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【プロに聞く】クチコミ分析!出社したくなるオフィスの秘訣~オープンワーク大澤 陽樹氏インタビュー③~

公開日:2025.8. 5

執筆:コクヨコラム編集部

#オフィスリニューアル #オフィスレイアウト #オフィス移転 #トレンド

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【プロに聞く】クチコミ分析!出社したくなるオフィスの秘訣~オープンワーク大澤 陽樹氏インタビュー③~

昨今、リモートワークから出社に切り替える「出社回帰」を選択する企業が増えています。「前に戻った」だけなのに、社内からは反発の声が強く、退職する社員が出るケースも聞かれます。「社員の出社を奨励したいがうまくいかない」、お悩み課題解決のヒントは、社員のクチコミにあるかもしれません。

国内最大級の社員クチコミ数を誇る、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営する、オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤 陽樹さんにインタビュー!3回シリーズでお届けします。
3回目の本記事では、OpenWorkの豊富なクチコミとオフィス研究データをもとに、出社したくなるオフィスの秘訣を探ります。
聞き手:コクヨコラム編集部、撮影場所:コクヨ品川ライブオフィス

第1回【プロに聞く】クチコミ分析!オフィス移転の効果・成功パターン
第2回【プロに聞く】クチコミ分析!成功するオフィスコミュニケーションの理想と現実

■ゲスト紹介

オープンワーク株式会社 代表取締役社長 大澤 陽樹さん
東京大学大学院卒業。2019年オープンワーク株式会社 取締役副社長、2020年同社代表取締役社長に就任、2022年東証グロース市場に上場。多様な企業現場を知り、オフィスや働き方に関する研究を行う。著書『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』(東洋経済新報社)。

1.進む、オフィス回帰。その背景と今後は?

豊富な社員クチコミデータを分析、社員の本音を深掘りする豊富な社員クチコミデータを分析、社員の本音を深掘りする

――出社スタイルに戻る「オフィス回帰」、増えていますね。
大澤さん:そうですね。オフィス回帰の流れは今後も進むと思います。そもそもコロナ禍以前、具体的には2019年までは、リモートワークがメインという会社はほぼなかったはずです。
それが感染症対策としてリモートワークを余儀なくされたという経緯なので、アフターコロナとされる今、出社スタイルに戻す企業が増えているのは不思議なことではないですよね。ただ、個人的には、全ての会社や働き方が100%出社に戻ることはなく、ある程度のバランスのところに落ち着くのではと予測しています。

■リモートワークは需要がない?

――オフィス回帰ということは、リモートワークの需要は減っているのでしょうか?
大澤さん:そんなことはなくて、多くの働く人がリモートワークのよさやメリットを一度経験してしまった以上、リモートワークがゼロになるということは考えられません。
たとえば、企業が出す求人においても、リモートワークや、ハイブリッドワークをうたう求人案件はとても増えています。さらに、求人サイトやクチコミサイトにおいては、「リモートワーク」という単語はとんでもない数が検索されています。求職者や働く人にとっても求められている働き方と言えますね。

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2.クチコミ傾向から見えてくるオフィス回帰の本音

――賛否両論の声があがるオフィス回帰。社員クチコミでの傾向はいかがですか?
大澤さん:「Openwork」内のクチコミでオフィス回帰に関するコメントを分析してみると、1:9くらいの割合で圧倒的にネガティブな意見が多く集まっていました。これは想像以上でしたし、他のトピックと比べて見ても特徴ある結果と言えます。

「Openwork」のクチコミ画面の例「Openwork」のクチコミ画面の例

大澤さん:ここで誤解のないように補足しますと、通常「Openwork」内では様々なトピックのクチコミにおいて、ポジティブ・ネガティブそれぞれの意見比率はほぼ半々くらい。決してネガティブなクチコミが集まりやすいサイトというわけではないんです。

