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【プロに聞く】クチコミ分析!オフィス移転の効果・成功パターン ~オープンワーク大澤 陽樹氏インタビュー~

公開日:2025.6.24

執筆:コクヨコラム編集部

#オフィスリニューアル #オフィスレイアウト #オフィス移転 #トレンド

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【プロに聞く】クチコミ分析!オフィス移転の効果・成功パターン ~オープンワーク大澤 陽樹氏インタビュー~

近年増加する、企業のオフィス移転・リニューアル。目的はコミュニケーション促進や生産性UP、そして新しい働き方の導入など、よりよい働き方やオフィスを目指したものが中心です。ところが、いざ実施してみると社内の反応や効果がいまいち...という声も多く聞かれます。課題解決のヒントは、社員のクチコミにあるかもしれません。

今回は、国内最大級の社員クチコミ数を誇る、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営する、オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤 陽樹さんにインタビュー!
OpenWorkの豊富なクチコミとオフィス研究データをもとに、オフィス移転の成功パターンを探ります。
聞き手:コクヨコラム編集部、撮影場所:コクヨ品川ライブオフィス

■ゲスト紹介

オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤 陽樹さん
東京大学大学院卒業。2019年オープンワーク株式会社 取締役副社長、2020年同社代表取締役社長に就任、2022年東証グロース市場に上場。多様な企業現場を知り、オフィスや働き方に関する研究を行う。著書『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』(東洋経済新報社)。

1.オフィス移転の目的やトレンド、背景

豊富な社員クチコミデータなどを活用し、オフィス移転の実態をあぶりだす豊富な社員クチコミデータなどを活用し、オフィス移転の実態をあぶりだす

――大澤さんはオフィス移転やその効果について研究されているそうですね。
大澤さん:最近、オフィス移転が増えていますよね。昨年オープンワークは、弊社がもつ数多くのクチコミデータも活用しながら、オフィス移転の傾向や効果について大学の研究室や企業(※1)と共同研究をしたんです。まず、これまでとの違いやトレンドなど、見えてきたことをご紹介したいと思います。

こちらは、企業が発信するプレスリリースをもとに、オフィスや本社移転の動機や目的、経緯などを分析し、コロナ禍の前後数年間の比較をしたグラフです。
コロナ禍以降、「コミュニケーション」や「在宅勤務」をキーワードとする移転が増えていることがわかります。
※1)国立大学法人筑波大学、株式会社ニッセイ基礎研究所、三幸エステート株式会社

企業のプレスリリースをもとに分析した企業のプレスリリースをもとに分析した
コロナ禍前後における本社移転動機の変化
(出典「働きがい研究所」オープンワーク)

■データから見る本社移転の動機

――最も多いオフィス移転動機は何だったのでしょうか?
大澤さん:コロナ禍前後ともに、最も多い本社移転の動機は「コスト削減・業務効率化」です。「事業拡大」や、拠点統合などの「集約」も以前から多く見られています。
一方でコロナ禍以降は、「働き方改革」や「コミュニケーション促進」が増加。特に「コミュニケーション促進」は、コロナ禍やリモートワークで分断ぎみになっていた、オフィスや社員の交流を改善していきたいという狙いがあると推察できます。

2.「在宅勤務」「コミュニケーション促進」を目的とした移転の傾向

2.「在宅勤務」「コミュニケーション促進」を目的とした移転の傾向

――さきほどのグラフ左端、「在宅勤務」を動機とした移転がかなり伸びていますね。
大澤さん:そうなんです。「在宅勤務」を動機とした移転が昨今急激に増加していて、これには2パターンあると考えられます。

「在宅勤務の増加で、効率化のためにオフィスを縮減」パターンと、「在宅と出社のハイブリッドな勤務導入のためにオフィスを変える」パターンの2つです。

特にこの2つ目のパターンは、オフィスや出社をコミュニケーションの場や機会としてとらえているのが特徴ですね。

――企業がオフィスをコミュニケーションの場ととらえる理由は何でしょうか?
大澤さんハイブリッドワーク(リモートワークと出社を組み合わせた働き方)では、時々オフィスに出社もします。それならば、オフィスをコミュニケーションが促進されたり、チームビルディングができるような場や空間に変えよう、といった考えです。

