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2021.07.21

【2021最新】AIに仕事を奪われる?将来性のある仕事の特徴

AI時代もなくなる可能性の低い仕事14選

2015年に「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になる」という試算がオックスフォード大学と野村総研によって発表されたことで、将来AIに仕事を奪われるのではと不安を感じた人も多い。自分の仕事に将来性はあるのか、それともAI時代にはなくなるのか。将来性のある仕事に就くには何をすればいいのか、解説していく。

将来性のある仕事とは?

近年さまざまな仕事においてAIやIT技術の導入が進んでいます。また昨年来の新型コロナウイルスの影響により仕事のスタイルや生活スタイルが大きく変化し、世の中のニーズも大きく様変わりしました。こうした環境変化を受け、「自分の仕事に将来性はあるのだろうか」と不安を感じている人もいるかもしれません。

一方で「2011年にアメリカの小学校に入学したこどもたちの65%は、今は存在していない職業に就くだろう」というニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソン教授の予測にもあるように、現在は存在すらしていない職業が主流になっていくとしたら、仕事の将来性を予測することはかなり難しいといえます。では現時点で将来性があるといえる仕事にはどのような特徴があるのか、詳しく見ていきます。




将来性のある仕事5つの特徴

将来性がある、つまり当面機械に奪われてなくなってしまうことはないだろうと思われる仕事として、次の5つの特徴が考えられます。


社会情勢を受けにくい

新型コロナウイルスの影響を受けて2020年度には旅行業や宿泊業の倒産が増加。飲食業や不動産業なども大きな打撃を受けました。他にも人手不足や増税、気候変動や規制緩和などさまざまな要因で倒産のリスクが存在します。そんな中で社会情勢や流行に左右されにくい仕事は長期的に見て安定しやすいといえます。例えば公務員やインフラ系、農業や漁業などがこれに該当します。

2_bus_103_01.jpg 出典:「全国企業倒産状況」2020年度、東京商工リサーチ



需要に対してなり手が少ない

高い需要があるにも関わらず、なり手が少ない仕事はそれだけライバルが少ない売り手市場といえます。2020年度の東京都の職種別有効求人・求職状況を見ると、建築・土木関連、福祉関係や介護、接客・給仕サービスなどでは求人が多いにも関わらずなり手が少ない一方、一般事務や運搬・清掃業などは求人に対して求職者の方が多い状況となっています。どの業界が人手不足で需要が高まっているのか、情報を集めておくといいでしょう。



業界が安定・継続的に成長している

衣食住のような基本的な生活のベースを担うサービスや生活必需品になっているものは、すぐになくなることは考えにくいです。特にインターネットビジネスなどのIT関連はもはやなくてはならないもの。テレワークを導入する企業の増加でますますビジネスツールやインターネット環境の整備への需要が高まっています。他にも高齢化社会へと突入していっている日本では福祉や介護関連も継続的に成長が見込めるでしょう。



社会的なニーズが無くならない

2020年代後半からはAIによる自動化などにより、生産職が90万人、事務職が120万人過剰となるのに対して、専門職は170万人不足すると予測されています。日本の教育は画一的でスペシャリストが育ちにくい環境と言われていますが、その結果がこの予測にも表れています。専門分野を深める意識も育ちにくく、STEM(理系分野)人材の不足がすでに深刻な問題になりつつあります。国際技術競争に遅れを取らず、最先端技術を使いこなしてニーズに対応したサービスを開発していける人材は需要がますます高まると言えるでしょう。

2_bus_103_02.jpg 出典:労働政策審議会労働政策基本部会 報告書



AI・機械には代替できない

AIや機械で代替できない、人間にしかできない仕事であれば奪われることはないため、将来性があると考えられます。顧客のニーズをつかみ、感情を汲み取ることや想像力を持ってコミュニケーションを取ること、細やかな身体性が求められる仕事などは、機械が代替することは現状難しいといえます。また、士業などの専門職は判例の検索など一部をAIが引き受けることはあっても、解釈をしたり人の気持ちを理解することはできないため、すべてを代替することは当面難しいでしょう。




AI時代もなくなる可能性の低い仕事14選

では機械に奪われる可能性が低く、将来性が見込める仕事とは具体的にどのようなものが考えられるのか、14の職種を厳選。これらの14種類の仕事の共通項を探りながら、1つずつ解説していきます。


1.データサイエンティスト

AIやDXの導入によりビッグデータを獲得することができるようになりました。このデータをテキストマイニングなどの手法で解析し、意志決定者がビジネスに役立てることができる形にまとめ上げて提案するのがデータサイエンティストです。統計解析やデータ分析スキルに加え、ビジネスや市場のトレンドなど幅広い知識が求められますが、データをビジネスに活かしたい企業で引く手あまたとなっている職業の一つといえます。



