<オフィスに香りを導入したい。立ちはだかるハードルを越えるには?>
こんにちは!GOOD WORK DAYS. 編集部です。
前回に続き、アットアロマさんに「オフィスと香り」についてお話を伺うインタビュー第二弾。今回は実際に香りを体験しながら、オフィスに香りを導入するポイントなどを伺っていきます。
【目次】
ーところで、今日お伺いしているこちらの場所って、アットアロマさんの直営ショップなんですよね?
武石:はい。もともとはホテルやショップさん向けのBtoBで始まった会社ですが、そのなかでお客様から「この香りはどこで買えるの?」といったお問合せをいただくことが多かったことから、2013年にブランドショップを立ち上げました。
ーお店の奥が、ラボみたいな雰囲気ですね。ここでアットアロマさんのオリジナルのブレンダー機を使って、いろいろと香りを試せるんですね。
武石:そうなんです。15種類のオイルからお好みの「香り」と「配合」を選択して、その場でブレンドした香りを体感しながら調整して、オリジナルアロマをお作りするサービスです。
武石:では、好きな香りは何ですか?
ーえっと、柑橘系の香りが好きです。
武石:それでしたら、ライムとレモンとユーカリで...(ポチポチ) 、リフレッシュ感のあるブレンドはいかがですか?
ーおお!パッと目が覚める感じがします!仕事を始める前によさそう。
村上:こうやって、その場ですぐに香りをブレンドして試していただけるので、オフィスへの導入を持ち帰って検討されることもあります。
ーなるほど、ショールーム的な役割も兼ねているんですね。
ーとはいえ、香りってやっぱり目に見えないので、オフィスに導入したくても、上司や周囲の理解を得づらいというツラさがあると思うんです。
村上さん:そうですね。まずオフィスの場合、「なぜ香りを導入するのか」を周囲に理解してもらうところから始めるといいと思います。
そのためには機能面のメリットからアプローチすることが最適で、今時期でしたら抗菌作用が期待できる香りなどを検討されてみてはいかがでしょうか。アロマにそういう機能があることを知らない方って、意外と多いんですよ。
その次に、晴れてアロマを導入しましょうとなったら、最初はエントランスなどから取り入れることをオススメします。人の動きがある場所なので空気が滞留しませんし、通りがかったときに「いい香りがするな」というさりげない状態からスタートするのが自然でいいと思います。
そうして香りが身近にある状態に慣れてきたら、執務スペースや休憩室など、ある程度人が滞在する広い空間にも導入というように、段階を踏むといいかもしれません。
ー香りという個人的好みが分かれやすいものを、オフィスという公共空間に取り入れる際に気を付けるポイントってあるのでしょうか。たとえば、アロマ初心者が取り入れやすい香りや、万人受けする香りから試すとか?
村上:基本的には天然の植物の香りなので、どんな香りでも抵抗なく取り入れていただけると思います。海外だと香りを強く出す演出をするのですが、日本の場合は控えめに、さりげなく香りでおもてなしするといいますか。
まずは心地よい香り空間を維持することがポイントかなと思っています。
また、同じフロアで違うアロマを使用すると、香りが混ざってしまうことを懸念されるかもしれませんが、自然界にあるもの同士なので、多少混ざっても変な香りになることはまずないと思います。そこは安心して使っていただければと。
武石:たとえば森の中にいて、葉っぱや土とかいろんな香りをずっと嗅いでいても、不快になる方ってあまりいらっしゃらないですよね。そこは自然の香りならではだと思います。
ー休憩室とかは、食べ物とアロマのバランスが難しそうですね。カレーのニオイと混ざってしまって、「うっ...」となることはありませんか?
村上:そういった場合は、ランチタイムは香りを止めたり、あるいは食後に消臭効果のある香りを出したりと、調整いただくといいと思います。
ーアットアロマさんにご相談する際は、こんな香りにしたいとか、ある程度イメージがあったほうがいいですか?
