プレゼンテーション

2016.10.03

プレゼンがうまくなる練習法

プレゼンテーション2:「1分プレゼン」こそプレゼン上達の早道

短く話せる人は
長くても話せる

前回、プレゼンには「情報を絞り込む力」が必要だというお話をしました。自分が言いたいことをダラダラと話すのではなく、話の内容を整理し、本当に伝えたいことだけに絞り込むスキルです。

この「情報を絞り込む力」を身につけるのにおすすめなのが、1分プレゼンです。

1分プレゼンとは、自分の言いたいことを1分間にまとめて伝えるという練習法です。なぜ1分なのかというと、短い時間で言いたいことがきちんと伝えられる人は長いプレゼンもできるからです。ところが、その逆は必ずしもそうではありません。20分なら伝えられても、1分でと言われると難しい、という人も多いと思います。
そこで、まず短い時間で伝えられるようにプレゼンの練習をします。すると、長いプレゼンになっても余裕を持って臨むことができ、より濃密な話ができるようになります。



1分プレゼンで身につく3つの力
「取捨選択力」「文章構成力」「キーワード力」

1分プレゼンを練習すると、「情報を絞り込む力」を構成する次の3つの力が身につきます。

取捨選択力
文章構成力
キーワード力

1分間だと、とにかく長く話せません。山ほどある言いたいことの中から、言うべきこと、伝えるべきことを選び、それ以外を捨てる力(取捨選択力)が身につきます。

また、何を、どういう順番で話すか(文章構成力)も鍛えられます。1分間で言える文章は約10個程度です。それを相手に伝わるよう、適切な順番に並べるのは案外と難しい作業です。しかし、それができなければ、20分で話せる約200の文章を適切な順番に並べて話すことはまず難しいでしょう。

さらに、1分という短い時間で伝えることで、相手の心に残る言葉を使うという意識(キーワード力)も必要になります。例えば、このコラムの内容で言えば、「プレゼンを1分間の長さで作って練習しよう」と、「1分プレゼンで練習しよう」では、どちらが心に響くでしょうか。「1分プレゼン」というキーワードの方がキャッチーですよね。

もうひとつ。1分プレゼンがおすすめな理由として、繰り返し練習がやりやすいという点もあげられます。20分のプレゼンの練習はそれなりに時間がかかりますが、1分なら繰り返し練習して、内容や話し方をブラッシュアップすることが容易です。

「自分の話はすべて1分でまとめられるようにする!」と宣言し、まずは実行してみてください。この意識がプレゼン上達の第一歩です。

下地 寛也(Shimoji Kanya)


コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)



イラスト/海老佐和子