2.ITエンジニア

システムエンジニアやプログラマーなど、ITの専門分野を担うエンジニアはDXも加速するなかで多様な分野での活躍が期待されています。新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で仕事のオンライン化や、リアル店舗からECサイトへの移行など、インターネットの利用はさらに増加しています。特にロボット開発やAI活用などはこれからますます需要が高まることが予想されます。
その一方で経済産業省の試算によると、IT人材の需給ギャップは2030年に45万人に上ると見込まれており、市場規模の拡大に対して人材が追い付いていないことが浮き彫りになりました。ネットワークやサーバーの設計と運用、データベース管理、セキュリティ管理やクラウドサービスを活用したインフラ環境の構築や運用ができる人材のニーズは非常に高く、今後さらに活躍が期待される仕事であるといえます。

2_bus_103_03.jpg 出典:『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』経済産業省



3.広告・マーケティング

広告を打つ必要のない業界などほとんどないということもあって広告・マーケティング業界は市場規模も大きく、実績の出せる人材に対してニーズの高い業界といえます。近年ではテレビ広告からインターネット広告へと移行し、デジタルマーケティングやWeb広告に強い人材が求められています。SNSなどの複数の媒体を組み合わせて話題作りを仕掛けられる人、集客につなげるノウハウを持っている人は様々な分野で求められています。



4.看護師

少子高齢化の進行で看護師のニーズは非常に高まっており、訪問看護など活躍の場もますます広がることが予測されています。ある程度はロボットやAIの導入で作業を代替することができたとしても、看護の仕事は人にしかできないことが非常に多いもの。患者の顔色や物言いから体調の変化に気付いたり、不安を感じている患者に声をかけたり簡単な処置をする、側にいて見守るなどは人にしかできないことです。看護師を必要とする場面はますます増える一方で、すでに看護師は人手不足の分野であり、場所を選ばず長く活躍できる仕事だといえるでしょう。



5.介護士

内閣府発表の「高齢社会白書」によると、人口における65歳以上人口の割合を示す高齢化率が令和7年には3割になり、要介護割合の増える75歳以上人口は令和36年まで増加傾向が続くと見込まれています。また、経済産業省の「将来の介護需給に即対する高齢者ケアシステムに関する研究会」の発表によると、2035年の介護人材需要に対して79万人のギャップが生じると試算しています。介護職は一般的に給与が高くないため敬遠されがちですが、女性も含めて常に需要があり、国からの支援も期待できる業界であるため、これから待遇面の改善や働き方改革も進んでいくことが期待されます。

2_bus_103_04.jpg 出典:総務省統計局「高齢者の人口」

2_bus_103_05.jpg 出典:「将来の介護需給に即対する高齢者ケアシステムに関する研究会」経済産業省



6.クリエイター

映像クリエイターや動画クリエイターは、CMや映画などに加えてアミューズメント施設でのアトラクションやプロジェクションマッピングなど映像や動画の活用が幅広く展開されるようになり、さらに動画サイトやゲームアプリなど映像コンテンツが爆発的に増えていることもあって、需要は急増しています。便利なツールの普及もあって、一般の人も自分でコンテンツを作るシーンも増えていますが、だからこそプロの作る高品質なコンテンツで差別化したいというニーズも強く、今後も活躍の場が広がっていくことが期待されます。



7.保育士

少子化ではあっても女性の社会進出が高まり、企業内託児施設や商業施設での託児サービス、病院内の託児所などでも保育士が求められています。都市部ではまだまだ待機児童問題も解決しておらず、ベビーシッターや小規模保育施設を利用するケースも多いようです。そのため保育ニーズが急に減ることは考えにくく、将来性はある仕事だといえます。
今後はニーズの多様化もあり、英語でも保育ができる、教育面でも専門的スキルを持っているなど専門性を発揮することが期待されるでしょう。7歳までの幼少期に特定の何かに対して好奇心を持ってやり込んだという感覚や、人と一緒にがんばれたという成功体験を持つことが重要だと言われています。子どもの探究心を育む体験を日々提供する保育士は非常に重要な仕事であり、今後も社会的ニーズは高いといえるでしょう。



