2023.3.16[ すべて ]

【2023】ABWとは?導入企業が伝えるメリットや進め方

【2023】ABWとは?導入企業が伝えるメリットや進め方 【2023】ABWとは?導入企業が伝えるメリットや進め方

今、オフィスづくりや働き方で、もっとも注目されるキーワードのひとつ「ABW」。ABWとは、業務や気分に応じて時間と場所をワーカー自ら選択できるワークスタイルです。選択できる場所は、オフィスの中の様々な席やエリア、自宅、そしてコワーキングスペースやカフェなど様々で、働く場所や働き方の変化に柔軟に対応できることが特徴です。

コロナ禍でテレワークが浸透し、働き方やオフィスの使われ方が変化したことから、ABWの導入を検討する企業が増えています。
今回は、ABW導入で知っておきたいことなどを紹介します。

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目次

・ABWとは

・ABWが注目される背景
 「場に縛られずに働ける」ことのメリット

・ABWとフリーアドレスの違い

・さまざまな働き方とABWの位置づけ

・ワーカー、経営者それぞれのとってのメリット・デメリット

・ABW導入時に起きやすい課題

・3つの準備ポイント
 制度やルール、ツールや工夫、企業風土

・コクヨのABWを実際にご覧いただけます

・ABW資料無料ダウンロード

ABWとは

ABWとは「Activity Based Working (アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略で、業務や気分に応じて時間と場所をワーカー自ら選択できるワークスタイルです。

自宅や社外のワークプレイスを含む"広域ABW"と、オフィス内の環境・仕組みにフォーカスした"オフィス内ABW"に分けることができます。

広域ABW:自宅、自社オフィス、コワーキングスペースやカフェ
オフィス内ABW:社内のフロアやエリア 2abw2023img.jpg

ABWが注目されるようになった背景

海外では、1990年代からABWを導入する企業がありましたが、日本で「ABW」という言葉が聞かれるようになったのはここ数年のことです。図らずもコロナ禍でテレワークが実施されたことで「働き方・働く場の変化」が起き、「場所に縛られない働き方」のメリットに注目が集まるようになりました。

そして現在、テレワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」を実施する企業が増えていますが、従来型オフィスでの課題も目立つようになってきました。

■「ハイブリッドワーク」浸透での従来型オフィスの課題

・テレワークで社内で使われない座席や空間がある
・社内にオンライン会議に適した場所がない/不足している

これらは主に、「場の柔軟性」による課題と言えます。従来の固定席中心のオフィスでは、空間の使い方が限られることが多いですが、ABWは「場に縛られない」ことが特徴です。ABWでは、社内に多様な場があることや、場の使い方を柔軟にアレンジできます。このことから、より効率的にオフィス空間を使うために、ABW導入を検討するケースも増えています。

「場に縛られずに働ける」ことのメリット

ABWで「場に縛られず働ける」メリットはもう一つあります。災害など不測の事態への備えとして、オフィス以外でも業務ができる仕組みを整えることは重要な防災対策のひとつです。また、ABWやフリーアドレスは従来の固定席に比べ、人数や働き方、ツールの変化に対応しやすいことも、ABW導入が増えている理由です。

ABWとフリーアドレスの違い

「ABW」とよく混同されがちなのが、「フリーアドレス」 です。大きな違いは次の2点です。

ABW:「業務や気分に応じて働く場所や時間を選ぶ」こと
フリーアドレス:「オフィスで自席が固定されていない」こと

次に、ABWとフリーアドレスそれぞれの概念や特徴を整理してみましょう。

ABW

3abw2023img.jpgABW型のオフィス(コクヨ品川オフィス)

ABWは、働く人が業務や気分、状況に応じて働く場所や時間を選ぶ働き方です。ABWでは、集中作業やソロワークに適した席、コミュニケーション向きのエリアなど、オフィス内に多様な場が用意され、社外の空間も含め、業務に適した場所を選び仕事をします。

主な目的:ワーカーの生産性や働きやすさの向上を目指す
働く場所:オフィス内の業務に適した様々な、自宅、コワーキングスペースなど多様

※「時間」もワーカー自身が選択できますが、狭義では場の事だけを指している場合もあります。
※自席が確保されていても構いません。

フリーアドレス

4abw2023img.jpgフリーアドレス型オフィス

フリーアドレスは、オフィスで自席が固定されていないことを指します。

主な目的:スペース効率化によるコスト削減
働く場所:オフィス空間が多様であるかどうかは問わない

組み合わせることで、より効果的に

一見、ABWとフリーアドレスは目的やメリットが異なるように見えますが、合わせ技で効果を最大化するケースも多くあります。
例えば、フリーアドレスを併用して通常の執務席スペースを削減、 新たに生まれたスペースを多様な場づくりに充てるなど、効果を最大化することができます。

ABWの位置づけ

ABWとともによく話題に取り上げられるのが、テレワーク、フリーアドレス、時短勤務やフレックスタイム制といったキーワードです。
それぞれの位置づけや特徴は、時間と場所の自由度を軸に以下のように分類できます。