「オフィスの在り方」や「出社の意義」そのものを捉え直すという観点から、オフィスを移転するケースはとても増えているように感じます。

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ハイブリッドワーク時代のコミュニケーションオフィスのつくり方

■コクヨのTIPS■
コミュニケーションを促進するオフィス空間の例

オフィスには、雑談、打合せや会議、そして面談や1on1など多様なコミュニケーションがあります。ちょっとした工夫をすることで、連携しやすさや生産性を上げたり、狙った場所に人を集めて会話のきっかけを作り出すことができます。

コクヨ梅田ライブオフィスコクヨ梅田ライブオフィス
執務スペース近くにソファやテーブルを設置したコミュニケーションスペース。
ちょっとした確認や簡単な打合せがすぐにでき、効率的なコミュニケーションが可能
ソファー「OSFA(オスファ)」、テーブル「Region(リージョン)」、チェアー「pallo(パロ)」、「ingLIFE(イングライフ)」、ディスプレイツール「ディスプレイモバイル」、可動式パネル「fore moving panel(フォーレムービングパネル)

コクヨ名古屋ライブオフィスコクヨ名古屋ライブオフィス
ソファ「METTI(メッティ)」、丸テーブル「CK-750」、 ハイスツール「hang like(ハングライク)」、
カウンター「big counter(ビッグカウンター)

コクヨ梅田ライブオフィスコクヨ梅田ライブオフィス
さまざまな部署の人が利用する郵便物トレー近くにカウンターとチェアーを設け、
リフレッシュエリアを併設。
人が集まり滞留しやすい工夫をし、会話を促す。
カウンター「big counter(ビッグカウンター)」、ハイスツール「hang like(ハングライク)

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3.移転で従業員満足度は上がる?目的別の特徴や傾向

――オフィス移転が従業員満足度にどう影響するのか気になります。
大澤さん:総体的にですが、オフィス移転をすると従業員満足度が必ずしも上がるのかというと...当然そんなことはありません。

ただ、興味深いことに、特定のケースや目的においては、因果とまではいかなくとも相関はあります。ポジティブな反応やネガティブな意見を見ると、従業員満足度を向上させるヒントも見えてくると言えますね。

――興味深いですね。それぞれの目的でどんな傾向がありましたか?
大澤さん:こちらは、本社移転の従業員満足度への影響をまとめた表です。研究では、「コミュニケーション促進」、「生産性向上」、「働き方改革」をオフィス移転の目的をしたケースで、従業員満足度(※2)にポジティブな反応が見られました。
こちらが、本社移転の従業員満足度への影響をまとめた表です。

本社移転の従業員満足度への影響本社移転の従業員満足度への影響
(出典「働きがい研究所」オープンワーク)

大澤さん:ここで注目すべきは「コミュニケーション促進」目的で移転をした企業。「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」と、複数の項目でプラスの影響が出ました。

――コミュニケーション促進のどんな面が好影響を与えているのでしょうか?
大澤さん:仮説ではありますが、オフィス移転をきっかけに、物理的にオフィス環境を改善したことが、直接的に満足度に寄与したのではないかと考えています。

たとえば、コミュニケーションエリアやコラボレーションエリアといった、コミュニケーション促進に特化した仕掛けや空間をオフィスに設けるなどがあります。

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※2)従業員満足度:オープンワーク上の総合評価を構成する8項目(※3)のうち、「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代の成長環境」「人材の長期育成」から分析
※3)8つの評価項目:「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」、「人材の長期育成」、「法令順守意識」、「人事評価の適正感」、「待遇面の満足度」

■コクヨのTIPS■
オフィスのコラボレーションエリアの例

コクヨ名古屋ライブオフィスコクヨ名古屋ライブオフィス
周囲とゆるやかなつながりを感じられるオープンなミーティングスペース
テーブルやチェアーはキャスター付きで、人数や目的に応じてアレンジができる
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、チェアー「Any Chari(エニーチェアー)」、
ソファー・スツール「Any sofa(エニーソファー)

