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公開日:2025.6.13
執筆:コクヨコラム編集部
#オフィスリニューアル #オフィスレイアウト #コミュニケーション #フリーアドレス #ペーパーレス
「パイロットオフィス」をご存じですか?「パイロットオフィス」とは、新しい働き方や制度の導入、オフィスレイアウトの変更やオフィスリニューアルなど、大きな変更を実施する前に、一部の部署や区域で試験的に実行し、効果や反応を検証する手法です。
全社での導入や実施の前に改善点や課題を把握でき、よりスムーズで効果的な制度導入やリニューアルができることがメリットです。「パイロットオフィス」の進め方や実践例をご紹介します。
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目次
コクヨ品川ライブオフィス
新しい家具を導入しての座席運用を試験的に一部の区画で行っている様子
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、チェアー「Any Chair(エニーチェアー)」、電源「Energy Pole(エナジーポール)」
パイロットオフィスとは、組織全体にオフィス改革を展開する前に、特定の部門や課単位で試験的に新しい働き方を導入する方法です。「パイロット」は、「試験的な」という意味です。
オフィスリニューアルやフリーアドレスの導入といった大きな変更や全社的な制度の導入では、「本当に効果があるだろうか?」と不安になるものです。パイロットオフィスでは、事前に小規模な実施や検証を行うことで、全体導入の前に問題点や改善点を把握し、リスクを最小限に抑えることができます。
<パイロットオフィスのメリット>
・課題の特定と対策
事前に問題点や課題を洗い出し、改善策を反映したうえで導入ができる
・社内への浸透・不安解消
段階的な導入で、社内の理解を得ながらスムーズに導入が進められる
・従業員のニーズや行動変化の把握
潜在的な不満や要望を把握、反映することで満足度の向上につなげられる
・コストの削減とリソースの最適化
事前に検証を行うことで無駄を省き、最適なリソース配分や運用ができる
大規模な実施や全社展開をする前に、その良し悪しがわかり、改善することができるのがパイロットオフィスのメリットです。
パイロットオフィスは、制度やオフィスのリニューアルを企画しているが、自社になじむか確信が持てない、方向性が決まらない、社内の反応が気になるといったケースにおいて、効果を発揮します。
<こんなお悩みにおすすめ>
・うまくいくか確信がなく、なかなか実行に踏み切れない
・実施したときの社内の反応が気になる
・制度の導入や働き方改革が思うように進まない
・オフィス改善やリニューアルの方向性が定まらない
パイロットオフィスの進め方とスケジュール例
(こちらからダウンロードいただけます)
ここからは、パイロットオフィスの進め方と成功させるためのポイントをご紹介します。 パイロットオフィスで得られるデータや反応は、プロジェクトやその後の本格的な導入の方向性を決定づける重要な要素となります。形式的な目的ではなく、はっきりとした具体的な目的を設定し、検証を行えるようにすることがポイントです。
パイロットオフィスの進め方とステップは、計画・実行・検証・改善を重ねながら改善を行っていくPDCAサイクルが基本となります。
<基本の進め方>
・計画・企画
目標や目的、実施範囲や検証方法の策定、現状分析などを行う
・構築
パイロットオフィスの実施に必要なインフラや運用ルールを整備する
・運用
一定期間試験導入を実施。モニタリングや分析を行う
・効果検証
運用結果の評価を行い、改善点を反映・計画の修正などを行う
・本格導入
導入だけで終わらせず、定期的な運用見直し・改善を行う
パイロットオフィス成功のポイントは、PDCAサイクル
パイロットオフィスは、一度実施して終わるのではなく実施と改善を繰り返しながら、徐々に規模を拡大していくプロセスが特徴です。
<パイロットオフィス成功のための3つのポイント>
・明確な目標設定
・社内への周知と協力
・PDCAサイクル
その検証には、明確な目標設定、社内の理解と協力、そして分析と改善を続けるPDCAサイクルが必須です。PDCAサイクルを継続的に回すことで、変化する環境や要求に柔軟に対応しながら、常に最適な状態を追求し続けることができます。
なかでも、社内の理解と協力を得ることはとても重要です。従業員への十分な説明がないまま実施をすると、後の本格導入にネガティブな印象が伝わるだけでなく、エンゲージメント低下や不満の声があがる原因ともなります。説明会を通して、意図や目的、効果などを丁寧に伝えましょう。