5abw2023img.jpg 時間と場所でみるABWの位置づけ

ABWは図の右上に位置します。中でも、オフィスの外の環境も業務空間としてみなす 「広域ABW」は、より場所の選択肢の自由度が高いと言えます。

ABW導入で期待されること

場所、時間の選択肢の自由度が高いのがABWの特徴ですが、実際に導入するとどのようなメリットが期待されるのでしょうか?広域ABWと、オフィス内ABWで期待される、ワーカー、マネジメントそれぞれのメリットを見てみましょう。

ワーカーにとってのメリット

ワーカーそれぞれが最適だと感じる場を選べることで、作業効率や満足度が高まることが期待されます。柔軟な働き方ができることは、ワーク・ライフ・バランスの実現にもつながります。

6abw2023img.jpg ワーカーのメリット

経営者にとってのメリット

ワーカーにとってメリットと感じられる環境を整えることで、生産性があがったり、働きやすさをPRすることで人材の確保にも繋がります。

7abw2023img.jpg経営者視点のメリット

ABW導入時に起きやすい課題

メリットも多いABWですが、ワーカー、経営者それぞれにとって注意すべきポイントもあります。これらは、事前の段取りをしっかりと行うことで予防できたり解決できるケースも多いため、導入前の準備や周知、フォローが重要になってきます。8abw2023img.jpg

■ワーカー

・会社への帰属意識の低下
・リアルなプロセス等の評価が難しい
・働き方の浸透に時間がかかる
 (既存ルールが転用できない、目的の共有がされてない、ロールモデルがいない等)
・勤怠管理がしづらい 9abw2023img.jpg

■経営者・マネジメント

・メンバーシップ型の人事評価とマッチしづらい
・ICTツール等、設備投資のイニシャルコストがかかる
・社員マインドセットが不完全な状況から 上司が部下を監視・圧力をかけてしまう
・セキュリティ等の観点で課題が生じる

ABW導入前に検討しておくべき事項

ABWのスムーズな導入のために、事前にチェックし検討すべきポイントは何でしょうか?
従来の働き方に比べ、場所や時間の自由度が高まるため、次の3つのことを事前に考えておきましょう。

①制度やルール作り
②気軽に働けるためのツールの準備
③企業風土づくり

制度やルール作り

労務や就業規則、空間の使い方ルールなどは必ず検討が必要な項目です。
例えばフレックス制度や社外・自宅などのテレワークも含む場合は、就業規則などの社内規定を見直す必要があります。また、社内の空間利用においても、いろいろな立場の利用者が納得し、公平さを感じられる運用ルール作りとそれらをチェックする体制を整えましょう。

■チェックすべき社内制度・ルール

・就業規則
・出社時の席の割り当て方法
・席の占有時間・離席時間の上限
・スケジュールの共有方法
・PC/書類の保管・持ち出しルール
・コワーキングスペースの契約やサテライトオフィスの構築
・不在時の荷物の受け渡しなど

10abw2023img.jpg座席をくじ引きで決める仕組み

「気軽に動ける」ための工夫

また、ABWの特徴である、「社内外問わずどこでも仕事ができる」環境を構築するため、ICTツールの対応は必須です。

加えて、オフィス内・外と働く場を選べる広域ABWでは、気軽に動けるかどうかも重要なポイントです。「どこでも働く」を実現するためには、動きやすいツールを整えておく必要があります。

■ツールや工夫が必要なポイント

・電話
・郵便物、 配布物
・PC、 個人資料の収納、 社内移動方法
・居場所の特定方法
・ペーパーレス化への対応

11abw2023img.jpg 持ち運びに便利なコクヨのモバイルバッグ「mo・baco(モバコ)」

12abw2023img.jpg よく使う物をすっきり収納できる、コクヨのツールペンスタンド「Hako・Biz(ハコビズ)」

ABWを受け入れる 企業風土づくり

13abw2023img.jpg 場・制度・ツールがすべて整っても意図通りの働き方が行われず、「いつも同じ席を占領している人がいる」、「どこでも良いと 言われても部下が見えないと困る」といった反応が起こることがあります。

これらを解決するためには、 ABWを受け入れる風土の醸成も重要です。「何のためのABWか」を理解・浸透させ、働く人が納得できるためのプロセスを重視しましょう。

■企業風土をみつめなおすためのアプローチ例

・アンケート、ヒアリング 、入居後調査
・ワークショップ
・トップメッセージ
・社内PR 、インナーブランディング 、イベント

コクヨのABWを実際にご覧いただけます

ABWの特徴やチェックポイントをご紹介しました。ABW成功のポイントは、豊富なノウハウを見聞きし、自社に合った内容をしっかりと固め、プランを立てることです。
コクヨ品川オフィスでは、ツールや制度の整備のこと、事前準備と社員へのインプット方法などを、実際のABWオフィスをご見学いただきながら、体感いただけます。品川以外にも、ご覧いただける拠点がございます。ぜひ、お越しください

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