8.農家・漁師

農家も漁師も高齢化が進み、後継者不足に悩まされていることは共通しています。担い手が減っていく一方で、国産の農産物や天然の国産魚への信頼感は高く、国もさまざまな形で支援に乗り出しています。食は人の生活から切り離せないものであり常に安定して求められる仕事ではあるものの、自然災害や気候変動などの影響を受けやすく、輸出入規制等の政策によって大きなダメージを受けることもあります。時代の変化に柔軟に対応し、ICTや最新技術の活用やインターネットを利用した新しい販売スタイルの確立、付加価値をつけてブランド化するなど工夫をしていくことで、まだまだ可能性に満ちた仕事でもあると考えられます。



9.士業(弁護士・税理士など)

弁護士や税理士などは国家資格であり独占業務であるため、高度に専門的な知識が求められるのと同時にクライアントに寄り添うコミュニケーションスキルと、事象や状況に合わせて柔軟に知識や経験を活用する提案力が求められます。そういった人にしか出来ない業務がある一方で、早く正確に計算したり、膨大なデータから似た事象を見つけ出してくるなどはAIの方が得意です。パターン化・単純化しやすい作業のみを担っている場合は危ういですが、データ入力などの単純作業は自動化し、効率化できるものは代替したうえでクライアントのパートナーとして付加価値を提供できる存在であり続けることで、今後も必要とされる仕事として生き残っていくことができるはずです。



10.カウンセラー

新型コロナウイルスの流行でワークスタイルの急激な変化や外出自粛の影響もあり、ますますストレス社会となった今、メンタルヘルスケアを必要とする人は多くいます。カウンセリングを受けることに対して日本ではまだまだ敷居が高いと感じてしまう人が多いようですが、最近ではオンラインでのカウンセリングなども広がっており、スクールカウンセラーの設置などもあって少しずつ身近に感じるようになってきています。もともと求人数の少ない職種ではありますが、企業内にカウンセラーを常勤させるケースなどもあり、世の中のニーズに合わせて徐々に活躍の場は広がっていくことが期待されます。



11.営業職

どれだけよい商品やサービスがあっても、それを知ってもらえなければ販売にはつながりません。オンライン決済などは増えているものの、特に住宅や車、保険など個人の人生に大きく影響する買い物や、企業間での取引にはニーズをくみ取って提案してくれる営業の存在は欠かせません。非常に高いコミュニケーション力が求められるため、機械では資料作成のための情報提供やリスト作成など一部しか代替することができません。お客様の反応を見ながら臨機応変に提案でき、販売後も相手に合わせたフォローや活用提案をするなど人にしか出来ない価値を提供できる営業であれば、AIに仕事を奪われることはないでしょう。



12.研究・開発

複数の情報やモノを組み合わせて新しい価値を創造することは人間にしかできないことです。研究開発のためにAI技術やビッグデータを活用することはありますが、そこから可能性を見出し、トライアンドエラーを繰り返しながらゼロから人の役に立つものを作り上げるのは機械にはできないことです。
新型コロナウイルスの流行という予想もしていなかった事態を受けて、感染予防や治療につなげるための新しい技術に多くの企業が取り組んだように、社会の動きを受けて求められるサービスや技術は常に変化するもの。企業はSDGsへの対応なども期待されており、新しい価値を創造できる研究・開発者はますます必須の仕事になっていくでしょう。また、日本の研究開発費は対GDP比約3%程度で横ばいなのに対して中国は約48%、米国が約19%、EUが約21%と大きく水をあけられており、国際競争に取り残されないためにも研究開発を重視する必要性は高まっていくことが予想されます。

2_bus_103_06.jpg 出典:「研究開発の俯瞰報告書(2020年)」研究開発戦略センター



13.設備技師(電気、設備、建設物など)

インターネットの普及によるエネルギー需要の高まりや、複雑なシステム制御を設備に組み込む設計の高度化・複雑化により、電気工事士や建設設備士などの需要は高まっています。機械や設備の修理ではイレギュラーな事態に対応するケースが多く、原因を追求し状況に合わせた対応が求められるため、機械での代替は難しいといえます。また高度成長期に立てられた道路やトンネル、河川、下水道やビルなど大型設備の老朽化を受け、メンテナンスが急務となっています。また、地震や台風などの自然災害に備えるためのライフラインの改修も急務となっています。そのための専門的な知識や技術を持ち、設計、指示ができる人材は不可欠です。



14.住宅リフォーム関連

住宅は住み替えよりもリフォームをして長く住み続けたい、新築を建てるよりも中古の物件をリフォームして自分好みの家にしたいといったニーズが高まっています。また、在宅ワークの急増などで収納スペースを在宅ワーク用のスペースにリフォームしたり、耐震補強や水害対策など自然災害に備えるなどのニーズも高まっていて、住宅リフォーム市場は好調といわれています。今後も市場拡大が見込まれており、将来性の高い業界の一つといえそうです。




