2022.10.12[ オフィス運用 ]

社員の行動をかえるオフィスづくりと運用の工夫~姫路ライブオフィス「BeaCCon」の紹介~

#DX #事例 #地域社会

この記事をSNSでシェア
社員の行動をかえるオフィスづくりと運用の工夫~姫路ライブオフィス「BeaCCon」の紹介~ 社員の行動をかえるオフィスづくりと運用の工夫~姫路ライブオフィス「BeaCCon」の紹介~

固定電話とデスクトップパソコンのある固定席、山積みの書類、私物であふれルールのない収納スペース、外部のお客様が立ち寄りにくい雑然とした空間...。このようないわゆる「旧来のオフィス」に慣れた社員たちに、最新のオフィス空間でABWや新しい働き方を実践してみたら、行動はどのように変化するのでしょうか?それを実際に見学できるのが、コクヨ山陽四国販売の姫路ライブオフィス「BeaCCon(ビーコン)」。実体験をもとに、導入や運用のポイントをお伝えしている様子をご紹介します。オフィス設計と運用の仕組みづくりに関わったコクヨ山陽四国販売の堀谷さん(写真左)と作田さん(写真右)にお話をお聞きしました。

コクヨ山陽四国販売の姫路ライブオフィス「BeaCCon」は、最新のオフィス空間で社員が実際に働く様子をご見学いただける「ライブオフィス」として、2021年に姫路駅前に移転・オープン。移転前のオフィスとは180度異なる働き方を自ら実践しながら、お客様に提案しています。himejiliveoffcelog.png

従来型のオフィスから、コンパクトで効率のいい、新しいオフィスへ大変身

まずご紹介したいのが、数字で見るビフォー・アフターです。オフィス面積が約半分になり大幅にコンパクト化されているのが目をひきます。書類量、収納や倉庫スペースも減少、応接室や会議室にいたってはゼロです。ただモノや場所を減らすだけでなく、スペースの有効活用や作業効率のために改善したのが、座席、出社スタイル、収納スペースや備品の管理方法です。フリーアドレス、ICT環境の整備とテレワークの活用、書類や収納ルール作りを進め、防災やセキュリティなど安全面も高まったといえます。

himeji2img1.jpg

座席のビフォーアフター

固定席で「全員出社」だったのが、業務に適した場所や家具を選ぶABWを意識した働き方にかわりました。固定電話やデスクトップPCをなくすだけでなく、ICT環境整備でリモートワークを導入。出社人数が減少することでデスクや私物が減り、オフィス全体の省スペース化を実現しています。社員は自身のライフスタイルに合わせた働き方が選べるようになりました。

  • himeji2img2.JPG

    旧オフィス

  • himeji2img3.jpg

    新オフィス

収納のビフォーアフター

以前は収納ルールがなく、個人の荷物や書類が乱雑に置かれていましたが、不要な荷物を整理するだけでなく、書類や備品をアドレス管理し共有化することで限られたスペースを効率よく活用しています。

  • himeji2img4.JPG

    旧オフィス

  • himeji2img5.JPG

    新オフィス

防災用品のビフォーアフター

防災備蓄用品や非常持ち出し袋が詰め込まれ、いざという時に取り出しにくく、また平常時には個別の使用期限などの管理に手がかかる状態でした。新しいオフィスでは、キャビネットサイズにぴったり合うオフィス用の防災備蓄「PARTS-FIT(パーツフィット)」に替え、入っているもの・期限の管理の効率が上がりました。

  • himeji2img6.JPG

    旧オフィス

  • himeji2img7.JPG

    新オフィス

打ち合わせコーナー

以前は雑然としたオフィスの中にテーブルとチェアだけがあり、和やかとはいいにくい雰囲気でした。「BeaCCon」では、取引先など社外の方も利用できるオープンスペースを設置。照明や内装をカジュアルにすることで、ふらっと立ち寄ったり、リラックスして気軽に打ち合わせできる空間になりました。

