2023.10.25[ 働き方用語辞典 ]
働き方用語辞典 「確認会話」


確認会話
正しく伝達・理解できているか確認するために、
別の表現を使い聞き返したり言い直したりする会話や手法
「確認会話」とは、言い間違い・聞き間違いによる誤解、伝達ミスやヒューマンエラーを防ぐことを目的に、相互に内容を都度確認しながらコミュニケーションをとることや、その会話方法を指します。
確認会話は、ビジネスシーンだけでなく、事故や労働災害の防止の取り組みとしても有効です。
安全や正確性を重視する医療現場や交通輸送業界、機械や重機などでの危険な作業を伴う製造業や建設業など、多くの場面で取り入れられています。
確認会話では、会話内容を自分と相手が理解できているかを確かめるために、違う表現や言い換えをしたり、どういう意味か、何が起こるか、など具体的な質問をしながら確認をします。
似た言葉に「復唱」がありますが、復唱は相手の発言をそのまま繰り返して内容を確認することです。確認会話とは、会話内容の確認方法が異なります。
■確認会話の例
Aさん「右のエレベーターは点検中です」
Bさん「建物入口から向かって右の、1号機が点検中ですね」
■確認会話のポイント
①事実と意見を分離し、誤解が生まれないように伝える
物事を正確にわかりやすく、事実を伝達するようにする
―対策
・思い込みで話さず、はじめに相手がどこまで知っているかなどを確認する
・事実と自分の意見を分けて伝える
②「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)」を必須とする
情報の伝達ミスを防ぐため、内容に漏れがないように端的に・詳しく伝える
ー対策
・相手が何を知りたいか、何の作業をしようとしているかを念頭に置く
・どの順番で伝えたら理解しやすいかを考える
③曖昧な言葉は避ける
解釈を生じさせないように、物事を具体的・客観的に伝える
―誤解を生みやすいNGワード
・「これ、あれ」」などの指示語
・「左右、前後」、「ちょっと・すぐ」、「ちゃんと、きっちり」など
場所や視点、人によって捉え方が異なる主観的な表現
・「確認してください」、「見ておいてください」など主語や範囲を指定しない伝え方
―対策
・名前や名称、場所、時間、いつまで、具体的な数字や単位などを伝える
・略称や、自分だけの言い方は使わない
・何を確認してほしいのかなど、具体的に伝える
④数字やアルファベットは特にはっきり発音する
E、T、Pなど、似た音の場合はしっかり発音する、数字は単位をつけて、明確に伝える
ー対策
・似た音:「TシャツのT(ティー)」、「7月(なながつ)」など伝え方を工夫する
・似た単位:「キロメートル」、「キログラム」と最後まで言う
⑤曖昧な点はすぐに確認する、理解したこと・伝えたことは念押しする
理解できなかった場合は、その都度質問して内容を把握する
会話を終える際に、伝えたことを念押しするようにする
上司や部下、先輩や後輩など上下関係のあるビジネスシーンで確認会話を取り入れる場合には、日ごろから話しやすく、質問しやすい雰囲気をつくることがポイントです。
コミュニケーションや会話のしやすさは、オフィス内の家具の配置の工夫や、空間の運用などでも改善できることが多々あります。
確認会話を取り入れることで業務が円滑に遂行されれば、業務への苦手意識が減ったり、モチベーションの向上にもつながります。また、単純にコミュニケーションの機会にもなるため、研修などを通して、チーム全体で確認会話を身に着ける機会を設けることもおすすめです。