KOKUYO FURNITURE


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Product identity モノづくりに秘められた「モノ」語り

Vol.07 点滴スタンド

昔から大きな変化のみられない点滴スタンド。
でも一つ一つを細かく見つめ直すと、
そこには新しいカタチがありました。

開発担当
医療TCM 松下早苗

デザイン担当
デザイン室 大木一毅

工場提案からはじまった製品開発

きっかけは工場の方とのざっくばらんな打合せでした。
数年前に入院を経験されたその方からは、実際に医療器具を使用していて感じたことや、看護師さんの大変さ、また病院内で起こっている問題など、さまざまなお話がありました。そこで改めて「点滴スタンド」という製品に着目することになったのですが、今までコクヨでは点滴スタンドを作ったことがありません。
それでも使っていて困っている人がいるのであれば、それを改善すべきではないか?と点滴スタンドの開発がはじまりました。まさにゼロからのスタートです。

患者さん・看護師さんの笑顔のために

点滴スタンドは患者さんが使用するものです。患者さんはただでさえどこかに病があったり、どこかに傷を負っていたりと、身体的にも精神的にも弱っています。点滴スタンドはそんな患者さんが安心して安全に使用できるものでなければなりません。
今までのものは患者さんが点滴スタンドの脚につまづいてしまったり、点滴のチューブが絡まりそうになったりと、看護師さんも見ていて危ないと思うことがたくさんあったようです。
また看護師さん自身の困りごととして、輪液を吊り下げるフックがカーテンに引っかかってしまう、倉庫に収納するときに場所をとる、などの声がありました。
これらを元に、製品自体の倒れにくさや段差でのつまづきにくさなどの品質面、安全に使用できる脚・ハンドル・フックの形状などを一つ一つ改めて見直し、独自の品質基準とデザインを練り上げていきました。
特に、脚形状は片手で持つときも両手で持つときも歩きやすく、足に引っかかりにくい形状で、かつ収納効率を上げることはとてもハードルが高く、いくつもの試作を製作し検証を重ねました。

脚形状検討

さまざまなタイプの脚の試作を作り歩きやすさの検証を行った。

スタッキング検討

なるべく脚の高さを抑えつつ平行にスタッキングできる形状を3Dで模索。

デザインコンセプトは「頼りになる存在・元気になる存在」

どんな人でもできれば点滴スタンドを使いたくはありません。でも自分の身体を良くするためには必要なアイテムです。
それならなるべく一緒にいて頼れる存在であったり、元気をもらえるような存在であってほしい、そんな考えをもとにみんなでデザイン案を出し合いました。最終的には形状のやわらかさと機能性がマッチした案が選ばれました。
また、カラーリングも癒し・安心などの意味があるグリーンを採用し、患者さんのストレスを少しでも軽減できるよう配慮しています。

検討したデザイン案

コンセプトはとある人気キャラクター。実際に採用につながった案。

検討したデザイン案

コンセプトはビタミンツリー。

みんなで作り上げていった感触

この製品を作っていくにあたって、私自身、点滴スタンドに関する専門知識がなかったこともあり、多くの人に助けてもらいました。
営業・マーケティング・技術・デザイン・品質・そして工場とそれぞれが得意な分野を活かし、それらを単にかき集めただけではバラバラになりそうなところに、「患者さん・看護師さんの笑顔のために」という共通のゴールを設定することで、一体感の中でものづくりができたと思います。
ただ、商品を発売したからそれで終わり!ではありません。ここからがスタートです。実際に患者さんに使ってもらって、不都合があればすぐに改善し、どんどんブラッシュアップさせていかなければなりません。
それを繰り返すことで、一人でも多くの人に感謝され、患者さんの笑顔が増えていくことを願っています。