  • himeji2img8.JPG

    旧オフィス

  • himeji2img9.jpg

    新オフィス

明確なコンセプト作りでソフト面、ハード面の改善点をあぶりだす

これだけの大きな変化を実現できたのは、オフィスのありかたや目的、コンセプトをしっかり作りこみ、こだわる点を絞り込んだからです。そうすることで、オフィス内の改善すべき点を明確にすることができます。姫路ライブオフィス「BeaCCon」のケースでは、オフィスのソフト面に強くこだわり、完全テレワーク対応のオフィスを構築しました。その背景には、新型コロナウィルスの感染拡大が始まった当時、旧オフィスは環境が整っていなかったために、テレワークできない・出社しなければならない社員が少なくなかったことがあります。その経験から、コロナ禍問わず、どんな時も誰でもテレワークができるオフィスにしたいと考えました。

フリーアドレス化とテレワークの導入。ノートパソコンを持って好きな場所で仕事

以前は固定席・固定電話・固定(デスクトップ)パソコンが当たり前でしたが、ライブオフィス「BeaCCon」ではその全てがゼロに。ICT環境を整備し、一人一人がノートパソコンとスマホを持ち、仕事の内容や気分に合わせて働く場所を選ぶABWスタイルを運用しています。テレワークも積極的に推進し、出社は半数ほど。

himeji2img10.jpg

姫路ライブオフィス「BeaCCon」。ペアで作業をするときはパネル無しの席で、集中ワークやWEB会議のときはブース「WORKPOD(ワークポッド)」、業務に合った場所を選んで働く

固定席からフリーアドレス、全員出社からリモートワーク、社員の反応は?

「テレワークという働き方も、当社の社員にとってはチャレンジです。みんな新しいそのチャレンジをとても頑張っていると感じています。これまでデスクトップパソコンで作業をしていてテレワークができなかった子育て中の社員も、今は週に2日テレワークで働くようになりました。こういった働き方を自分たちが実践して試行錯誤していることは、お客様にオフィスを提案していくうえで、とても大きな経験ではないでしょうか」(堀谷)

また、テレワークを導入したことは社員間のコミュニケーションも変化させました。顔を合わせる機会が減ったからこそ、コミュニケーションの機会を意識して増やすようになったため、全員出社の時代よりも互いの状況が見えるようになったといいます。

完全テレワークへの挑戦は仕事にも活かされている
よりリアルな空間提案のご提案ができるように

「以前は実体験がない中で、わからないなりに教科書通りに提案するほかありませんでした。今は自分たちが率先して新しい働き方、新しいオフィスを経験している分、メリットもデメリットも実感を持って伝えられる。さらには、導入後のサポートにも継続して関わっていきやすくなったので、お客様とのつながりを広げ、深めていく良いきっかけになっていると感じています」(作田)

もうひとつのこだわり、開かれたオフィスで情報発信、人や地域との交流

こ姫路ライブオフィス「BeaCCon」のハード面でのこだわりは、オフィスにもたせた3つの機能。110㎡(33坪)のコンパクトなオフィスですが、オフィスとしての役割に加え、新しい働き方を発信し、地域社会とのつながりを生む空間を目指すめざし、①人や情報を集める場(コアオフィス)、②交流する場(サテライトオフィス)、③発信する場(テラスオフィス)という3つのエリアを設けています。

特に特徴的なのは、社外の方にシェアオフィスのようにお使いいただけるエリアを作っていることです。社外の方にとっては、気軽に立ち寄っていただけるサードプレイスとして使っていただいたり、最新の商品などに触れていただける。コクヨにとってはさりげない会話から、お客様のお困りごとをお聞きしたりコクヨの情報をお伝えできる。そんな発信と交流をしながら、ABWを促進する環境を提供しています。

