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働き方用語辞典 「CX(顧客経験価値)」

公開日:2024.4.24

執筆:コクヨコラム編集部

#マーケティング #働き方用語辞典

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働き方用語辞典 「CX(顧客経験価値)」

CX(顧客経験価値)

商品やサービスの購入から利用までの一連のプロセスにおいて、 企業との様々な接点を通じて得る全ての経験

「CX(顧客経験価値)」とは、顧客が商品やサービスの購入前から購入時・購入後の利用やアフターフォローまでの過程で、感じるあらゆる経験のことです。CXは、「Customer Experience」の略で、価格や性能などの物理的な価値だけでなく、満足感や喜びなどの心理的な経験の価値を含めた概念となります。

顧客体験による評価が高まると、企業やブランド、サービスに対しての満足度がアップするだけでなく、クチコミの拡散や商品の購入ににつながります。さらに、ブランドイメージが向上することで、顧客と長期的に良好な関係を築くことができます。

■CXが注目される背景


―「モノ」から「コト」消費へ
・モノ(商品)が溢れる成熟した市場において、商品や価格、機能では差別化がしにくい
・付加価値や心理的に満足できる「コト」を重視する消費スタイル「コト消費」へと変化している

―顧客接点の増加と変化
・IT技術の発展に伴い、ウェブサイトやアプリ、メール、SNSなど、企業と顧客間の接点が多様化
・インフルエンサーによる拡散や口コミサイト等での消費者のレビューが与える影響も大きい
・より効果的なマーケティング戦略としてCXの向上を企業が意識している

―「所有から利用へ」シフト
・動画・音楽配信、ゲームやソフト、サービスなどのコンテンツ、サービスにおいて、サブスクやシェアリングサービスなどの「利用型」の消費スタイルが増加している
・短期的な売り上げでなく、継続的に購読・利用し続けてもらうための長期的な関係を構築する必要がでてきた

■CXにおける心理的な価値


「経験価値」を提唱するアメリカの経営学者バーンド・H・シュミットは、心理的な価値を5つに分解しています。マーケティングを行う際に感情的な価値を考慮することで、消費者の体験価値を高めることができます。

・Sense(感覚的価値)
視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感によって体験する価値
例)音楽、香り、おいしい味

・Feel(情緒的価値)
内面にある感情に働きかける経験価値
例)親切な接客に感動した

・Think(創造的・知的価値)
創造性や知的欲求に働きかける経験価値
例)好奇心を掻き立て欲求を満たす

・Act(行動・ライフスタイルに関わる価値)
今までにない体験やライフスタイルに変化を起こすような新しい価値の提供
例)アクティビティ体験

・Relate(準拠集団への帰属価値・社会的経験価値)
特定の集団や文化に属することで得られる経験価値
例)ファンクラブ限定イベント

近年、ECサイトの普及で、直接顧客と接する機会が少なく、顧客の体験価値を把握するには容易ではないこともあります。口コミによる評価やアンケートの実施、行動履歴などのを現状を理解し問題点を改善することで、より良質で満足度の高いCXを提供することができるでしょう。

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