こんにちは!GOOD WORK DAYS.編集部です。
長引く在宅ワークの影響で、自宅でコーヒーを飲む機会が増えた方も多いのではないでしょうか。ひとりで仕事をしているからこそ、合間の息抜きや気分転換ってやっぱり必要ですもんね。
「せっかくなら、この機会にコーヒーにこだわってみよう」と、いざコーヒーショップのオンラインストアを覗いてみても、見慣れない用語に豊富な種類、何を基準に選べばよいのか検討がつかず、少し戸惑ってしまい......。「コーヒーは好きだけど、詳しくはない」という人も、きっと多いはず。
ということで前置きが長くなりましたが、今回は、OBSCURA COFFEE ROASTERSのバリスタ・佐藤圭悟さんにお願いして、お取り寄せコーヒーの楽しみ方を教えていただきました!
前回、「オフィス×コーヒー」の記事でハンドドリップのコツをお聞きしましたが、今回はその前段となる、コーヒー豆の選び方からお伺いします!
【目次】
ー早速、初歩的な質問ですが、コーヒーショップなどでよく見かける「浅煎り」とか「深煎り」、これって何が違うんですか?
佐藤:はい。まず前提として、コーヒー豆って果実なんです。ただ、生豆の状態では味がほとんどしないので、焙煎することでフレーバー、つまり味のキャラクターを引き出します。「浅煎り」や「深煎り」というのは、豆の焙煎の度合いのこと。その度合いによって、味や香りに違いが出てくるということなんです。
焙煎時間が短い浅煎りは、豆本来の果実感や酸味を感じられ、逆に焙煎が深まるにつれて焦げて(専門用語ではカラメル化して)いくと香ばしく、そして苦くなっていきます。
日本人に昔から馴染みがあるのって、この深煎りなんですよ。スーパーなどで市販されている豆や粉も、ほとんどが深煎りのものです。
ーそうなんですね! たしかに、コーヒーと聞いてパッと想像するのって、苦味があって香ばしいっていう、そんな味です。
佐藤:新しいコーヒーにチャレンジする際、基本的には味の好みで選ぶのがポイントですが、慣れていない方には、まずはふだん自宅で飲んでいるコーヒーと同じ豆を選ぶことをお薦めすることが多いです。ブラジルとか、グァテマラとか.......。そこから、どんどん好みを見つけて、広げていくといいと思います。
ー実は、酸っぱいコーヒーがちょっと苦手でして......。新しい味を試してみたい気持ちもありつつ、購入するなら深煎りが安心かなと思っています...。
佐藤:なるほど。実はひとくちに酸味といっても、さまざまあるんですね。それを見極めるには、フレーバーコメントを参考にするといいですよ。
たとえば、レモンやライムのような柑橘系のフルーツが書かれていたら、強くてさわやかな酸味が特徴ですし、ブルーベリーやイチゴのようなベリー系だったら優しく華やかな酸味を感じられます。
一方、リンゴや青リンゴといったリンゴ系は、まろやかな酸味ですっと飲みやすいです。
佐藤:ちなみに豆の質の良し悪しを決めるのって、実は酸味なんです。酸味が敬遠される理由の一つに、古くなっていたり、抽出してから時間が経っていたりして、酸化した酸味のするコーヒーを飲んだ経験があると思います。「うわっ!酸っぱ!」と感じる、とがった酸味、つぶれた酸味といいますか。でも上質な豆の酸味は、とてもフルーティなんです。
ーなるほど。たしかに私、 過去に飲んだ悪い味のイメージが強いのかもしれません...。ちなみにその豆の質を見極める、価格の目安はありますか?
佐藤:そうですね、、難しいところではありますが(苦笑)、業界的な相場でいうと、200グラムで1000円以上がスタンダードでしょうか。さらに、1500円以上だといわゆるスペシャリティコーヒーの世界といわれています。
コスト感は人それぞれですし、お店にもよるのですが、一つの指針にしておくといいかもしれませんね。
ーコクヨの品川SSTオフィスの「OFFICE COFFEE」には、常時4種類の豆を用意していただいていますが、それぞれに「アイデアを出したいとき」「気分を明るくしたいとき」のようにシチュエーションが設定されていて、味の好み以外にも気分やシチュエーションで選べるのがいいなと思っています。
そこで、自宅のワークシーンでも取り入れられるような、シチュエーションごとのオススメのコーヒーを教えてほしいです!
佐藤:わかりました、おまかせください。
▶午前中の集中タイムに飲むなら
ー集中力が上がるといわれる午前中に、作業系のタスクをこなす人も多いと思います。集中したいときに向いているコーヒーはありますか?