himeji2img13.jpg

姫路ライブオフィス「BeaCCon」は3つのエリアで構成されている

オフィス内に社外に開放したオープンエリアを設置、家具を活用した空間づくり

交流する場として設けたのはサテライトオフィス。建物内の109平米ほどのオフィススペースを半分に分けて、一方は社員だけの利用、もう一方は、オープンエリアとして社内外問わず、オフィスに集う様々な人が交流できるスペースとしています。ライブオフィス「BeaCCon」を見学にいらっしゃったお客様と打ち合わせをしたり、立ち寄られた取引先の方がワークしたりもする空間として開放しています。「BeaCCon」の名前の由来にもなっている灯台をイメージした壁紙やカフェのようなインテリアで、気軽に話ができるのが自慢です。狭い空間なので、間仕切りしてしまえばさらに狭くなるし、コミュニケーションも取りづらくなってしまうため、コクヨの「Days」シリーズのキャビネットで緩やかに空間を分けています。以前の殺風景な打ち合わせスペースとは雰囲気が変わり、気軽にご来社していただけるようになりました。 himeji2img11.jpg

社外の方にも開放されているエリア「サテライトオフィス」

外から丸見えの駅前オフィス

これらの取組みをより多くの方にお伝える情報発信基地として、姫路ライブオフィス「BeaCCon」は姫路駅前の通りに面したガラス張りの空間を選びました。情報発信というとサイネージを思い浮かべますが、「BeaCCon」ではオフィスとそこで働く社員の姿そのものをお見せできるよう設計されているのが特徴的です。通りに面した入口がカフェのようにガラス張りになっており、あえて「丸見え」にしています。コクヨのライブオフィスは全国各地に約30箇所ありますが、路面でガラス張りなのは姫路ライブオフィス「BeaCCon」だけです。

himeji2img12.jpg

通りに面した大きなガラス窓からは、中の様子を見ることができる

「見られている」ことに抵抗があった社員もいますが、今では反対に外の風景を眺めたり、街の様子からアイディアを得たりするようになりました。お客様や外部の方の目があるからこそ、快適なオフィス空間を維持しようというモチベーションにもなっています。オフィスワーカーが多いことを期待して駅前を選んだのですが、意外と学生が多く、若い世代にもPRできるのは嬉しい誤算。今後は、次のステップに向け、さらに地域とのつながりや接点を作れるよう、オフィス前のテラススペースを活用したイベントを企画しています。

オープンから1年、社員にも地域にも、予想外のうれしい変化

姫路ライブオフィス「BeaCCon」のオープンから1年が経ち、当初は戸惑う社員も多かったようですが、今ではABWやリモートワーク、開かれたオフィスを使いこなしてるようです。ワークポッド(ブース)やソファ、カウンターなどいろいろな場所で、気分に合わせて働くABWへの反応も同様です。決まった席で仕事をする文化がまだ根強い中、仕事をする場所はデスクだけではない、働く場所を「選べる」というスタイルに斬新さを感じながら、社員は新しいオフィス、新しい働き方を体感しています。 himeji2img14.jpg

カジュアルな空間で開かれるミーティングの様子

さまざまなヒントや提案を発信する拠点を目指して

このように、姫路ライブオフィス「BeaCCon」は、社員が様々な働き方を実践する様子をお見せするだけでなく、お客様にも新しい働き方や工夫、オフィス空間を体験いただきながら、地域に発信する発信基地としての役割を担っています。まだまだ従来の働き方や意識が根強い地域において、駅前にライブオフィス「BeaCCon」をオープンしたのには、ヒントがたくさん詰まったオフィス空間をご覧いただき、地域企業のオフィスのお困りごと解決につなげたいという狙いも込められています。

コクヨのライブオフィスには、工夫やヒントがいっぱい

今回ご紹介した姫路ライブオフィス「BeaCCon」をはじめ、コクヨのライブオフィスは全国各地で営業しています。最新のオフィス空間、オフィス家具をどう活用しているのか、実際に社員が働く様子をご覧いただけます。お近くのライブオフィスをご見学されてみませんか?

この記事をSNSでシェア