村上:企業様によってさまざまですが、「何も分からないので教えてください」とおっしゃっていただくことが多いです。なのでやはり、まずはどういう目的で導入されたいのか、場所は執務スペースなのか休憩室なのか、社員の方の男女比といったその場を利用される方について教えていただければ、オススメの香りをご提案します。
あとはメンテナンスとして、導入後も毎月お伺いして、香りや空調の変化を意識しながら、季節ごとにオススメの香りをご提案しています。
ーアットアロマさんのイチオシの香りを教えてください。
武石:弊社のアイテムですと、「C10 CLEAR TEA TREE(クリアーティートリー)」がオススメです。どうぞ、試してみてください。
ーあ、いい香り。爽やかでスッキリしているけど、穏やかで落ち着く感じがします。
武石:新製品なのですが、ティートリー、ユーカリ、クローブなど清潔感のある香りが特徴です。さきほど村上がオススメしたように、抗ウイルス・抗菌作用が期待できるブレンドになっています。
新しい香りはニーズがあればスピーディにお作りします。こちらも感染症対策への意識が高まったことを受けて、環境面とメンタル面をケアできる香りとして、2か月ほどで完成しました。
ーちなみにこの時期、自宅のワークスペースの快適性にこだわる人も多いと思います。在宅ワーク中に香りを上手に取り入れるコツを教えてください。
武石:香りの選び方からお話しすると、朝はローズマリーやレモンなど、シャキッとした香り、夜はラベンダーなど鎮静作用のある香りなど、香りで気持ちのオンオフを図るといいと思います。
ディフューザーがなくても、ティッシュやお湯を張ったマグカップにアロマオイルを数滴垂らすだけでも香りは広がるので、ぜひ試してみてください。
アロマミストを作って、マスクにシュッと吹きかけるのもオススメですよ。
ー最後に、みなさんにお伺いしているのですが、お二人にとって仕事やオフィスってどういうものですか?
武石:私はもともとIT企業に勤めていたのですが、仕事は一日の大半を占めるもの。せっかく働くなら好きなことを仕事にしたいと思い、ずっと好きだったアロマの世界に転職しました。
香りを好きになったきっかけは香水なのですが、香りによって気分が変わることが面白いなと思っていたんですね。空間ごと香りでデザインするこの仕事は、一気にたくさんの人の気持ちを変えられる。そのマーケティング要素に興味を持ったんです。いまは広報担当として、アロマの面白さをたくさんの人に伝えていきたいですね。
村上:私もアロマや香りが好きで、学生のときには香りのマーケティングについて勉強もしていました。アットアロマのことを知ったのもその頃です。私も営業担当として、アロマの魅力を広く伝えていきたいと思っています。
-安直かもしれませんが、アットアロマさんのオフィスって、いい香りがしそうですよね...。
武石:会社の方針として、新しい香りなどはまずは自分たちで体験しようというところから始まるので、オフィスには常に香りがありますね(笑)。そういう意味では、好きなことを仕事にしているので、仕事とプライベートの差がないかもしれません。
ーリモートワークを経てみて、お仕事の仕方や意識に変化はありましたか?
武石:私個人としては、その日の業務に合わせてオフィスワークとリモートワークを使い分けるのがいいかなと思っています。香りって、リモートが難しいんですよね。私は弊社が運営するアロマスクールの講師も担当しているのですが、オンラインレッスンの際はいろいろと工夫が必要でした。香りは話すだけでは伝わらないので。営業担当の仕事はとくにそうでしょう?
村上:そうですね、まずはお客様に香りを試していただかないと、その先のお話ができないので(笑)。
武石:香りにはメンタルヘルスを保持するとか、空気環境を整える効能が期待できます。今後、「香りがあるから安心して会社に行ける」みたいな、オフィスに香りがあることが普通になったらいいなと思います。
そのうえで、リモートワークの社員がオフィスと同じアロマを自宅でも使って、「離れているけど一緒に働いている」みたいな体験を作っていけたら、面白いかもしれないですね。
いかがでしたか?
2回にわたりアットアロマさんにお話を伺いましたが、つくづく香りは空間共有の最たるものだなと実感しました。音楽などと違って、その場にいないと体験しづらいんですよね。
だからこそ、「一つの空間に集まること」がある意味スペシャルになっていくこれからの時代、より空間の心地よさが重要になっていくはずで。オフィスに香りが当たり前にある日も近いのではないでしょうか。
ちなみに取材期間中、編集部の男性メンバーがアロマに初挑戦したんです。とくにランチ後の気分の切り替えにぴったりで、いまではすっかり手放せなくなったとのこと!
今回は、アットアロマさんの素敵な香りに包まれるような記事を目指しました(笑)。いつの日かオンラインでも香りを楽しめるようになるもしれませんが、いまのところは、お近くのアットアロマさんの店舗やオンラインストアで香りを体験してみてくださいね。
(おわり)