佐藤:これは、コクがあって味がしっかりしているほうが集中するときにグッと力が入ると思うので、深煎りがオススメです。
実はSSTオフィスで同様の実験を行ったことがあるのですが、集中したい気分のときに飲みたい味を選んでもらったところ、たとえば荒々しくて味の個性があるインドネシアのような、そういう深煎りが人気だったんですよ。
※コク...ワインでいう「ボディ」のこと。コーヒー業界では、味わいの深みや重たさのことを、わかりやすく「コク」と言い換えます。一般的には、深煎りのほうがコクが出やすい傾向に。
▶オンラインミーティング前にテンションをあげたいとき
ー在宅ワーク中って基本的にひとりで黙々と仕事をしているので、急な切り替えのスイッチが入らないこともありますよね...。そういうときの救世主を教えてください。
佐藤さん:それなら、浅煎りがオススメです。後味がすっきりしていて明るい酸味のものは気分が上がる気がします。テンションを上げたいときって、なんだか炭酸が飲みたくなりませんか? それと近いイメージです。
ちなみにマニアックなお話ですが、酸味を摂取するとアドレナリンが分泌されるので、覚醒効果があるといわれています。そういう意味でも、浅煎りがいいと思います。
▶仕事の合間に、気分転換したいとき
ー在宅ワークに限らず、根詰めて仕事をしたあとって、息抜きしたくなりますよね。そういうときはどんなコーヒーがいいのでしょう?
佐藤:うーん、これは深煎りが"外しづらい"でしょうか。というのも多くの場合、仕事中にコーヒーを飲むシチュエーションって、ちょっとリラックスしたい気分のときですよね。そういうとき、飲んだ瞬間に違和感やストレスがないことが大事で、その観点でいくと飲み慣れている中煎りから深煎りがいいかなと思います。
ちなみに、僕たちは勤務中に仕事としてさまざまなコーヒーを飲みますが、それでも仕事中の息抜きのコーヒーは欠かせません。そのときは自分の好きなものを選んでいますが(笑)。
というわけで、ここまでのお話を受け、今回お取り寄せしたのはコチラ!
できれば豆の状態で購入し、自宅で都度挽くのが鮮度的にはベストですが、粉で購入しても、もちろん問題ありません。家庭用のコーヒーメーカーやドリッパーを使用しているなら「中挽き」がおすすめだそうです。
そして、前回教わった「コーヒーをおいしく淹れる3つのコツ」を、ここでおさらい。お湯の量や注ぎ方に注意しながら、丁寧に淹れていきます...。
・
・
・
いざ、実飲!
朝の眠気覚ましも兼ねて、まずは深煎りをチョイス。飲んでみると、一口含んだ瞬間から、コク(=重み)の感覚がよく分かる気がしました...! とにかくしっかり苦味があるので、苦いコーヒーが好きな方にはオススメです。
ちなみに、こちらはOBSCURAさんが独自で開拓した農園から仕入れた特別な豆とのこと。佐藤さんのイチオシでもあります。
「ナッツやキャラメルのような」というフレーバーコメントが「好みに合いそうだな!」と思って選んだコチラ。
飲むと苦味と酸味の偏りがなくまろやかで、コーヒーなのに舌にほんのり甘みが残るのが不思議な感覚でした。一番するっと飲めた印象です。
ニカラグアは浅煎りもおいしそうなので、次回、狙っています!
そして今回は、普段飲まない浅煎りにもチャレンジ。この豆を選んだ決め手は、フレーバーコメントに「ブルーベリー」とあったこと。飲んだ感想としては、もちろん酸味は感じるものの甘みもあり、本当に紅茶のようなスッキリした口あたりが印象的でした。
今回はお値段が立派なものを体験してみたこともあり、酸味の苦手意識を克服できそうな予感がしました。今後は、柑橘系のフレーバーなど、いろんな浅煎りを試してみたいと思います!
(食レポには自信がないので、この辺でお許しください。。。)
お取り寄せコーヒーの楽しみ方、前編はいかがでしたでしょうか?
みなさんのコーヒー選びの参考になれば幸いです!
ちなみに今回、「集中したいときは深煎り、気分を上げたいときは浅煎り」と意識してみたことで、在宅ワーク中の気分のメリハリがつきやすくなったと感じます。(もちろん、飲みたいときに飲みたいものを優先しましょう)
そしてOBSCURAさんのコーヒーのお味のほどは、みなさんもぜひ、お取り寄せで試してみてくださいね!
(後編につづく)