使用者の声

逆転の発想で、新しい「座る」をデザイン
Rhizomatiks様

渋谷にオフィスを構える「Rhizomatiks(ライゾマティクス)」は、先端技術をもちいたアート作品やエンターテインメント、まちづくりなど幅広いクリエイティブで社会にインパクトを与える組織です。今回は、そんなライゾマティクスの構成する3部門のひとつ、デザイン部門でアートディレクターを務める、木村浩康さんにお話を伺いました。時代の先を行くアウトプットをデザインの力で後押しする木村さんは、ingをどのように体験されたのでしょうか。

  • 木村浩康

    木村浩康

    株式会社ライゾマティクス/Rhizomatiks Design所属。アートディレクター/インターフェイス・デザイナー。東京造形大学卒業後、ライゾマティクスに入社。最近の主な仕事にggg『グラフィックデザインの死角展』、Bunkamuraオーチャードホール ヴェルディ:オペラ『オテロ』宣伝美術、経済産業省『FIND 47』など。文化庁メディア芸術祭最優秀賞など多数受賞。

デザイン思考で、テクノロジーを活かす職

ライゾマティクスはどのような会社なのでしょうか。
木村:もともとは広告クリエイティブや舞台作品などが主な領域でしたが、テクノロジーをもちいた表現の社会的な広がりとともに、現在ではパリ・コレクションや国内外アーティストのライブ演出、さらには教育事業といった多岐にわたるプロジェクトを展開しています。今後も活動領域は広がっていきますし、それに伴って外部のアーティストや研究者とのコラボレーションも加速していくと考えています。
正直、事業内容を一括りにするのはかなり難しいんです。「会社」というよりも「集団」というのがしっくり来ますね。個々人が専門性の高いスキルとテクノロジーを駆使しながら、社会の様々な領域でクリエイティビティを発揮している、というイメージでしょうか。
ご自身のお仕事について教えてください。
木村:2016年7月に設立した「リサーチ」「アーキテクチャ」「デザイン」の3部門のうち、デザインの部門でアートディレクターをしています。ライゾマティクスというとテクノロジーを使ったメディアアートの印象が強いかとは思うのですが、僕の仕事は一般的な意味でのデザインに近いです。具体的には、Webサイトやポスター、グッズの制作を行なっています。直近では、リサーチ部門が行った公演の広報物作成を担当しました。
もちろん、一緒に仕事を行う仲間はテクノロジーに強い人材が多いので、最終的なアウトプットはテクノロジーを活かしたものが多いです。僕自身はデザイン思考の枠組みに則って、社内で扱われる最先端テクノロジーをどう活かせるかを考えながら日々仕事をしています。

負荷をかけることが、心地良さに繋がる

これまでのオフィスチェアーに対するイメージを教えてください。
木村:僕の入社が約10年前なのですが、当初は1万円以下の安価なオフィスチェアーを使用していました。その頃から腰への負担はかなり掛かっていたと思うのですが、若さで乗り切っていたというのが正直なところですね(笑)。
それから数年後、今から3〜4年前に、会社全体でもう少しハイエンドな椅子に変えようということになり、ingを使うまでは海外ブランドのオフィスチェアーを使っていました。当然品質も上がったはずなのですが、正直、以前よりもハッキリと腰への負担が現れてしまいました。品質が良い分、気持ちが良くて仮眠しやすくはあるのですが、作業中の姿勢が悪くなってしまうんです。ingを使う前は、オフィスチェアーの上に姿勢矯正のサポーターを載せて、なんとか姿勢を保っていました。
初めてingに座った時、どのような印象を受けましたか?
木村:逆転の発想だな、と思いました。普通「良い椅子」というと、座っている時の負荷を無くすことを考えますよね。でもingはバランスボールみたいに動くため、通常では考えられない場所に負荷がかかるんです。
でも、ingはそこが良い。そのちょっと変わった負荷のおかげで、むしろストレスが軽減されているように感じます。まず、仕事中に立ち上がる回数が減りました。僕はもともと落ち着きがなくすぐに立ち上がりたくなってしまうので、これはとてもありがたいです。そして何より、サポーターを使わなくて済むようになったことが快適さの証だと思います。
負荷をかけることが、心地良さに繋がる。その発想への驚きが、第一印象として強くありました。