――「生産性向上」や「働き方改革」を狙った移転の、従業員満足度への影響はいかがでしたか?
大澤さん:オフィス移転の目的を「生産性向上」、「働き方改革」とおいたオフィスでも、それぞれポジティブな影響が見られました。これは、移転を機に環境的な働きやすさが改善したり、それによって成長につながる経験ができるようになった可能性が考えられます。

「生産性向上」を目的とした移転では、「風通しの良さ」、「社員の相互尊重」、「20代成長環境」の3項目で評価があがっています。また、「働き方改革」目的の移転でも、「社員の相互尊重」「人材の長期育成」において、ポジティブな影響が見られました。

■オフィス空間の縮小が「社員の士気」に影響

――先ほどの表の中で、「在宅勤務」を目的としたオフィスでは、マイナスがついていますね。
大澤さん:そうなんです。11個に分類した移転目的のうち、唯一ネガティブな反応があったのは、「在宅勤務」目的の移転です。明らかに「社員の士気」項目で影響が見られました。

これには、オフィス面積の縮小が関係しています。今回の研究では共同研究者の不動産企業の協力を得て、移転先のオフィス詳細まで追ってみたんです。

ネガティブな影響が見られた移転では、やはりオフィススペースの平米数が減っているケースが多かったですね。

想像できるストーリーとしては、

・在宅勤務が導入される
  ↓
・オフィスが縮減される
  ↓
・対面のコミュニケーションやコラボレーションの機会が減る
  ↓
・社員の満足度に影響

というように、特に働く意欲の面で影響を与えたのではないかと個人的には考察しています。

4.オフィスに関するネガティブ意見と原因、予防策

――移転に限らずとも、最近のオフィスに関するネガティブな意見にはどのようなものがありますか?
大澤さん:たとえば最近の話題のオフィス回帰。オフィス回帰のための移転した企業、移転はなくとも出社スタイルに戻した企業に関するクチコミを見てみると、オフィス環境や利便性に関するネガティブな意見が多く見受けられます。

具体的には、「生産性向上のため企業に要請されて出社回帰したものの座席がない」、「モニターが足りない」、「ロッカーがなくて不便」...など、環境が整っていないことによるネガティブな意見が多く見られます。

――生産性向上をうたって出社を求められたのに、オフィスに行ってみたら...ですね。
大澤さん:これでは「本当に生産性が上がるの?」となるのも当然ですよね。また、「移転先のオフィスが駅から遠い」、「通勤時間が長くなった」という、利便性に関する意見も少なくありません。

オフィス回帰自体が原因なのではなく、出社を求めるなら少なくとも社員をがっかりさせないオフィスや環境が必要ということだと私は思います。

コクヨ名古屋ライブオフィスコクヨ名古屋ライブオフィス
個人での作業に集中しながらも、周囲から声をかけやすいレイアウトの執務スペース。
大きいモニターで捗りにも配慮
テーブル「WORKFIT(ワークフィット)」、チェアー「Wizard4(ウィザード4)

――ネガティブな反応を予防する方法はありますか?
大澤さん:ネガティブな反応を抑えるためには、移転目的やさまざまな変化、そして新しいオフィスのメリットを社内にしっかり説明して浸透させることがポイントです。何の説明のないまま、変化を求められても不満の原因になりかねないですよね。

オフィス移転以外にも当てはまる話で、オフィスリニューアルや新しい制度、働き方を導入する際も同様です。

■オフィス移転で不満が起きやすい時期と予防策

――オフィス移転でのネガティブな反応には時期や傾向など、特徴はあるのでしょうか?
大澤さん:あるんです。実は、ネガティブな反応が起きやすいタイミングというものがある。なぜならオフィス移転の効果は、すぐ体感できるものと、そうでないものがあるからなんです。

たとえば、オフィス環境への不満、不便さに関する意見は、移転本来の効果が出る前、ごく初期段階によく見られます。

――最初は大変だけど、新オフィスはこんなメリットがあるよ、と伝えるのが大事ですね。
大澤さん:まさにそうですね。新オフィスの不便さを越えるメリットが社内に伝わっていれば、初期の不満はすぐ消えていくものです。ところが、十分に伝えきれないと、こうしたネガティブな声は続いていく。

人間は現状維持バイアスを持ちやすく、変化というものをどうしてもネガティブに捉えがちです。だからこそ、変化する目的やメリットを事前に浸透させ、理解を得ることが重要なのです。

5.オフィス移転成功の3つの秘訣とは?

