仕事のプロ

2020.05.14

『ウェルビーイング』

ワークライフバランスに続く注目の働き方キーワード

今、働く環境を考えるときにウェルビーイング(well--being)という言葉が注目を集めています。

健康に関連するキーワードのひとつで、「良好な状態」を表現するときに用いられます。オフィスで働く人々が身体の健康はもちろんのこと、人間関係や働き方、精神的な面においても健やかである状態を意味します。これは先端企業がワークスタイル及びオフィス変革において率先して取り組んでいるキーワードです。

日本では健康管理という考え方が浸透しており、会社が社員の身体的健康に配慮し健康診断や予防接種を実施します。ウェルビーイングの考え方は体の健康だけでなく、もっと幅広く良好な状態を目指すものです。

アメリカをはじめ欧米の成長企業がウェルビーイングな職場づくりに取り組んでいます。特に積極的なのがオーストラリアの企業。自由な働き方を提供するのはもちろんのこと、オフィスも天然光が燦々と室内に入り、新鮮な空気が供給できるよう工夫されています。植物もふんだんに取り入れられ、個人が集中して仕事に取り組める空間やチームが占有して使えるプロジェクトルームがあります。

また、リラックスして働ける伸びやかで落ち着いた空間や、オフィスっぽさを排除した思考を刺激する空間も好評です。社員にとって自社の職場が快適でどこよりも一番生産的だと感じられ、毎日来たがるような気持ちよいオフィス空間にすることがウェルビーイングな場づくりのテーマです。

金森 裕樹(Kanamori Yuki)


働き方と学び方を研究するコクヨの研究機関「ワークスタイル研究所」研究員。ワークスタイル情報メディア「ワークサイト」副編集長として雑誌・webで情報発信している。

オフィスのチカラ vol.7より転載