リーダーのためのマナー

2016.10.19

「ラクなファッション」を選ぶリーダーから部下は甘えを読み取る

リーダーのためのビジネスマナー4:きちんとした服装を心がける

だらしなさを感じる
服装は徹底して避ける

私は高校時代、自宅で過ごすときもネクタイとジャケットを身につけるよう厳しくしつけられました。父が商売人でしたから、「だらしない服装をしていると、商品までだらしなく見える」という信念のもとに、息子にもきちんとした服装を求めたのです。
ですから現在の私は、真夏日であってもジャケットなしのノーネクタイなどとても考えられません。特にジャケットはマストです。なぜなら私にとっては、ワイシャツは下着のような存在だから。ジャケットを脱ぐことは、下着で人前に出るのと同じことなのです。
 
 
 

ネクタイを緩めず
ジャストサイズの服を選ぶ

リーダーのあなたは、日々どんな服装で部下と接していますか。周りの目を意識せず、「自分がラクだから」という観点だけで無造作に服を選んでいないでしょうか。クールビズが一般的になってきてはいますが、たとえカジュアルウェアでも、「きちんとした感じ」「清潔感」を心がけたいものです。また、単にジャケットを着用すればいいというわけではなく、「暑さにまいっている」という顔をしない精神力も大切です。このようなストイックなリーダーに対して、部下は「自分もこうなりたい」という憧れを抱くはずです。逆にラクなだけのファッションに対しては、「甘え」を感じるでしょう。
 
服の着こなしに対してもストイックさが必要です。日本のビジネスマンを見ると、ゆったりしたサイズのスーツを着る人が目立ちます。ネクタイも緩めに締めています。しかしこの着こなしは、クールビズの服装と同様、甘さにつながります。ジャストサイズの服を着て、ネクタイをしっかり締めれば、それだけできちんとした印象になります。
リーダーとなったからには、「ラクだから」というベクトルは捨て、自分に対してストイックになりましょう。
 

中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)

早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト

イラスト/吉泉ゆう子 写真/為広麻里