リーダーのためのマナー

2017.10.04

リーダーになったからには「自分の時間は存在しない」と考えよう

リーダーのためのビジネスマナー15:「部下の話を聞く」を最優先に

リーダーの最大の役割は
部下の話を聞くこと

社内の仕事のなかで、リーダーが最優先するべきことはなんでしょうか? それは間違いなく、部下の話を聞くことです。
リーダーであるあなたは、「自分にも仕事があるから、部下が話したいときにいつも聞くのは無理」と考えるかもしれません。しかし、それではリーダーの役割を果たしているとはいえません。プレイヤーではなく、部下をマネージメントしていくのがリーダーの役割なのに、話を聞かずに部下の状態を把握できるはずがないからです。「リーダーには自分の時間は存在しない」と考えるぐらいでちょうどいいのです。
 
 

悪い報告こそ
部下に感謝して受け止める

しかも、部下から話を聞くことには大きなメリットがあります。部下の困り言やちょっとしたミスを知ることで、トラブルの芽を小さいうちに摘むことができるのです。すぐ対応策を考えて行動すれば、大問題に発展することはありません。さらに、小さな問題から、仕事に関する新しいアイデアが生まれる可能性もあります。
 
悪い報告を上げてきた部下には、まず「よく言ってくれた」とねぎらうのが原則です。決して、「どうしてそんなことになったんだ?」と責任を問いつめないことです。そして、何かあったときには自分が責任をとる、という意志をみせることも大切です。するとあなたのチーム内には、悪いことを隠さない風土ができあがります。トラブルが起きにくくなり、アイデアの種を拾いやすい環境が生まれるのです。
 
社内外を飛び回っているリーダーのあなたも、「話を聞く時間はいつでもとる」というスタンスは部下にアピールしておきましょう。
 

中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)

早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト

イラスト/吉泉ゆう子 写真/為広麻里