リサーチ

2019.06.28

イマドキの社会人1年生、初任給の使いみちは?

給与は貯蓄メインながら、他人のためにお金を使う!

研修を終えた新入社員が職場に配属されるこの時期、ライフスタイルや消費行動、思想がこれまでの世代と大きく異なるといわれる“イマドキ”の新入社員の価値観を理解することに苦心している人も多いのではないだろうか。
彼らへの理解を深める一歩として、入社1,2年目の社員に向けた意識調査の中から、主に給与の使用用途にスポットをあて、新社会人の金銭感覚を探ってみた。

ソニー生命保険株式会社が行った「社会人1 年目と2 年目の意識調査(有効回答数1,000)のうち、社会人1年生の53.2%が初任給を「貯蓄に回す」と回答。次いで、「生活費(食費など)に充てる」が36.4%、「親への贈り物を買う」が31.0% となっている。
「自分にちょっと良いものを買う」30.6%という意見もあったが、「友人と飲み会・食事会を楽しむ」「親をご馳走につれていく」など、自分のためだけの消費に使うのではなく、親への感謝のプレゼントや、友人との交際費といったコミュニケーションに対して積極的に初任給を使う傾向もみられた。
 
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初任給の使い道として最も高かった「貯蓄」にスポットを当てると、新社会人が目指す30歳時点での目標貯蓄額は「1,000万円以上の貯蓄をしたい」と答えた人が24.2%、500万円~600万円未満が17.0%となり、平均でも525万円と高額な貯蓄を目指していることがわかった。ちなみに、過去の同調査を遡ると、2018年度の目標貯蓄額は平均602万円、2017年度は575万円と、20代のうちからしっかりと資産形成をしたいと考える姿勢が浮彫りとなっている。
 
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では、現実的にはどうだろうか。「社会人1年目に貯蓄した金額」では、平均額が約43.3万円。初任給だけではなく、月々の給与も貯蓄に回しながら堅実に生活をしている数字が出た。男女別に貯蓄した平均額をみると、男性が約44.3万 円、女性が約42.3万円で、男性のほうが高くなっている。1年間で平均約43万円を貯蓄している彼らにとって、「30代までに525万円の貯蓄」は決して非現実的な目標ではないといえる。
 
社会人1年目の貯蓄以外の支出に目を向けると、「プライベートな付き合い・交際費」には、約20万円の支出となる一方、スーツや化粧品などの「身だしなみ」には約5.1万円、セミナー、書籍購入などの「自己投資」に関しては約1.6万円ほどであり、約20万円である交際費に比べると、自分の身の周りへの支出や投資へは手控えているようだ。
 
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インターネットやスマホなどのデジタル機器とともに成長してきた世代である新入社員は、そういった背景から“SNSなどを通じたコミュニケーションが中心で、リアルの交流を好まないような傾向にある”と分析されがちであり、“映える”ことを意識した発信するために自分自身に関心が高いような印象もある。
しかしながらこの調査からは、自分だけの消費には慎重で、親や友人といった身近な人との関係性を大切にし、直接的なコミュニケーションを心がけているという彼らの以外な姿が現れていると見て取れるのではないだろうか。
 
 
【出典】ソニー生命「社会人1年目と2年目の意識調査 2019
 
作成/MANA-Biz編集部