集中力が高まり、眠くなる回数が減った

ingにはロック機能もありますが、どのように使い分けされていますか?
木村:ほとんどの時間はロックを外して、揺れながら仕事しています。揺れ方は意識的な場合と無意識な場合の両方がありますね。実際に手を動かして作業しているときは無意識に揺れていますが、モニターを見ずに考え事をする場合は自分から動いています。ロックをするのは、仮眠をする時くらいです。
ingを使い始めて、お仕事のパフォーマンスに変化はありましたか?
木村:はっきりと変化したのは、仕事中に眠くなる回数です。ingに座る前の椅子は座り心地が良い分、眠くなりやすかったのですが、ingに座ってから明らかにそれが減りました。ingの自然な揺れがストレスから解放してくれるので、目の前の仕事への集中力が高まるんです。
座っている時のアイデアの出やすさにも、変化があったように思います。普段の頭の使い方として、アウトプットの大枠としてのアイデアを探す場合と、直近の作業の手順を考える場合があるのですが、後者はingに座りながら考えられるようになりましたね。
それに応じて、ストレスが減ったのか、仕事中に吸うタバコの本数も減りました。以前は作業手順を考えるために、喫煙所までタバコを吸いに行くのが習慣だったんです。でもingを使い始めてからアイデアが出やすくなり、喫煙量も減りました。
お身体の変化はありましたか?
木村:仕事中、常にingが動いてくれてストレスが解消されているので、腰が楽になりました。以前は最低でも週2回通っていたマッサージにも、そういえばingを使い始めてから一度も行っていません。最近、低周波のトレーニングギアを使い始めたこともあるかもしれませんが、ingの効果は大きいと思います。
姿勢が改善されたのも大きな変化です。ingの座面の動きが不安定であることによって、身体がアジャストして姿勢を良くするよう、自然と動く感覚がありました。座り心地の良い普通の椅子だと、身体が楽をしようするんです。するとどんどん姿勢が悪くなり、逆に疲れてしまう。でもingには良い意味でのペナルティがあるから、むしろ身体の方が理想の姿勢を目指すようになって、結果的に楽になるんです。これも、眠くなりにくくなった要因のひとつだと思います。

「座る体験をデザインする」という斬新さ

デザイン的な視点から、ingをどう評価されますか?
木村:椅子そのものというより、座る体験をデザインされていますよね。そこがこれまでの椅子にはない、斬新な発想だと感じました。従来の椅子は、座った瞬間のラグジュアリー感というか、心地良さを追求してきたと思うんです。でもingは、座った瞬間に不思議な負荷が掛かって、まずビックリさせてくる。その上で、そういった違和感が座り心地の良さに繋がっていく。そんな体験が新しくて、楽しかったです。
ingのホームページには「ingエクササイズ」という動画も公開されていますよね。「オフィスチェアーを使ったエクササイズコンテンツ」なんて普通は考えられないですよね(笑)。そういったインパクトのある発想も面白いなと思いました。
どのような方に、ingをオススメしたいですか?
木村:普段から長時間、椅子に座っている、同じデザイン部門のスタッフたちにオススメしたいです。プログラミングの行程なども多いので、モニターをずっと見ているんですよ。8時間くらいずっと同じ格好で働いているような人がたくさんいる環境ですから、みんな助かると思います。

最先端のアウトプットを生み出す仕事には、心身ともに相当の労力が費やされます。テクノロジーが進化し続ける時代、そんな仕事に対する需要が増えるにつれ、人の身体への負担もますます増加していくのかもしれません。ingは、「あえて負荷を与える」という逆転の発想。身体に理想の姿勢を与え、人間をストレスから解放します。時代の変化に合わせて、「座る」も進化、させませんか?

※ingは医療機器ではありません。本記事内におけるingの効果に関する記載は個人の感想です。