将来性のある仕事に就くためにやるべきこと

今後転職などを考える場合、将来性のある仕事に就きたいと考えるならどんなことに気を付ければいいのか、ポイントを4つお伝えしていきます。

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将来どうなりたいかを考えて就きたい仕事を決める

機械に代替されるかもしれないという不安から安定していそうな仕事に飛びつくと、適性や仕事のやりがいにギャップを感じる場合も。まずはこの先どんな風に働いていきたいのか、人にしかできない付加価値として自分が提供できるものには何があり、何を強みとして働きたいのかをしっかり考えて仕事を決めることが大切です。また、将来性がある仕事イコール稼げる仕事とは限りません。長期的な視点と短期的な条件の両方見据えて就きたい仕事を考えることが大切です。



転職に必要な資格やスキルを身につける

IT関連や介護・保育業界などへ転身では資格が必要な場合がありますし、特にどんなスキルを持った人材が不足しているのかといった情報を収集して現業の中でも鍛えておくと、転職活動を思い通りに進めやすくなります。また、高度な専門知識が求められる資格を取得しておけば、その業界への転職の本気度が伝わりやすくなるメリットもあります。WebマーケティングスキルやWebデザインスキル、AI活用の設計や提案など、IT技術を使いこなすためのスキルなどを身に着けられれば、幅広い業界への転職の可能性が期待できます。



常に業界の動向にアンテナを張っておく

今は上記にあげたような仕事が「機械に奪われない仕事」だと予測されていますが、新しい技術の開発や社会情勢の変化などの不測の事態によって大きく変わることもあります。常に業界の中で起きている技術革新や求められている人材要件などは細心の動向にアンテナを張り、変化に応じた柔軟な対応ができるようにしておきましょう。



コミュニケーションスキルを鍛えておく

コミュニケーションは人間独自の能力であり、非言語情報も含めて対話から相手の伝えたいことを汲み取って相手のニーズに合わせた対応ができるスキルは、どんな仕事をしていくうえでも機械と差別化していくために欠かせないもの。コミュニケーションスキルを鍛えることは、AI時代も仕事を奪われないビジネスパーソンになるための必須要件といえます。




AI時代、将来無くなるかもしれない仕事とは

ではAI時代の本格到来によって代替され、なくなる可能性の高い仕事とはどんな特徴があるのか?について大きく3つの共通点が考えられます。テクノロジーが奪う人間の仕事とはどういうものか、1つずつ解説していきます。

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システムで簡略化できる

人よりもAIの方が正確に効率よく進められる仕事は間違いなく代替されるでしょう。例えばデータや数字を扱う仕事や事務処理作業はAIの得意とする分野で、処理能力が高いうえにヒューマンエラーを起こすこともなく、24時間休みなしで続けられるためコストパフォーマンスも高い仕事です。またこれまで銀行員や証券会社の社員が行ってきた市場分析やデータをもとにした未来予測などもAIの方が膨大なデータの分析は長けています。AIが弾き出したデータを活用して提案するなど付加価値をつけることができなければ、人がやる必要はない仕事として淘汰されていくと思われます。



定型業務

AIによって代替されるかどうかは定型的な仕事かどうかで判別できるといわれています。繰り返して行う作業であれば、仕事のやり方を機械に学習させれば、その後は休みなく遂行させることができるからです。文書整理やデータ入力、受付処理などの窓口業務、ピッキング作業や固定の場所へのデリバリー作業、定点での監視などは代替される可能性が高いと思われます。



対人でなくていい

対人サービスは人に合わせて個別に対応する必要があるため機械化は難しい側面がありますが、それでも無人コンビニなど人間に代替するサービスが登場し始めています。システム化によりコンピューター上で完結できるものは最も得意とする分野といえ、確実に機械に代替されていくでしょう。




まとめ

AI時代が到来しても代替されない将来性がある仕事について詳しく見てきました。しかしいくら自分のいる業界が代替されにくい仕事であるとしても、細かい業務フローで見るとなくなっていく可能性のある作業や工程はたくさんあります。

大切なことは機械に代替されないことではなく、機械で簡略化や効率化が見込めるものはどんどん取り入れ、生まれた余力や余剰時間で人にしかできない新しい価値を生み出すことです。そして、常に必要とされる人材であり続けるためには、変化に対応し、自律的に学び続けていくことが大切です。これから求められる技術やメディアが何かを知り、操作できるリテラシーを身に着け、情報を取捨選択できて使いこなせる力をトータルで身に着けることで、変化の激しい時代にも対応し、サバイバルすることができるはずです。



作成/MANA-Biz編集部