ここでは、パイロットオフィス実践例を3つご紹介します。
パイロットオフィスはさまざまなケースに活用できますが、特に効果を発揮するのは、オフィスの運用や座席など、社員や業務に直接かかわるような変更や導入をするときです。
<パイロットオフィスの実践例>
①フリーアドレス導入
②書類削減・ペーパーレス
③コミュニケーションスペース
フリーアドレスの導入は、一部の区域や部門などで試験的に導入し、段階的に広げていくことがおすすめです。特に固定席からフリーアドレスに変更をする場合は、社内からの不安や反対があがりやすく、一斉導入する前にパイロットオフィスで試しながら自社に合ったスタイルを検証すると効果的です。
<パイロットオフィス導入のステップ・ポイント>
1.計画・企画
目的の明確化、現状分析をしながら、導入範囲の検討する
2.構築
運用ルールや環境の整備を行い、社内説明をし理解と協力を得る
3.フリーアドレス試験導入
モニタリングや分析、ヒアリングなどを通して課題と改善点を把握する
4.効果検証
運用結果の評価をしながら、運用ルールや環境の改善を行う
5.本格導入
本格的な導入を実施、導入後も定期的に運用状況を見直し改善を続ける
コクヨ梅田ライブオフィス
テーブル「CENTIR(センティア)」、チェアー「Bezel(ベゼル)」、スツール「Pikkle(ピックル)」
<フリーアドレス実施のメリット>
・コミュニケーションの活性化
座席が自由になることで、これまで交流の少なかった他部署のメンバーとも顔を合わせる機会が増加。オフィス内のコミュニケーションが活性化し、コラボレーションが生まれやすくなります。
・生産性の向上
集中ワークや連携業務、打合せなど、業務内容や状況に合わせて最適な座席が選べることで、生産性や業務効率の向上が期待できます。
・オフィススペースの有効活用
フリーアドレスは、固定席よりも座席数の調節やレイアウトの変更がしやすいのが特徴です。出社率や人員数、働き方に合わせ最適化することで、スペースを有効活用できます。
【おすすめコラム】
・【企業事例あり】フリーアドレスオフィスとは?メリットや注意点も紹介
・フリーアドレスとABWの違いとは?導入企業の事例や導入方法も紹介
書類削減やペーパーレス化は、業務やオフィス空間の使い方に直接的な影響があります。そのため、段階的に試験導入することで、全社展開する前に改善を重ねることができ、自社にあった運用で導入することができます。
また、フリーアドレスの導入においても、固定席をなくし自席の収納ペースがなくなることから、荷物や書類の削減、ペーパーレス化を合わせて行うケースも多くあります。社内の負担を減らし、理解を得ながら進めるためにもパイロットオフィスは有効な手段といえます。
書類削減・ペーパーレス化は、自社に合った管理や運用方法が重要
<パイロットオフィス導入のステップ・ポイント>
1.計画・企画
導入の目的を明確にし、試験導入しやすい部署を選定する
2.構築
書類のデジタル化のためのツールIT環境、業務フローや利用ルールなど制度を整える
3.書類削減・ペーパーレス化試験導入
該当部署で導入、運用状況を観察し課題や改善点を把握する
4.効果検証
運用結果の評価をしながら、運用ルールや環境の改善を行う
5.本格導入
検証結果と改善点をふまえ、段階的に全社導入を実施する
<書類削減・ペーパーレス化実施のメリット>
・従業員の協力体制構築
事前にシステムやツールに慣れることで、新しい制度や働き方の変化への不安を軽減することができます。社内の理解を深めること、協力体制の構築にもつながります。
・生産性の向上
資料のデジタル化やデジタルツールを活用することで、データ管理や情報共有が円滑になります。紙の書類から目視で探す手間もなくなり、生産性の向上が期待できます。
・新しいシステムの効果的な導入
新しいシステムの導入は、組織全体の業務プロセスを見直す機会でもあり、最適なシステムの効果的な導入を図ることができます。
<コクヨのノウハウを活用!>
コクヨでは、書類削減やペーパーレス化のためのサポートを行っています。資料のデジタル化はただ書類の断捨離やスキャンをするだけでなく、文書の管理方法、サーバーやシステムの構築、そして運用ルールの策定など体系的な準備が必要です。
コクヨのサポートをぜひご活用ください。
【関連リンク】
・コクヨのファイリングコンサルティング
・コクヨのBPOサービス
【おすすめPDF資料】
・書類削減とペーパーレス化で働き方改革をSTEP UP!
