トレンドワード

2022.06.01

VUCAとは?予測不能な時代を生きるために必要なこと

知っておきたいトレンドワード13:VUCA

今、そしてこれからの時代を表す言葉として耳にする「VUCA」。どんな意味をもつ言葉なのか?そして、VUCAの時代を生き抜くために必要なスキルとは?

VUCAとは

「VUCA(ブーカ)」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた造語です。変化が激しく、あらゆるものを取り巻く環境が複雑性や曖昧性を増し、想定外のことが起こり、将来の予測が困難な状態を表します。

もともとは、1990年代に軍事用語として使わるようになった言葉ですが、2010年以降、先行きが不透明で、将来の予測が困難な社会・経済の現状を表す言葉としてビジネスの場でも使われるようになりました。




VUCA時代に起きている変化とは

将来の予測が困難なVUCA時代である現代は、それ以前の時代にはない、次のような変化が起こっています。

「業界」という概念を覆すサービスが生まれる

タクシー業界に対する「Uber」や、ホテル業界に対する「Airbnb」のように、その業界にはなかったビジネスモデルに基づくサービスが、業界の外から生まれています。このように、これまで競合と思っていなかった企業やサービスが競合となるケースが増え、「業界」という概念自体があいまいなものになってきています。


予測が難しい事象が起こる

デジタル技術の急速な進化やグローバル化などにより、市場環境に予測不能な変化が起こる場合があります。さらには、感染症の流行やかつてない規模の自然災害、戦争など、事前の予測が困難な事象が突然起こり、経済に影響を与える場面も増えています。


成功事例や成功体験の踏襲が通用しない

変化が激しく、予測不能な状況においては、過去の成功体験をなぞってもうまくいかないことや、これまでの常識が通用しない場面が増えています。




VUCA時代に必要なスキル

変化が著しく、先の見通しを立てづらいVUCAの時代においてビジネスで成功するには、「レジリエンス」「問題解決能力」「コミュニケーション力」の3つが重要だと考えられます。

レジリエンス

レジリエンス(resilience)とは、困難や苦境などからの「回復力」という意味を持つ英単語です。困難な問題に直面した際、あるいは、苦境に陥った際に、気持ちを切り替えたり、発想を転換したりして乗り越えられる精神的な強さは、VUCA時代に成功を収めるために大きな力となるでしょう。


問題解決能力

現状とありたい状態とのギャップから解決すべき課題を見つけ出し、課題の真の原因を突き止めて解決策とその実行手順を論理立てて考え、実行できる。結果を検証して次の計画や行動に反映できる。やるべきことの優先順位を見極め、何をするか・しないかを決断できる。といった意思決定力も含めた問題解決力も、正解のない時代において重要な力です。


コミュニケーション力

相手の意見を正しく理解し、それに対する自らの意見を明確に表現する。効果的な説明方法や手段を使って関係者を納得させて周りを巻き込む。各々の専門知を集め、連携して課題解決に取り組める、といったコミュニケーション力も、複雑な課題を解決していくために必要な力です。


VUCA時代の課題解決の思考法「OODAループ」

VUCA時代のビジネスや課題解決においては、従来のPDCAサイクルよりも、「OODA(ウーダ)ループ」という思考法を用いると、より環境の変化に合わせて柔軟かつ迅速に意思決定ができると言われています。
OODAループは、まず、現状を観察(Observe)することから始めます。そのうえで、起こっていることを理解し(Orient:状況判断)、やるべきことを決め(Decide:意思決定)、行動(Act)します。この一連の思考と行動の繰り返しが、状況の変化に応じた柔軟な対応と迅速な意思決定を可能にすると、VUCA時代の思考法として提唱されています。


作成/MANA-Biz編集部