を口にするより「スパッ」というオノマトペを発した方が効果的だった、と答えた人が41名と大多数でした。
「ネガティブな感情を吹き飛ばせたな」と思ったら、心をプラスの感情で満たしましょう。具体的には、ワクワクすることを3つ思い浮かべます。例えば、「ボーナスが出たらコートを買っちゃおう」「土曜には海外ドラマをイッキ見できる!」「来週はBBQ!」といったように...。楽しいことを考えるプロセスの中で、気持ちがポジティブに切り替わります。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里