だからこそ、この1:9という結果は意味のある偏差なのかと思います。オフィス回帰に関するポジティブ、ネガティブそれぞれの意見をご紹介したいと思います。

3.出社回帰賛成!オフィス回帰ポジティブ派。「オフィスでの体験・価値」に魅力

コクヨ梅田ライブオフィスコクヨ梅田ライブオフィス
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、ソファ・スツール「Any sofa(エニーソファ)」、チェアー「Any Chair(エニーチェアー)

――圧倒的少数派だった、オフィス回帰へのポジティブ意見とは?
大澤さん:オフィス回帰ポジティブ派の意見をひとことで表現すると、「自宅では得られない、オフィスでの体験や価値が魅力」です。
ポジティブ派の意見を詳しく分析してみると、だいたいこの3つに分類できます。

①コミュニケーションの活性化
②福利厚生の充実
③執務・オフィス環境への満足

それぞれ項目ごとのクチコミの傾向を少しご紹介できればと思います。

■①コミュニケーションの活性化

大澤さん:ポジティブ意見1つ目は、「コミュニケーションの活性化」。これはオフィスで人と会ったり、交流やコミュニケーションが刺激になり、モチベーションにつながっているというケースです。チームビルディングにもなりますし、リモートでは得られないオフィスだからこその価値や経験とも言えますね。

■クチコミの傾向
・毎日出社してチームメンバーに合うのが楽しい
・周囲もいきいきとしていたり、オフィスのフロアも熱気があるように感じる
・週5日、9時出社が原則だが、ウエットな付き合いを望む人には合う

■②福利厚生の充実

大澤さん:ポジティブ意見2つ目は、「福利厚生の充実」。オフィスで得られるサービスや福利厚生的な制度に魅力を感じているというケースですね。社内に無料のカフェがあったり、朝食や食事が提供されるなど、出社する動機にもつながっていることが伝わってきます。

■クチコミの傾向
・朝食が無料で提供されるなど福利厚生の工夫がある
・朝食やカフェテリア目的で、朝早くから出社する人も見受けられる

■③執務・オフィス環境への満足

大澤さん:ポジティブ意見3つ目は「執務・オフィス環境への満足」。簡単に言うと、家よりもオフィスの方が捗るというケースです。例えばオフィスに座り心地のいい高級チェアーがある、デュアルモニターがあって画面も大きく使いやすい、テーブルが広くて使いやすいなど。仕事場の環境が自宅よりも整っていることに魅力を感じている意見です。

■クチコミの傾向
・オフィス環境が恵まれすぎではと思うほど満足
・きれいで落ち着いたオフィス環境が、モチベーションの維持に役立っている

4.圧倒的多数!オフィス回帰ネガティブ派。根底には「与えられていた権利が失われた感」

圧倒的多数!オフィス回帰ネガティブ派。根底には「与えられていた権利が失われた感」

――「以前の状態に戻るだけ。」でもあるオフィス回帰ですが、何がネガティブ意見につながっているのでしょうか?
大澤さん:何よりも、「自分に与えられていた権利が失われた」という強い感覚が根底にあるのかもしれません。個別の事情や背景、意見はさまざまですが、コメントを見ていくと主にこの3パターンに分けられます。

①退職を余儀なくされた
②経営への不満
③オフィスや制度の未整備

大澤さん:生活や業務環境が大きく変わることもあるなかで、会社からの説明が不十分だったり、会社の要請で出社したのに行ってみたら自宅よりも環境が悪かった、となると、確かにモヤモヤ感は残りますよね。3パターンそれぞれのクチコミの傾向をご紹介します。

■①やむを得ず退職

大澤さん:まず1つ目は、オフィス回帰によって退職を選択せざるを得なかったというケース。具体的には、リモートワークだから成り立っていたワーク・ライフ・バランスが崩れたり、リモートワーク推奨時代に転職・入社をしたが、労働環境が変わったため会社を去った、というパターンですね。

