働き方

働き方用語辞典「アルムナイ制度」

公開日:2025.8. 7

執筆:コクヨコラム編集部

#トレンド #人材採用 #働き方用語辞典 #制度

この記事をSNSでシェア
働き方用語辞典「アルムナイ制度」

アルムナイ制度

以前勤務していた人を再雇用する制度

「アルムナイ制度」とは、一度自社を退職した社員を再び雇用する採用制度のことです。「アルムナイ採用」や「出戻り制度」とも呼ばれます。「アルムナイ(alumni)」とは、本来卒業生や同窓生を指す言葉ですが、ビジネスにおいては、退職者やOB・OGを意味します。

アルムナイ制度は、退職者のコミュニティである「アルムナイネットワーク」を構築することで運用されます。主にSNSやウェブサイト、メールなどを活用し、企業から退職者への情報提供を行ったり、イベント開催などを行うことで、退職者と継続的に関係性を築き、再雇用につなげるのが特徴です。

■アルムナイ制度が注目される背景
・労働力不足・人材獲得のための対策
少子高齢化に伴い、人材不足が深刻化する中で、即戦力となるアルムナイ(退職者・OB・OG)の採用は効率的に優秀な人材を獲得することができる。

・転職・退職に対する考え方の変化
近年、終身雇用の概念が薄まったことで、雇用の流動化が顕著になっている。それに伴い、転職や退職をキャリアアップのための手段としてポジティブに捉える傾向にあり、一度退職した人を再雇用する企業が増えてきている。

・働き方の多様化
リモートワーク、フレックスタイム制、副業、フリーランス、ギグワークなど、ワークスタイルが多様化したことで、企業は何らかの事情で退職した人材を、各個人にあった雇用形態で再雇用する機会が増えた。

■アルムナイ制度のメリット
・ミスマッチの減少、即戦力人材の獲得
企業文化や業務内容などを理解した人を再雇用するため、採用のミスマッチを防ぐことができる。
また、適応が早くすぐに即戦力となるだけでなく、外部で習得したスキルや知識も相まって、生産性の向上が期待できる。

・採用や育成のコスト軽減
すでに構築しているアルムナイネットワークを通して直接声をかけたり、採用活動を行う場合が多く、求人にかかる費用を軽減することができる。また、新規採用に比べ、教育や研修にかかる費用や時間も抑えることができる。

・企業のブランディング強化
退職した社員が戻ってきたいと思う会社ということで、「働きやすい環境・良好な人間関係」などといった魅力的なイメージを構築し、ブランド力を高めることができる。

アルムナイ制度を導入する際には、採用のルールや条件を定め、既にいる社員が納得できるように周知することが大切です。アルムナイ制度で再雇用された社員が好待遇である場合、すでに在籍する社員の不満や嫉妬の要因となり、モチベーションが低下させる恐れがあります。アルムナイ制度の目的や重要性も併せて社内で理解を得ることで、アルムナイとの良好な関係を築き、円満に業務を進めることができるでしょう。

yougojiten_banner.jpg読むと誰かに話したくなる!
トレンドのキーワードと解説をまとめてPDFでダウンロードいただけます。

この記事をSNSでシェア
ページ
トップへ