仕事に役立つオノマトペ

2021.10.13

「どんどん」「ぐんぐん」で意欲に火をつける

オノマトペ9:やる気アップを促すとき

部下や後輩にチャレンジングな仕事を体験させるときは、「しっかりね」「頑張って!」と声をかけたくなります。でも、その人のキャラクターによっては、その励ましがプレッシャーになることも。楽しい雰囲気のオノマトペで、あなたの期待を上手に表現しましょう。

勢いのあるオノマトペで 
やる気が芽生える
新しい仕事を任せられた部下は、少なからず緊張しています。この緊張が行き過ぎるとマイナスの気持ちが生まれるので、まずはやる気を持ってもらうために、オノマトペを使ったほめ言葉をかけましょう。「佐藤さん、この調子でどんどん頼むね」「ぐんぐん発言がよくなっているね」といった感じです。
勢いのある「ぐんぐん」「すいすい」「どんどん」「すくすく」といったオノマトペには、相手の気持ちを前向きにする効果があるため、部下の心にプラスのエネルギーが生まれやすいのです。
相手の成長をしっかり見て
本気でほめなければ期待感が伝わらない
ただし、オノマトペを使ってほめるだけでは、やる気を引き出すことはできません。人は、あなたが本気で言っているかどうかを、相手は敏感に見分けます。
ですからほめるときは、普段から部下の行動をよく見て成長ぶりを把握し、笑顔と共に本気で称賛することが大切です。例えば入社3年目の若手なら、「2年間ですくすく成長したね」などと伝えると、きっとうれしそうな表情を見せ、意欲を高めてくれるはずです。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里