オフィス移転成功の3つの秘訣とは?

――オフィス移転の成功ポイントが少しずつ見えてきましたね。
大澤さん:オフィス移転成功の秘訣を3つあげるとすると、①「社内理解浸透」、②「順応を早めていくこと」そして、③「作って終わりにせず、改善を重ねていくこと」です。

■①「社内理解浸透」

大澤さん:①「社内理解浸透」は、移転本来の目的を伝えて理解してもらうことです。移転のメリット、オフィスに込められたメッセージ、スペース設置の目的や意図なども、しっかり理解を得ることで、ネガティブな反応を減らすことができます。特にオフィス空間の目的やメッセージなどは説明なしにはなかなか気づけないものです。

■②「順応を早めていくこと」

大澤さん:②「順応を早めていくこと」は、目的を理解してもらったうえで、オフィスを実際にどんどん活用してもらうこと。オフィス移転の効果は遅効性です。慣れ親しんでもらい順応を早めることで、移転の意義を感じたり、効果を実感してもらいやすくなります。

■③「作って終わりにせず、改善を重ねていくこと」

大澤さん:そして③「作って終わりにせず、改善を重ねていくこと」。オフィスや働き方の状況は日々変化し、新しい課題も出てきます。オフィスというのは作って終わりではなくて、常にオフィスの状況を振り返り、改善を重ねることが大切です。

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6.大澤さん感動!印象に残るオフィス

コクヨ品川オフィスのオフィス「THE CAMPUS」の案内を手に取る大澤さんコクヨ品川オフィスのオフィス「THE CAMPUS」の案内を手に取る大澤さん

――多くの企業を訪問されるなかで、特に印象的だったオフィスはありますか?
大澤さん:私自身いろいろなオフィスを見るのが好きで、先日、三井物産株式会社さん、三井不動産株式会社さんのオフィスやテナント企業向け会員制施設・サービス「mot. Mitsui Office for Tomorrow Otemachi One」などを見学させてもらったんです。オフィスのすばらしさはもちろんなのですが、オフィスづくりへの思いや社内理解への工夫が見事で、とてもインパクトがありました。

「mot. Mitsui Office for Tomorrow Otemachi One」mot. Mitsui Office for Tomorrow Otemachi One

大澤さん:驚いたのは、オフィスの意図や狙い、理念を浸透させるための「社内向け」パンフレットがきちんと作られていたこと。社外に案内するためではなく社員のために、です。インナーブランディングに活用されているのが伝わってきますよね。

社員の方がオフィス案内と説明をしてくださったんですが、当然のように自社オフィスについて語ることができるんです。普通、自分のオフィスの意図や構造、狙いといったことって、なかなか説明できないですよね。

――理解度が高いと、オフィスの使い方にも違いが出てきそうですね。
大澤さん:見学したオフィスは、各フロアや区域ごとに機能や役割がふられたり、ゾーニングされているフロアスタッキングタイプのオフィスなんです。

「mot. Conference」「mot. Conference」
自然をテーマとし、天井にはアイデア創出をイメージした雲をモチーフに取り入れている。

大澤さん:それぞれのフロアやスペースにどのようなメッセージが込められていて、どのような使い方をしてほしいのか。しっかり社員に伝わっているからこそ、より効果的に使われているんです。

オフィスが単なる作業空間ではなく、企業理念や企業の価値観を体現する場なのだということを実践している例で、とても感銘を受けました。

<オフィス事例紹介>
大澤さんがご見学されたオフィスや多くのオフィス事例をコクヨの納入事例ページでご覧いただけます。コンセプトや狙いなど、レイアウトがわかる画像とともに、さまざまな事例を解説、ご紹介しています。