■投稿クチコミの傾向
<退職に関する意見>
・地方在住だが、出社が義務となり通勤できず働けなくなった
・優秀なメンバーが抜けてしまうのでは、と心配になる
<ワーク・ライフ・バランスへの意見>
・出社必須になり、遠方居住者、育児・介護を抱える方は働きづらいはず
・部署や状況によっては上司・会社に相談し、柔軟に対応しているが子どもがいる人は大変そう

■②経営陣への不満

大澤さん:2つ目は、社内への説明が不十分で経営陣への不満が募ってしまうケースです。経緯や理由、目的などの説明がなかったり、あるいは一方的、雑であったりすると、社員に「自分たちは大切にされていない」という気持ちを抱かせてしまいます。

■投稿クチコミの傾向
<伝え方・発信に起因する不満>
・情報発信のまずさから、会社や経営陣に対する不満が高まる
・出社が必須となったが、それらの経緯や必要性、生産性が上がる根拠が伝わってこない
<方針に起因する不満>
・「週3出社」など先に決めて、細かいことは後で決める経営陣の態度に不信感を覚える
・会社の地方移住推奨の流れで家を購入したり、リモートワーク継続前提で育児や介護を行う人もいる。社員の人生設計を全く考慮しておらず、大切にしていないと感じてしまう

■③オフィスや制度の未整備

大澤さん:そして3つ目は、会社が言う出社目的と現実が乖離しているケース。例えば、生産性向上やコミュニケーションのために完全出社、などと会社に要請されて出社してみたものの、それができるオフィス環境が整っていないといったパターンですね。

出社させる目的に対して、座席や設備、制度などのハード面が整っていないとなれば、当然不満の原因となります。また、出社回帰のタイミングで新しい制度やフリーアドレスを取り入れたものの、目的を実現する運用ができていないことへの不満も見られました。

■投稿クチコミの傾向
<オフィス環境への不満>
・コミュニケーション促進を理由に出社率を上げる方針が出たが、オフィス環境が整っておらずモチベーションが下がる
<新しく導入した働き方・オフィス運用への不満>
・フリーアドレスになったが個人ロッカーもなく、自宅より効率悪化するのではと懸念
・業務特性上必要なため、共用でもいいから固定席とロッカー設置の要望を出している
・コミュニケーション促進の目的と手段が見えない。固定席がなく、オフィスに出社してもチームメンバーと顔を合わせるのが難しい。

5.クチコミに見る、出社したくなるオフィス4つの要素

――どんな要素があると、「出社したくなるオフィス」がつくれるのでしょうか?
大澤さん:まさに先ほど紹介したネガティブなクチコミにこそ、必要な要素を考えるヒントが詰まっています。特に4つあげるとすると、次のような項目がキーになると思います。

①社内理解のための説明
②オフィス環境の整備と充実
③出社したくなる仕掛け
④制度の導入

それぞれの具体的なポイントを少しご紹介しましょう。

■①社内理解のための説明

コクヨ梅田ライブオフィスコクヨ梅田ライブオフィス
チェアー「All in One(オールインワン)」、ホワイトボード「frein(フレイン)」、
モニター「MAXHUB(マックスハブ)

大澤さん:まず1つ目は、社員や社内に理解・納得してもらうための説明です。なぜ出社に戻すのか、経営陣からのメッセージ発信は非常に大事です。しかし現実には、「世間がそういう流れだからうちも」くらいに考えての決定だったり、出社に戻す必然性や理由が不明瞭とことも多いのではないかと思います。

――「最近何となくそういう流れだし、うちも出社に」はありがちですが、危険ですね。
大澤さん:そうです。それは絶対にやめたほうがいい。本当に出社に戻す必要があるのであれば、出社によって生産性が上がると判断した根拠、目的などを明確にあるはず。それらを社内に向けて強く発信していくことが大事です。