会議、打合せ、1on1や面談、そして休憩や雑談など、オフィスではさまざまコミュニケーションが行われます。目的や狙いにあった空間や人の流れを作ることで、業務促進や効率化を図ることができます。
コクヨ梅田ライブオフィス
ソファー「OSFA(オスファ)」、テーブル「Region(リージョン)」、チェアー「pallo(パロ)」、「ingLIFE(イングライフ)」、ディスプレイツール「ディスプレイモバイル」、可動式パネル「fore moving panel(フォーレムービングパネル)」
<コミュニケーションスペース設置のメリット>
・コミュニケーションの活性化
多様な所属・属性の社員が交流できる場を設けることで、情報の共有や意見交換など、コミュニケーションの活性化を促します。
・業務効率化の促進
さまざまなコミュニケーションに気軽に使える場所があることで、意見交換や相談などが迅速にでき、課題解決の効率化やスピードアップが期待できます。
・新しいアイデアの創出
人が集まり、交流するスペースでは、ちょっとした会話や偶発的なコミュニケーションが生まれやすくなります。情報共有をしたり、新たな視点や発想、アイデアが浮かぶきっかけにもなります。
【おすすめコラム】
・【コクヨ事例】出社したくなるオフィスづくりと7つのワークシーン
・インフォーマルコミュニケーションが活性化するオフィスづくり
■オープンミーティングスペース
アイデア出しやミーティング、チームの連携を強化を促すオープンな空間。
アレンジしやすいキャスター付きの家具や周囲とゆるやかにつながる可動式の間仕切りが活躍します。
コクヨ名古屋ライブオフィス
テーブル「Any Table(エニーテーブル)」、ソファ・スツール「Any sofa(エニーソファ)」、
チェアー「Any(エニー)」
■カフェスペース
食事や休憩、リラックスした打ち合わせに最適なカフェのような雰囲気の空間。
執務もリラックスもできるよう、ワークラウンジのような雰囲気を作ります。
■マグネットスペース
人が集まる要素を活用することで、自然と人が集まる仕掛けをした空間。
目的や狙いに合わせ、休憩や雑談、業務の意見交換などさまざまなコミュニケーションの促進できます
。
コクヨ梅田ライブオフィス
さまざまな部署の人が利用する郵便物トレー近くにリフレッシュエリアを併設。
社内メンバーの交流や会話を促す
カウンター「big counter(ビッグカウンター)」、ハイスツール「hang like(ハングライク)」
コクヨでは、すぐに活用できるPDFのお役立ち資料を多数用意しています。
<コクヨのお役立ち情報>
■コクヨのノウハウがわかる資料
・お役立ち資料一覧
■コクヨのオフィス納入事例
・オフィス納入事例
コクヨがオフィスづくりをサポートしたオフィスや空間の事例をご紹介しています。
・コクヨのオフィス構築
オフィスリニューアルや移転など、オフィスや働く場の課題解決をサポートする、コクヨのサービスをご案内しています。
ここまで、パイロットオフィスについてご紹介しました。パイロットオフィスの進め方や事例など、より詳しい情報をPDF資料でダウンロードいただけます。
コクヨでは、最新のオフィスと働き方をご覧いただけるライブオフィス見学を実施しています。コクヨの社員が実際に働くオフィスで、さまざまな工夫や制度、レイアウトをご体験いただけます。
理想のオフィスを構築するのはもちろん、目指す働き方や運用の実現に向けてのコンサルティングなど、さまざまなご提案を行っています。オフィスに関する悩みは、ぜひコクヨにご相談ください。
■実際のコクヨオフィスをご見学
・コクヨライブオフィス(全国)
■オフィス家具のご見学
・ショールーム見学(東京・大阪)
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