仕事のプロ

2020.09.17

心理的安全性

「心理的安全性」の高いチームになるための土台づくりとは?

「心理的安全性」の高いチームに
なるための土台づくりとは?

近年、「心理的安全性」という言葉をよく耳にしませんか? もともとは「メンバーが『チームの中で安心して自分を出せる』と思えている状態」を表す心理学の用語ですが、2016年に米グーグル社の研究チームが、「心理的安全性の高いチームは生産性が高い」という報告を発表して以来、企業をはじめ、はたらく現場からの注目を集めています。

日本では「自由に意見やアイデアを出そう」と言われても、みんなと違う意見を言うことへの不安や、上の人へ忖度などから、発言をためらってしまうケースがよくみられます。

多種多様な視点から知恵を出して新しいビジネスをつくっていこうとするとき、こうした傾向は大きな障害になってしまいます。このような点からも、心理的安全性の大切さが改めて認識されてきたのかもしれません。

チームの中でメンバーが安心して発言し、チームの生産性につなげていくためにどんな土台づくりをしたらよいでしょう? 例えば、発言や取り組みに対して広く共感や発展的なアドバイスを得られるなど、開放的なコミュニケーションを行える風土づくりがあげられます。

ある企業では、メンパー問のおもしろい発言への「イイネ!」や感謝の気持ちなどを社内SNS上でオープンに伝え、インセンティブとして一定額の金額を贈りあえるしくみをつくっています。

また、リラックスした状態でのふとした会話から思いがけないアイデアにつながる例も多く、雑談をうながすオフィスレイアウトや、仕事外でも温かな交流のうまれるオフィス内のキッチンなど、空間づくりからの視点も欠かせません。

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人通りの多い通路に沿ったカフェスペースは偶然の出会いや雑談をうながします。


樋口 美由紀(Higuchi Miyuki)

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント/THE CAMPUSオフィスカイゼン委員会ファシリテーター
総合商社、教育企業において顧客向けサービス事業に従事後、コクヨ入社。経験を活かし「人に寄り添い成長を支援する事業」として幼児教育事業を新規に立ち上げ、教育プログラム開発や人材育成、顧客対応などに携わる。その後「ダイバーシティ」「ウェルビーイング」をテーマに、人生100年時代の企業とワーカーのよりよいあり方をリサーチ。現在、2021年2月に品川に新しくオープンしたコクヨのニューオフィス「THE CAMPUS」にてオフィスカイゼン委員会ファシリテーターとして、オフィスカイゼン活動にも携わっている。


オフィスのチカラ

この記事は、コクヨ株式会社が発行する冊子『オフィスのチカラ』に掲載されたものです。冊子『オフィスのチカラ』をご希望の方は、こちらのフォームの「カタログのご請求フォーム」の「家具単品カタログ」の枠に『オフィスのチカラ』最新号希望とご記入の上、ご送信ください。

オフィスのチカラ vol.16より転載