そして伝え方も大事。社員や社内の理解を得るための発信は、一方通行ではなく時間もコストもかけて、丁寧にコミュニケーションを取りながら理解を求めていくべきです。

■②オフィス環境の整備と充実

大澤さん:2つ目は、出社した時に少なくともがっかりしないオフィス、会社が掲げる出社の目的と齟齬のないオフィスがきちんと整っていること。

先ほどのクチコミにもあったように、会社の都合で必要だから出社したのに、座席や個人ロッカーがないとなったら、当然不満も発生します。むしろ自宅のほうが捗る、となれば出社の意義を感じるのは難しいかもしれません。

さらに理想を言うと、もう一段階進んで「出社したくなるような仕掛け」というのができるだけたくさんあるといいですね。

■③出社したくなる・捗る仕掛け

――出社したくなる仕掛けというのは、例えばどんなことでしょうか?
大澤さん:単純ではありますが、自宅よりもオフィスのほうが心地よい・捗るというのは結構大事なことです。たとえば心地よさでいうと、適切にコントロールされた温度や湿度、照明。基本でありながら、快適に仕事をするためには欠かせない要素です。

高機能家具と集中業務の「捗り」特化したオフィス空間高機能家具と集中業務の「捗り」特化したオフィス空間
コクヨ品川ライブオフィス
テーブル「SEQUEUNCE(シークエンス)」、チェアー「ing(イング)」、モニターアーム「Loopo(ルーポ)

大澤さん:家具や仕事に使うツールも同様で、座っていても疲れにくい快適な家具、モニターやツールなどを整えることは大切ですね。家よりも捗って、オフィスでしか得られない価値を感じる、というのは重要なポイントです。

角度調整ができるテーブルや360度グラインドするチェアーを備えた執務スペース角度調整ができるテーブルや360度グラインドするチェアーを備えた執務スペース
コクヨ梅田ライブオフィス
テーブル「UPTIS(アプティス)」、チェアー「ing(イング)

――「コミュニケーション」もオフィスだからこそ得られる価値ですよね。
大澤さん:その通りです。そのためには、オフィスがコミュニケーションを促進する設計になっているかが重要です。例えば、チームやプロジェクトメンバーとコミュニケーションが取りやすい執務やコラボレーション空間が設けられていたり。

さまざまなプロジェクトやチームがミーティングを行える空間さまざまなプロジェクトやチームがミーティングを行える空間
カーテンやホワイトボードで空間を仕切り、ゆるやかにつながりを感じることができる
コクヨ名古屋ライブオフィス
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、ソファ・スツール「Any sofa(エニーソファ)」、チェアー「Any Chair(エニーチェアー)

大澤さん:また、いろいろな人と出会えて偶発的なコミュニケーションが生まれるように考えられている、といった仕掛けができるといいですね。会社が社員に出社を要請するのであれば、やはり「来たくなる」環境の充実は重要です。

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■④制度の導入

大澤さん:そして4つ目は、制度の導入です。リモートワークで社員が享受できていたメリットを、出社回帰後もいかに維持し、サポートできるか。制度で工夫できることはたくさんあると思います。

コクヨ名古屋ライブオフィスコクヨ名古屋ライブオフィス
テーブル「Work Vista Lite(ワークヴィスタライト)」、チェアー「ing(イング)」、モニターアーム「Loopo(ルーポ)

大澤さん:出社によって、育児や介護の面で不都合なことが出て退職してしまうというのは会社・社員の双方にとって非常に残念なことです。
たとえば、コアタイム、フレックスタイム制を導入すると、時間や働き方の自由度を高めることもできますし、シッター補助制度や介護の補助制度を導入している企業もあります。

