リサーチ

2019.06.14

ストレスに正直な欧米人、控えめな日本人

日本人とは一味違う?欧米人らしいストレス反応とは

誰しも無縁ではいられない職場でのストレス問題。日本国内の会社員とアメリカ・イギリスの会社員を対象に、ビジネスパーソンの働き方とストレス・生産性との関係を調査した。ストレスが引き起こす行動や生産性への影響などの結果を考察すると、日本とアメリカ・イギリスでは、ストレスそのものの捉え方に違いがあることが見えてきた。

大前提としてUS/UKに比べて日本の会社員はストレスを感じている人が多い。「とてもストレスを感じる」「ストレスを感じる」合わせて60%を超えており、これはUS/UKの倍以上だ。日本人はストレスに敏感とも言えるのではないだろうか。
 
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さらに、同調査のうち日本国内でのみ行った、従業員の健康維持・増進について、関心のあるテーマを聞いた調査結果では、もっとも関心のあるテーマが「ストレス対策に関する取り組み」だった。次いで「メンタルヘルスに関する取り組み」との結果が出ており、日本人のストレスやメンタル問題への関心の高さが見受けられる。
 
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職場でのストレスが原因でどんな行為をしたかという調査では、US/UKの1位「新しい仕事を探した」が特徴的だ。日本では「寝られなくなった」「職場で感情的になった」など“症状”が目立つが、US/UKでは具体的な“解決策”が1位ということか。
また、各項目のパーセンテージに着目すると、US/UKの1位「新しい仕事を探した」は実に6割を超える。しかし、圧倒的にストレスを感じているはずの日本人の1位「寝られなくなった」は全体の25.9%と、US/UKの同じ項目(59.3%)と比較してとても低い。この違いの根底には、日本人の「仕事におけるストレスは当たり前」と、欧米人の「仕事には基本的にストレスは感じない」というスタンスの違いがあるのではないだろうか。ストレスに慣れている日本人は抑圧しがちな行為も、ストレスに接した欧米人は表出させてしまうということが言えるのかもしれない。
 
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ストレスと生産性の関係についての調査では、30%以上のUS/UK のビジネスパーソンが「少しストレスがあったほうが集中できて仕事がこなせる」と考えていることがわかった。日本人はストレスというとネガティブな印象を持ちやすく、今回の調査でも「多少のストレスには対処できるが、仕事のクオリティが損なわれる」との認識が強かったが、US/UKではストレスがプラスに作用する面もあると思われているようだ。「病は気から」ともいうように、ストレスに対する向き合い方を変えると、日本人も少しは気持ちが楽になるかもしれない。
 
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作成/MANA-Biz編集部