KOKUYO FURNITURE


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Product identity モノづくりに秘められた「モノ」語り

Vol.06 LISMA(リスマ)

今までにない“軽さ”、
“使いやすさ”が際立つ
フラップテーブルを目指しました。

LISMA デザイン担当
デザイン室 大木一毅

使う場所を限定すると見えてくる「使いやすさ」

これまで、区役所や公民館の貸し会議室で使用されている会議テーブルは、一般のオフィスで使用されている物がそのまま使用されていました。
しかし、その様なコミュニティスペースは、住民と地域のつながりを育むため、あらゆる世代が、様々な用途で利用される空間です。
使用目的は、集会やサークル活動まで多岐にわたりますが、女性や子ども、高齢の利用者が、自分たちでテーブルを動かし、レイアウトを変えながら使用するという、コミュニティスペース独特の使われ方が、特徴的です。
また、近ごろは高齢の利用者が増えているため、会議テーブルにも軽くてわかりやすい操作性が求められています。実はオフィスでも今後は定年の年齢引き上げが検討されており、高齢のワーカー人口が想定されることもあり、フラップテーブルのあり方を一から見直す必要性があると考えました。

切実さに気づかされたユーザーとの会話

切実さに気づかされたユーザーとの会話

●ユーザー参加型のワークショップでは「天板をフラップさせる」「キャスターのロックをはずす」「テーブルを運ぶ」「席につく」という一連の動作の中で、どういった不具合がおきるのか丁寧に検証。

開発の初期段階では、ユーザーと対話する機会を特に大切にしました。これまでの『あたり前』を一度忘れて、あらゆるユーザーに操作してもらい、その使い方を検証しました。そうすることで今まで開発者として考えつかなかった使い方をしているケースに数多く遭遇し、有意義な機会となりました。
まず驚いたのは、高齢の方、握力の弱い女性の方、身体の不自由な方までも、自ら積極的にフラップテーブルを運んで、使用しているという事実を知ったことです。中でも車イスユーザーがテーブルを車イスで押して運んでいる光景を見た時には驚きでした。車イスユーザーは同伴者など他の参加者にテーブルを運んでもらったり、手伝ってもらったりしているものだと勝手に思い込んでいました。そして数回にわたる検証を通じ、フラップ操作やキャスターロック操作の重さや直進性など様々な使いにくさが潜んでいることを知りました。

ユーザーに商品を届けることの難しさ

コストをかければ、多くの問題は容易に解決できます。しかしながら高価格帯のフラップテーブルを商品化しても 一部のオフィスや民間の貸し会議室にしか導入されず、コミュニティスペースで本当に困っているユーザーには 商品が届かない可能性が高くなります。使いづらそうにフラップテーブルを使用しているユーザーを思い浮かべると、 目の前にある問題点は全て完璧に解決したい。しかしながらコストアップは避けられない。葛藤の連続でした。どんな問題を、どこまで解決するか見極めるために、検証やディスカッションを何度も重ねました。

リスマに込めた、新しい価値

フラップテーブルと言えば、ほとんどの人が同じような形を思い浮かべると思います。私自身、形が決まっていて デザイン領域は広くないと思っていましたが、ワークショップを通じて、多様な身体的特徴のユーザーからのリクエストが、実は誰にとっても、飛躍的に使い勝手が改善される要素であることが分かりました。
まず、リスマの特長は「軽さ」にあります。片手でも楽に天板をフラップできるように軽量化や操作位置など重量バランスの検証に取組みました。走行性も軽やかにするために、ハンドルを設置、フラップ時の天板の角度やキャスターの大きさにも工夫をこらしました。
そして「動かしてみよう」と思ってもらえるよう、脚先の細部まで、すっきり「軽快」に見えるようデザインしました。リスマは空間の中で決して主役にはなりませんが、どんなレイアウトにも自然に溶け込むデザインと機能性をもち、コミュニティスペースとしての価値を高める役割を担ってほしいと願っています。

リスマスケッチ

●脚部などの細部まで「見た目の軽さ」にもこだわり、使いやすさ、軽快さが自然に見た目にも伝わるようなデザインを心掛けた。

リスマ 天板フラップ時(収納時)

●天板フラップ時(収納時)の姿も美しく見えるように配慮。テーブルを運ぶ際に使用するハンドルが見た目においても大きな特長になっている。