6.「選ばれない企業」にならないために

「選ばれない企業」にならないために

――制度やオフィスを整えて、社員が働ける環境づくりをする。とても重要なことですね。
大澤さん:社員が働けるための工夫、これは社会的にも絶対に大事なことです。なぜなら、政府が直近10年ほど推進してきた働き方改革は、国民の労働参加率を高めることが目的のひとつだから。当然、子育て世代や介護を抱えるビジネスケアラーの人も働ける社会にしていこう、という方向なんですよ。

国策は「働ける社会に」なのに、オフィス回帰で「働けない」にしてしまっては、企業と国策が乖離してしまいます。企業は働く人が仕事とプライベートを両立できるようなサポートをするべきで、今後そういったサポートをやらない企業は「選ばれない企業」になっていくのではないでしょうか。

7.大澤さんが考える、出社したくなるオフィスづくり

大澤さんが考える、出社したくなるオフィスづくり

――出社したくなるオフィスに取り入れたい要素ありますか?
大澤さん:3つあげるとすると、①誰とどんなコミュニケーションが取れるか、②「遊び心」、そして③作業場以上の「何かがある場所」であること、ですね。どれも、制度やコンセプトの面で取り入れたい要素や考え方です。

■①誰とどんなコミュニケーションが取れるか

大澤さん:まず1つ目はコミュニケーション。コミュニケーションはオフィスが持つ価値や魅力の一つです。「オフィスは誰とどんなコミュニケーションが取れる場所なのか」、を設計することは重要なポイントです。
これについては、ハード面というより制度としてどのようにコミュニケーション創出するか、という観点でオフィスづくりをすることが大切だと思います。

コクヨ霞が関ライブオフィスコクヨ霞が関ライブオフィス
テーブル「INITIA(イニシア)」、ソファー「OSFA(オスファ)」、チェアー「MATIIAZZI SOLO(マティアッツィ・ソロ)

大澤さん:ところが、「コミュニケーション促進!」と言いながら実際には、出社形態や座席運用が多様化していることで、自分が話したい人が近くにいない・どこにいるかわからない、そもそも来ていないという状況もよくあります。

用がある相手がどこにいるか都度探して、打合せの場所や時間を調整して...となると手間もかかって非効率的ですよね。これを解消するためには、フリーアドレスか固定席かを問わず、座席運用方法やルールをしっかりデザインすることが大切。例えばこの曜日はこのチームがこの席に出社するよ、などといった整備ですね。

■②オフィスの「遊び心」

大澤さん:2つ目はオフィスに「遊び心」があること。これはいろいろなオフィスを見学してきて個人的に感じることですが、オフィスには「遊び心」みたいなものも必要だなと思います。これはオフィスの内装がポップで楽しいとか華やとかいうのではないんです。

多様なオフィス空間の例多様なオフィス空間の例

大澤さん:例えば多様なタイプのワークスペースが用意されていて、それぞれのエリアにコンセプトがあったり、用途や狙いに合わせてデザイン・レイアウトされているとか。はたまた、カフェコーナーがあったり、おやつやライトミールが食べられる場所があるとか、そういった意味での遊び心も、行きたくなるオフィスには必要ではないかと思います。

コクヨ品川ライブオフィスコクヨ品川ライブオフィス
「THE CAMPUS」

大澤さん:コクヨさんのオフィスもそういった意味では「遊び心」がいっぱい感じられます。今インタビューをしているこの品川ライブオフィス「THE CAMPUS」も、「この屋外の階段、あえて何でこの色にしたんだろう?」とか「もっと他に色も形もあったはずなのに」とかいい意味でいろいろ「遊び」があるオフィスは魅力です。

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■③作業場以上の「何かがある場所」

大澤さん:そして最後3つ目は、オフィスが作業場以上の「何かがある場所」であること。例えば、コミュニケーションの場だったり、遊び心があるだったり、ですね。

オフィスを単なる作業場を越えた「何かがある場所」にするためには、コンセプトも必要です。そしてさらに、そのコンセプトが形骸化されることなく、きちんと活用されていくと、それが「出社したくなるオフィス」になっていくのではと思います。

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8.出社VSリモート、その答えは?

