仕事のプロ

2020.04.24

『ノンテリトリアルオフィス』と『フリーアドレスオフィス』

何が違う⁈

「ノンテリトリアル」と「フリーアドレス」。どちらも固定席が無く、社員がカフェのように空いている席を選んで仕事をするオフィスのスタイルを呼ぶときに使われています。最近はどちらも同じ意味として使われることが多いですが、それぞれの言葉は元々の目的が違うので整理してみましょう。

 

ノンテリトリアル(non-territorial)は、社員が自分が仕事をする領域(テリトリー)に縛られず自由に自分で働く席を選べるスタイルです。目的は他の社員とのコミュニケーションを増やし、知的生産性をあげること。フリーアドレス(free address)は、同じように自席はありませんがオフィスの賃料を少しでも下げるために、スペース効率化を目的として考えられたものです。特にフリーアドレスはオフィスの在席率に応じて人数の50%~80%など少なく席を設けるケースが多くあります。

 

ノンテリトリアルは、必ずしも席数を減らすことが主ではなく働き方に関する考え方からきた言葉ですが、フリーアドレスはスペースの効率性に対するコストを意識した考え方からきた言葉です。どちらも自席を無くし働く場所を自由に選べることにより、同じオフィスにいる他の社員とのインフォーマルなコミュニケーションが期待できることから最近では同じように用いられています。フリーアドレスという言葉は日本生まれということもあり、ノンテリトリアルよりも日本ではよく使われるケースが多いようです。

金森 裕樹(Kanamori Yuki)


働き方と学び方を研究するコクヨの研究機関「ワークスタイル研究所」研究員。ワークスタイル情報メディア「ワークサイト」副編集長として雑誌・webで情報発信している。

オフィスのチカラ vol.5より転載