<リアルなイベントも、配信もできるnote placeをご紹介します!>
こんにちは!GOOD WORK DAYS.編集部です。
私たちがお世話になっているnoteさんが、新スペース「note place」を発表!
コロナ禍にも関わらず、とてもポジティブなアクションを見せてくれたnoteさん、オンラインとオフラインの交差点のようなこのスペースですが、どんな考え方で作られたのか、どんなスペースなのか見学させていただきました。
-note placeは、どのようなコンセプトで作られたのですか?
徳力:noteはオンラインのサービスなので、リアルな場所をオープンするっていうと驚かれるケースも多いんですが、代表の加藤(貞顕)のなかでnoteは「クリエイターを支援するための仕組み」として一貫しているんですね。クリエイターっていうリアルな人間をサポートするためのプラットフォームで、単にオンラインのサービスっていう定義ではないんです。企業ミッションは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」なのですが、実は「続けられるようにする」っていうのがポイントで。
-わかります! 続けるのって大変ですよね!
徳力:続けられないのって、"出会い"がないからなんですよ。僕もブログを15年くらい書いてますけど、ほかのブロガーと出会ったり、読者の方に「読んでます」って勇気づけられたりすると、刺激を受けて続けられる。そういう意味で、加藤の中で「イベント」っていうのが重要なポジションなんです。以前も、オフィスに100人入るホールをつくって毎日のようにイベントをやっていましたし、"創作を続けるためにクリエイター同士の出会いが生まれる場所をつくりたい"というのがnoteの考えなんですよね。
徳力さんのブログ。ほぼ毎日更新で様々な情報を発信されています。
-ちなみに、企画はコロナ禍よりも前から動いていたんですか?
徳力:コロナより前からです。狙って作ったかのような感じですけど、最初からオンラインだけやる予定だったらこんなに大きなホールは要らないですし。もともと、社員が急増して、オフィスが手狭になったタイミングでちょうどこの場所(noteのすぐ隣のビル)が空いたので「よし腹をくくって投資しよう」と。本当は200人収容するつもりでしたから、椅子だって200脚あるんですよ、今は裏にしまってありますけど(笑)。
-会場もリアルに使えて、オンラインイベント用の配信設備も整ってるスペース、っていう、まさに今ほしいものがジャストなタイミングでできたって感じがあって。
徳力:不幸中の幸いだったのは、設備を全部決める前にコロナの傾向が見えたことですね。もともとはリアルのイベントがメインで、会場に来れない人のために配信する、というのを去年の秋頃から始めていて。「noteユーザーは全国にいるから、今後イベントするときは必ずオンラインでも配信しよう」って話していたところに、主従が逆転して...っていう感じですね。そこを切り替えるのにはなんとか間に合ったので、タイミングは悪くはなかったんです。
-オンライン配信の工夫や設備は?コロナになったからチューニングした部分もありますか?
徳力:一番わかりやすいのは、この天井カメラ。本当はここまで立派なものをつける予定はなかったんです。通常、カメラ設備のない会場でオンライン配信をやろうとすると、機材を持ち込んで、時間かけて設定して、回線状況に合わせて......ってやらなければいけない。ここでは、もちろんフロアカメラをつけたほうが見栄えは良くなるんですけど、カジュアルにやるんだったら天井カメラだけでも可能です。あとは速いネット回線、有線LAN、とかそういうのは当然ありますね。
-ほかのイベントスペースとの差別化でいうと、このキッチンもその1つだと思うんですが、どうしてキッチンを?
徳力:noteの人気クリエイターには料理家の方もたくさんいます。お料理イベントもやりたいし、noteが持つ多様性も示せるのではないかと考えました。そもそもnoteは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げています。自分自身で工夫をして生み出したものはすべて創作と広く捉えているので、「料理」は日常に取り入れやすい創作の1つなんですよね。今回のコロナ禍では、外出自粛のなかで唯一のエンタメが食事という方も多かったのではないでしょうか。
-本当にそうでしたね~。
徳力:noteって、エッセイ系の文章がメインって思われてる方も多いと思うんですけれども、料理系のカテゴリも充実しているんです。スープ作家の有賀薫さんが書籍を出されてメジャーになったりだとか。だから、料理カテゴリは多様性のシンボル的な立ち位置でもありますね。
-なるほど、多様性。
徳力:そこには実はすごい気配りをしてます。「noteってこういう記事を書く場所でしょ」って思われちゃうと多様性が薄まってしまうので、カテゴリディレクターって呼ばれる専門のスタッフを増やして、ゲームやスポーツなど「人気があるジャンルのコンテンツをどう増やしていくか」っていうのをそれぞれ模索していて。料理もその1つで、「セミナーだけではない」ことを表現するのに、一番わかりやすいのがキッチンだったんです。
-今、イベント自体が変わっていかなければならない部分もあると思うんですけど、配信とリアル、これからどんな風に運用していくお考えですか?