■三井物産株式会社様、三井不動産株式会社様
mot. Mitsui Office for Tomorrow Otemachi One
位置:東京都|納入:2020年|提供内容:インテリアデザイン、施工、内装工事
<各種アワード受賞歴>
・ICONIC AWARDS 2021 INOVATIVE ARCHITECTURE 建築部門「Winner」賞
・ICONIC AWARDS 2021 INOVATIVE MATERIAL 「Selection」賞
・Red Dot Award 2021 リテールデザイン部門「ザ・レッド・ドット」賞

三井物産株式会社様、三井不動産株式会社様【コクヨの納入事例】三井物産株式会社様、三井不動産株式会社様
mot. Mitsui Office for Tomorrow Otemachi One

7.事業戦略と発信基地としてのオフィス

――大澤さんがオフィスの在り方を考えるとき、何を基準にされますか?
大澤さん:私たちの企業も今、オフィス移転を視野に入れたオフィスの在り方の議論を始めているところなんです。社内でいろいろな要望や意見、なかなかまとめるのは大変ですね(笑)。

私自身は、オフィスも戦略であると考えています。事業戦略、組織戦略、財務戦略をふまえ、それらを実現するうえでオフィスはどうあるべきか。状況にあわせてオフィス戦略を考えることが、とても大事だと思っています。

もちろん、シンプルに出社人数が減ったから縮減、といった考え方もひとつではあるとは思います。
しかし、オフィスは企業の経営理念や経営方針を実現するための、メッセージの発信基地なのだと捉えると、オフィスに対する考え方がまた違ってくると思います。

■状況別のオフィス戦略

――企業の置かれた状況や強化したいことによって、オフィス戦略はどう変化するのでしょうか。
大澤さん:例えば事業を複数持っている企業で、事業部同士が生き残りをかけて戦っていくような分散型の組織であるのなら、オフィスも分散させて一つ一つの事業部の状況に合ったオフィスづくりをしていくべきかもしれない。

一方で、事業部を超えて一丸となって企業で何か乗り越えていく、立て直していくという局面では、一つのオフィスに集約すべきかもしれない。

当然、オフィスや働き方は人材確保や採用の面でも重要な影響があります。競争力を上げるためには、「いつでもどこでも働けること」を実現できたほうが、採用の可能性は広がりますよね。
このように、戦略のひとつとして、オフィスをとらえるようにしています。

8.オフィス移転研究をしての気づき

オフィス移転研究をしての気づき

――今回の研究で、クチコミやオフィスの傾向を見て感じたことは何でしょうか?
大澤さん:そもそもオフィス移転やオフィスそのものに意義や目的を持たせようと考える企業自体が少ないのかもしれません。私自身も経営者として耳の痛いことではあるのですが(笑)。

単純に人が増えたから拡大、出社する人が減ったから縮減といった具合に、社員数を収めるための作業場所としてオフィスを捉えている企業が、やはりまだまだ多い。

ただ、本来オフィスはそうではなく、例えば「このような経営方針だから、社員にこんな働き方をしてほしい」とか、「こんなニーズが社員の中にあるから実現できるオフィスにしたい」など、明確な目的を持って行うべきだと思います。私自身、改めて実感しました。

9.オフィスや働き方のお悩みはコクヨにご相談を

コクヨ品川ライブオフィスコクヨ品川ライブオフィス

ここまで、オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤 陽樹さんにオフィス移転の成功パターンをおうかがいしました。

コクヨでは、本インタビューでも取り上げた、社内不満の解消、目的の設定や社内浸透などを含め、オフィスのさまざまな課題解決のサポートを行っています。
また、コクヨ社員が実際に働くリアルなオフィス、最新の家具に触れていただけるショールームもご見学いただけます。ぜひ、コクヨが実践する働き方や多様なオフィスレイアウト、コンセプトをご覧いただきながら、オフィスづくりのヒント探しにご活用ください。

■コクヨオフィスのご見学
コクヨライブオフィス(全国)
コクヨ品川ライブオフィス
コクヨ梅田ライブオフィス

■オフィス家具のご見学
ショールーム見学(東京・大阪)

■ご相談・ご質問
コクヨへのご相談・お問合せ

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