<コンテンツはどうやって決めてる? メンテナンスは誰がしてる? デジタルサイネージの運営のコツを聞いてみた>
こんにちは! GOOD WORK DAYS.編集部です。
コロナ禍における情報収集、みなさんはどうしていますか?
コロナ前は、オフィスに出社すれば、社内外の状況や営業先で使える雑談ネタなど、いろいろな情報を自然と摂取できていたはず。でも、リモートワーク中心の生活はどうしても情報不足になりがちです。たまにオフィスに出社したときに、フレッシュな情報を摂取できると嬉しいですよね。
コクヨの東京・品川SSTオフィスでは、2017年からデジタルサイネージを導入。週2日、社内の情報はもちろん、競合他社の情報や世の中のトレンドなど、さまざまなコンテンツを配信しています。動画やSNSも組み込んだ、新しい社内報のカタチを構築してるんです。
今日は、サイネージの制作・運営を担当しているビジネスコンシェルジュの富家さん、大竹さんにインタビューを実施。日々、どのようにコンテンツを制作し、発信しているのか? 運営の裏話をお聞きしました!
【目次】
ーまずはお二人の普段のメイン業務を教えてください。
富家 私は普段、SSTのコンシェルジュカウンターに座って、社員のみなさんのお困りごとやお問合せの対応をしています。2017年のサイネージ導入当初からコンテンツ制作業務を担当していて、それに付随するかたちで、2020年7月から広報室の業務サポートもしています。
大竹 私は富家さんをはじめ4名いるコンシェルジュメンバーのマネジメントをしています。どうしたら業務がスムーズにまわるか、悩んでいることはないかなど、みんなの相談役を担っています。
ーSSTのサイネージは、どんな狙いからはじまったのですか?
富家 SSTが発足した2017年に、「3C(Customer/市場・顧客、Company/自社、Competitor/競合)情報を社員にもっとキャッチアップしてほしい」という経営陣の願いからうまれたものと聞いています。
ーコンテンツはどのように選定・配信されているんですか?
富家 日々、コクヨや競合各社のプレスリリース、ウェブニュースなど、約30個の情報ソースをパトロールしています。そこから話題を選んでスライドを作成し、毎週火曜日と木曜日に配信しています。みなさんに広く興味を持っていただけるよう、カタめのニュースよりは、最新のトレンドや新しいスポット情報などを意識して選んでいますね。
大竹 「Touch Nows」という無料で配信できる社内SNSがあり、そこでは毎日発信しているんですね。
富家 「Touch Nows」で記事を発信すると読者から「いいね!」がいただけたるので、反応がとくによかった情報を週2回の配信にのせています。
ー出社した社員は、厳選された情報を半ば強制的に摂取できるんですね。
富家 そうです、そうです。情報感度の高い方なら、積極的に自ら情報を収集されますが、サイネージは、そうでない方が「SST内をたまたま歩いていたら、ふと有益な情報に偶然出合える」ということをコンセプトにしているんです。
大竹 ほかにも、新商品のプロモーション動画やコクヨ社内の広報動画なども、スライドを作成して発信するようにしています。こういった動画も社内ポータルに掲載してはいるものの、なかなか自発的に見に行く方も少ないので、新しく知るきっかけにしてもらえたらと思っています。
ースライドの作成は、外部に委託されているんですか?
富家 いえ、コンシェルジュメンバーが作成しています。
ーそうなんですね! とても見やすいので、デザイナーさんが入っているんだと思っていました。
大竹 いえいえ。みんなで「どういう配色が見やすいか?」など、デザインの勉強会を実施しながら、研究していましたよ。
富家 テキストも、Twitterでバズったツイートを500件ほど集めて、傾向と対策を練りました。見出しを「?」で終わらせてみたり、「みなさん」と呼び掛けてみたり、読んでもらえるように工夫していますね。
ー運営では、どんなことを意識されていますか?
大竹 日々スピーディにトレンドが動くので、いかに感度高く情報をキャッチアップするかが大切。複数メンバーで運営していると、どうしてもそこにバラつきが出てしまうので、常にいい情報を安定して発信し続けるために、こまめな目線合わせは欠かさないようにしています。
ー社内がコミュニケーション不足になりがちないま、こうした社内広報の方法を再検討している企業さんも多いと思うのですが、ライブオフィスに来られたお客さまはどんな反応をされていますか?
富家 みなさんサイネージには興味を示してくださるのですが、「何を投影したらいいか分からない」「メンテナンスが大変そう」とおっしゃる方が多いです。なかにはすでに導入されている企業様もいらっしゃいますが、自社情報だけで手いっぱいだったり、情報を更新できず風景化してしまうそうで。なので「自社に最適化した3C情報をコンシェルジュが発信してくれるのは便利ですね」と言っていただくこともありますね。
ーコクヨ社員の反応はいかがですか?
富家 「仕事をしながら見るのに最適なコンテンツで、ついつい読んでしまう」という感想をいただいています。実は、ファンになってくれている社員さんも結構いて、ときどき「こういうネタが読みたい」というリクエストや、差し入れのように情報提供をしていただくこともあるんですよ。
こんなふうに、発信側の一方通行的なコミュニケーションで終わるのではなく、読み手の方と一緒につくりあげていけたら理想的ですね。
大竹 そのためには、サイネージの社内の認知度をもっと上げていかないといけないのですが......。
富家 そうなんですよね。そこがなかなか難しいところで......(苦笑)。
いま品川のオフィスではほとんどの会議室にテレビがついているので、たとえばそこで常時投影できるようにするとか、たくさんの社員の方の目に留まるような仕掛けを考えていきたいですね。
ーお二人にとって、仕事とは?オフィスとは? どういったものですか?
富家 コロナ禍になり、仕事は人と人のつながりで成り立つものであり、オフィスはそれを実感させてくれる場所だと改めて感じました。
というのも、以前のSSTって本当に「街」みたいで、人や情報が行き交う場所だったんです。私もコンシェルジュとして、社内イベントのサポートなどを通じて情報交換ができていたのですが、それが当たり前にできなくなって、仕事にはコミュニケーションがいかに必要だったかを実感しました。
だからこそ、コロナ禍に「Touch Nows」を通じて社員の方とのつながりが途絶えなかったのはありがたかったです。今後もこのつながりを活かしていきたいですね。
大竹 私は今年5月、育児休暇から復帰したばかりなんです。一年間、仕事から離れてみて、家族以外の誰かから頼られることが、いかに自分にとって大きなことだったかを実感しました。仕事は生きていくうえで必要不可欠なもの。オフィスは、自分の存在価値を感じられる場所です。
ーありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
内製の限界を感じることなく、質の高いコンテンツの制作と配信を続けるビジネスコンシェルジュさん。現在、コクヨ&パートナーズではコンテンツの受託制作はしていませんが、みなさんもサイネージ導入の際は、お二人のお話をぜひヒントにしてみてくださいね!
(取材日:2021年10月7日)