徳力:まさに今、配信番組とイベントとの違いはどこなのか? と個人的にも試行錯誤してるところで。オンライン配信の効率性を考えると「録画を流せばいいじゃん」って話になりやすいんですけど、代表の加藤は「それはダメだ」と言うんですよね。イベントは出会いがあってなんぼだと。なので今は配信に「noteライブ」と名付けて、双方向性を持たせるトライをしています。先日も『みなさんからの質問に答えます』って配信で、画面にツイート一覧を表示して、それをとにかく拾う。ツイートしてもらうことを重視する配信を実験的にやってみたんですよ。
-リアルタイムに特化してるから、SNSでの熱量も高まると。
徳力:いかに前のめりで観てもらうか。そのためにはコメントをもらう、質問に答える、名前を読み上げる......「今この瞬間、観ていることに意味がある」イベントにできるかどうか、なんですよね。会場で「ハイハイハイ!」って挙手して双方向でやりとり、っていうのにくらべれば薄いですし、僕らもまだ答えは見つけられていないんですけれど、加藤がいうところの「出会い」を生み出せるかというのは、すごく大事だと思います。
-note placeの可能性ってすごくいっぱいあると思うんですけど、例えば、音楽イベント、演劇......、その、どこまでOKですか?
徳力:あまり大きな音は難しいかな、というのは現実的にあります。ここを使った例としておもしろいのが『ぱっぷこーんとnote公演』。パップコーンさんっていう3人組のコント集団と映像のC-DASHさんが立ち上げた「ぱっぷこーんと」っていうコントプロジェクトがあって、新しい取り組みとしてnote placeを使ってコントをつくっていただいたんですよ。ライブではなくアーカイブ試聴なんですけど、noteの有料記事を購入すると観ることができます。(画面を見せて)ほら、このバーのコントとか、まさにここなんです。わかります?
-あ、本棚だ。ここじゃないですか!
徳力:ちょっと照明を暗くしてバーっぽく見せてますけど「ここnote placeやん!」みたいな。平林勇さんっていう映像監督の方が、あの手この手でそこらじゅう使ってコントをつくるトライをされて。我々には、こんな使い方は絶対に思いつかないですから。場所がリアルにあることで選択肢が広がるんだなってすごく感じたんですよね。
-クリエイターさん次第でいろんな活用のしかたがありそうですね。
徳力:はい。ありがちですけど、色々な使い方をしてもらいたいですね。僕もここは普通に200人いれてセミナーをやるハコだ、って思い込んでたんですけど、そうじゃない。本棚を背負うとテレビスタジオっぽくなったり、ブラインドを開けると木漏れ日が入ったり、セミナーにはまったく関係ない部分が「いいね、使えるね」って、いわゆる『貸し会議室』とは一線を画した使い方が思っている以上にある。そう考えると、イベントの定義も広げなくてはいけないですし、我々も日々、クリエイターの方々と一緒に学ばせていただいてます。
-走り出したばかりだけど、可能性は無限というか。
徳力:そうありたいです(笑)。できるだけ幅広いテーマのイベントをやりたいですし、「こういう使い方できないの?」「これってありですか?」というのは是非ご相談いただきたい。それで、将来的には、クリエイターの人がふらっとやってきて、ほかのクリエイターに出会う...「note place」は交差点的なイメージをもって名付けたので、そういう場所になれればいいですね。
-会社・オフィスの在り方をどんな風に考えていますか? コロナ禍で大きく変わっていくと思いますし、どうなっていくのか...。
徳力:「フルリモートでオフィスをなくそう」なんて意見も目立ってますけど、僕はコロナによって「不要不急と3密があるから人生は豊かだ」ってことが明らかになったと思っていて。デジタル技術が進化したからこそ、じゃあリアルのコミュニケーションをどう使うか、っていうのがビジネスにおいて重要になると思うんですよ。今、リアルの価値ってめちゃめちゃ上がってる気がしません?
-たしかに、こうやって取材でお会いできるのもうれしいですし。
徳力:これってとっても贅沢な時間ですよね! 僕も楽しいですもん(笑)。やっぱり、人間は相手の顔を見て喋る生き物ですよ。「オフィスをなくしてコストダウン! みんな自宅で!」っていうと、今はまだこれまでの貯金でコミュニケーションできるかもしれないけど、どんどん大切なものが抜け落ちていくって感覚はあると思うんですよね。だから「出社してもしなくてもいい」ってときに出社したくなるようなオフィスを、これからの経営者は真剣に考えないといけないんじゃないですかね。
-徳力さんにとって仕事とはどんな存在ですか?
徳力:人生、っていうと格好つけた感じになるんですけど、noteの仕事は、今の僕にとってライフワークというか、恩返しのつもりなんです。僕自身ブログがなかったら確実に路頭に迷っていたはずで。この15年、自分みたいにブログやインターネットに救われる人が増えてほしい、という思いでやってきて。で、巡り巡って、noteというプラットフォームは、15年前に僕が味わったあの感覚を、みんなにも感じてもらえるものだ、と感じて。だから自分にとってここでの仕事は、人生第2ラウンドの恩返し、ですね。
ーでは最後に、徳力さん個人にとってオフィスとは?
徳力:自粛期間中、家で仕事をするのは楽でしたし、家族との時間も増えたし、ありっちゃありだったんですけど......やっぱり僕は仕事人間なので、すーごい寂しくなっちゃって。「オフィスに来ることでスイッチが入ってるんだ」って気づきました。昭和のサラリーマンだから、っていうのもあるかもしれないですけど、そういうタイプの人間なんだなって改めて感じて。だから、オフィスは必ずあって欲しいなと思います。
-今日はありがとうございました!
note placeさん、コロナ禍にも関わらずとってもポジティブに方向転換するその姿勢こそが、クリエイターに道を示してくれているようでした。これからもこの新しい場所で、たくさんの出会い・創作が生まれることを予感させてくれました。皆さまもぜひ、オンライン・オフラインでnote placeさんに期待してくださいね!
(おわり)
※note placeの内装設計担当:株式会社SIGNAL