ライフのコツ

2013.08.26

紙・画用紙の選び方・使い方

発達段階によって適切な紙・画用紙がある

描くための素材である紙も、こどもたちにとっては様々な感覚を養う素材になります。くしゃくしゃにしたり、水で濡らしたり、破ってみたりなどいろいろな使い方を発見できます。最初は手に触れることでいろいろな気づきを得てから、描く道具として使うとよいでしょう。

触る、破る、くしゃくしゃにする・・・まずは感触を楽しむこと
色鉛筆やクレヨンが持てない時期には、紙本来の持つ特徴を探索することからはじめてみましょう。 たとえば、手触りの感触を探索するには、ティッシュペーパーや和紙、ダンボールなど。音を探索するには、新聞紙をビリビリ破ったり、くしゃくしゃと丸めたり。どんな紙でも、折ったり丸めたりしてシワをつけることで違った感触が体験できます。また、新聞紙やダンボールなどの大きな紙の場合は、その上に載って全身で感触を体験することもできます。

こどもは同じようなことを繰り返しますが、やりたい気持ちをしっかり満足させてあげましょう。


初めての描画活動には、大きな模造紙を
色鉛筆やクレヨンが持てるようになったら、いよいよ本格的な創作活動のスタートです。 幼い頃は、指先ではなく腕全体を動かして描きます。
また、腕を動かすと紙に軌跡が残ることから、腕を動かすことと線が描けることの関係性に気づき、描くという活動を理解していきます。 そのため、描く行為が紙の大きさで制限されないよう、大きな模造紙を使ってください。

この時期に、思う存分描けることを体感しておくと、達成感も得られるだけでなく、その後成長した後も、ダイナミックな作品を表現できるようになります。
紙を選ぶポイントは、画材の発色がよいことと、滑らかに描けること。この時期のこどもたちは、描くことを通して色の概念も一緒に学んでいきますので、紙そのものの色にも配慮しましょう。


イメージを言葉にできるようになったら、とにかく描きまくります
言葉を上手に話せるようになってくる頃には、紙の大きさを描ける範囲と認識できるようになり、少しだけ線や形らしきものを描いては「できた」と新しい紙を欲しがります。本人の描ける範囲と形の認識がまだ未発達なこの時期はとにかくたくさん描かせてあげることが重要です。

「何を描いたの?」と尋ねると、描いたものを見て「わんわん」などと決めます。はじめから描くものを決めているのではなく、描いたものの形から推測するこの時期を命名期と呼びますが、発達には必要な過程です。次第に丸らしい形に目鼻らしきものを描いたりと何かを描きたい欲求が芽生えるものです。

だからこそこの時期は、安価ならくがき帳がオススメです。形らしいものを描き始めてもすぐに場面を描くようにはなりません。描きたいものを関連なしに描くので、カタログ表現とも言いますが、こどもと話をしながら、描きたいものをどんどん描かせてあげましょう。


表現力が大きく飛躍する時期には、多様な素材を
3歳ごろからは、形に意味をつけるようになります。描き込む過程で意味が変わったり、拡がったりしますが、思考の結果を絵に表そうとします。4歳頃からは、経験したことや想像したことを絵に表そうとします。

この時期のこどもたちはこのように描きたいものが明確になってきているので、画材も自分で選ばせてみましょう。より創作に集中することができ、描き上げた後の達成感も大きく変わります。
物語のような絵や記録画など、連続性のある絵も描くことが増えてくるので、画用紙やスケッチブックを使って、過去に描いた作品を見返しやすくすることもオススメです。散歩や旅行などお出かけした先で絵を写生したり、時間のある電車などで絵を描いたりするためには、ばらばらにならずコンパクトなスケッチブックを常備しておくとよいでしょう。