出社VSリモート、その答えは?

――出社とリモート、どちらがいいのでしょうか?
大澤さん:出社、リモート、両方を取り入れたハイブリッド、どのスタイルがいいのかというのは、結局のところ企業の経営戦略によって正解が違ってくるもの。

当然ながら職種や業務によっても状況は異なりますよね。リアルに顔を合わせたほうが生産性が高まるものや反対に、リモートのほうが捗る業務や職種もある。一方で、物理的にリモートワークができない仕事というのも当然あります。

だからこそ、「世のトレンドだから」、だけではなく業務の特性、そして企業の経営戦略やバリューチェーンに沿って最適なスタイルを設計するべき課題です。

■出社ネガティブ派のクチコミが示すもの

――職種や業務によるとはいえ、出社に対する圧倒的なネガティブ意見の多さ。これは見逃せないのではと思います。
大澤さん:「Openwork」の登録ユーザーは、経験やスキルも豊富で比較的キャリア志向な方が多いんです。そのような層の方々が、オフィス回帰に対してこれだけネガティブな意見を書き込んでいるというのは、個人的には企業への怒りのようにも感じました。

言い換えると、優秀な人材がどのような働き方を求めているのか、望んでいるのかを測る指標でもあるように思うのです。

9.オフィス出社でしかできない「協働」の可能性

コクヨ梅田ライブオフィスコクヨ梅田ライブオフィス
テーブル「SENTIR(センティア)」、チェアー「ingLIFE(イングライフ)」、吸音パネル「fore moving panel(フォーレムービングパネル)」、ホワイトボード「frein(フレイン)

――チームや組織づくりの生産性を考えたとき、オフィスは非常に重要な力を持つのではと思います。
大澤さん:そう思います。割合としては少なかったものの、出社ポジティブ派の意見があることも見逃せない。もちろん業務や好みもありますが、もしかしたら彼らは、チームや組織で働くことに意識を置いているのかもしれません。

チームやメンバーの知識や能力・パフォーマンスを上げ、チームで「協働」することでこそ高まる生産性もある。それには、「協働の意識」と「コミュニケーション」が不可欠なんです。でも、リモートワークではそれらがどうしても失われやすい傾向にあります。

コクヨ品川ライブオフィスコクヨ品川ライブオフィス
テーブル「INITIA(イニシア)」、スツール「Join(ジョイン)」、モニター「MAXHUB(マックスハブ)

大澤さん:さらに、「協働の意識」や「コミュニケーション」は、チームでの生産性を上げるためだけでなく、チームや組織自体を成立させるために必要な要素でもあるんです。事業をつくりあげていくうえで、当然ながらチームや組織は非常に重要ですよね。

だからこそ、協働やコミュニケーションの重要性を感じる人は、オフィスで顔を合わせることも大切にする傾向にあります。

■10.働き方はハイブリッドで。でもオフィスでの「リアル」も大切

大澤さん:そんな視点で考えてみると、知識産業や生産性の高い企業などは、働き方としてはリモートワークを求める人が多くても、リアルも同じように大切だと考える人は多いはずです。私としては、最終的にはハイブリッドワークが日本の働き方のスタンダードになっていくのではないかと考察しています。

11.オフィスや働き方のお悩みはコクヨにご相談を

コクヨ品川ライブオフィスコクヨ品川ライブオフィス

ここまで、オープンワーク株式会社代表取締役社長 大澤 陽樹さんに出社したくなるオフィスの秘訣をおうかがいしました。

コクヨでは、インタビューに登場した、社内不満の解消、目的の設定や社内浸透などを含め、オフィスのさまざまな課題解決のサポートを行っています。
コクヨ社員が実際に働くリアルなオフィスを見学しながら、働き方やレイアウトをご覧いただけます。ぜひ、ご活用ください。

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