リサーチ

2016.05.23

データ・アレルギーでは出世できない!?

データを活用した経営ビジョンと、これからのワークススタイル

膨大なデータが行き交う現代、企業はデータをどのように活用すべきか。そして、ビジネスマンに求められるスキルとは?

 
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スマートフォンの爆発的な普及により、今や一人一台以上のデジタルデバイスを持つ時代だ。ネット検索、ネットショッピング、SNSでの交流、情報発信、ネットサーフィン…など、インターネットを介したこれらの行為はすべてデータ化され蓄積されている。それらを利用しない手はないと、多くの企業がデータ志向型企業への転換に取り組んでいる。
 
NTTコムリサーチによる調査「"データ"に基づく経営とワークスタイル」(2013年11月)では、データの活用レベルを「情報検索・情報収集」「データの蓄積・共有」「データ分析」「データの効果的活用」の4段階に分け、各企業におけるデータ活用の状況を調査した。それによると、「会社全体で、情報検索・情報収集に積極的に取り組んでいる」と答えた企業は46.2%、「データの蓄積・共有に積極的に取り組んでいる」と回答する企業は47.2%と、それぞれ約5割を占める。さらに上位レベルの「データ分析」に積極的に取り組む企業の割合は38.6%、「データの効果的な活用」でも38.2%と、いずれも高い数値を示している。
 
では、人材面ではどうか。同調査によれば、全体の約4分の1にあたる26.5%の企業が、「データサイエンティスト(データ分析の専門家)の確保・育成に積極的に取り組んでいる」と回答。一方で、働き手側の意識も、「社会人として、一定レベルのデータ分析ができるスキルが必須となってくる」と約4割(38.1%)の人が考え、労使共にデータ活用への関心は高い。
 
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データの具体的な活用法として最も多かったのは、「経費削減・無駄の削減」で27.4%、次いで「営業戦略策定・マーケティング」(22.3%)、「新商品・新サービスの企画・開発」(19.2%)となっている。経費節減など、経営の効率化は「守り」の戦略として有効だが、企業成長のためには、新商品開発・新規事業といった「攻め」の姿勢も重要である。膨大なデータの収集と分析はそこで大きな効果を発揮する。しかし、調査結果をみる限り、データ活用のポテンシャルを活かしきれていない感は否めない。
 
今後、ますますデータ活用の必要性が高まる中、膨大なデータの中から企業にとって有効な情報を抽出し、新たな道筋を提示するスキルがビジネスパーソンに求められていくのは当然の成り行きであろう。
 
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出典:NTTデータ経営研究所/NTTコム リサーチ 「ワークスタイル変革シリーズ "データ"に基づく経営とワークスタイル」をもとに作成
※各段階評価の数値は四捨五入のため、合計値は合わないことがあります。
 
 

 

作成/MANA-Biz編集部