新型コロナウィルス(COVID-19)への緊急対応策実態

【2021年版】コロナ禍における中央省庁・地方自治体の働き方に関する調査報告
(概要)

新型コロナウイルスの感染再拡大により、2021年1月8日に11都道府県を対象に2度目の緊急事態宣言が発令されました。中央省庁及び地方自治体それぞれの組織では、昨年からの緊急対応業務が続く中、更なる対応が問われることとなりました。
コクヨは今回、2度目の緊急事態宣言対象地域である11都府県の中央省庁・自治体職員に対し、働き方に関する調査を実施。1年前の調査結果と比較し見えてきた傾向や変化を、中央省庁・地方自治体におけるこれからの働き方や働く場を考えるひとつの手がかりとすべく、調査報告の概要版を公開いたします。

調査概要
実施時期 2021年2月22日 〜 2月24日
実施方法 2度目の緊急事態宣言が発令された11都府県の国家公務員・地方公務員を対象に、
働き方に関する調査をWEBアンケートで実施
回答者数 622名(内訳:国家公務員208名、地方公務員414名)
【2度目の緊急事態宣言下における勤務制度・利用実態】
多様な働き方の選択肢が広がった一方、実際の利用率は低下
■図1 緊急事態宣言下で利用できた制度及び利用率
■図1 緊急事態宣言下で利用できた制度及び利用率

・利用できた制度としては「時差勤務」が最も多く、
次に「終日在宅」「部分在宅」「サテライトオフィス
勤務」が続く

・1度目の緊急事態宣言時と制度の導入率を比較すると、「終日在宅」が減少した一方で「時差勤務」
「部分在宅」などが微増

・制度の利用率では「終日在宅」1度目の導入率を18%上回っている一方で、それ以外では1度目同様または
1度目を下回る導入率に

勤務制度の整備状況を見ると、「部分在宅」「サテライトオフィス勤務」等の制度の導入率が1度目の緊急事態宣言時より増加しており、働き方の選択肢が広がりつつあるといえるでしょう。一方で、制度の利用率は1度目の緊急事態宣言時よりも全体的に減少しています。半ば強制的にテレワークをせざるを得なかった1度目に比べ、今回は各組織で状況に応じて働き方が選択された結果が表れていると考えられます。尚、今回テレワークが利用率が非常に少なかったことから、ICTなどのインフラ整備や職員の意識醸成における課題感が依然として大きいことが推測されます。

【テレワークの課題】
登庁した方が行いやすいと感じた業務「上司、他部署との報連相」が上位に
■図2 テレワーク利用者が登庁した方が行いやすいと感じた業務
■図2 テレワーク利用者が登庁した方が行いやすいと感じた業務

・「上司、他部署との報連相」が「機密情報を扱う
業務」を超えて上位に

・「部下や省庁外関係者との報告・連絡・相談」に
課題を感じる人も多い

テレワークを経験して、「登庁した方が行いやすいと感じた業務」にコミュニケーション関連の業務を挙げる人が多く、セキュリティーに関する項目を大きく上回る結果となりました。従来からテレワークへの懸念点として「セキュリティ対策」「機密情報を扱う業務への対応」等の声は良く聞こえてきましたが、それ以上に「部門内、他部署、省庁外とのコミュニケーション」の回答率が高い点は注目すべき結果です。
テレワークでは従来の対面主義や紙文化を前提とした働き方とは異なり、直接相手の状況や様子を把握しながら対話することが出来ないため、コミュニケーションのとり方にも工夫が必要となります。また、テレワーク時の困り事として、携帯が支給されておらず他部署の人との連絡手段がない、WEB会議システムで職員1人1人にアカウントが整備されていない、などツール整備が充分でない実態も聞かれます。こうした背景が、テレワーク時のスムーズなコミュニケーションの障壁として今回の結果に表れていると考えられます。

【テレワークのメリット】
「感染リスクを下げる」よりも「時間の有効活用」「電話対応しなくてよい」が上位に
■図3 利用者が感じるテレワークのメリット
■図3 利用者が感じるテレワークのメリット

・約5割が「通勤時間が減り、仕事や自己啓発の時間を
確保できる」と時間的効率性をメリットとして挙げて
いる

・「気分を変えながら業務ができる」「集中できる」
などウェルビーイングの観点でテレワークの良さを
感じている人も

この結果から、コロナ禍の感染拡大防止策として導入・利用が開始されたテレワークですが、感染リスクを下げられるという安全性の確保以上に、利用した人は時間的効率性やウェルビーイングの点で大きなメリットを感じていることが明らかになりました。
では、こうしたメリットはテレワークを活用しないと享受できないのでしょうか?実は庁舎オフィスにおいても、執務環境の改善を通して、職員が求める時間的効率性やウェルビーイングを実現することはできると考えます。サテライトオフィスの導入や、一定時間を個人業務に集中できるスペースを設定する、なども1つの方法です。テレワークの実践を通して得た気づきを庁舎オフィスの環境改善に活かし、業務効率性や職員の働きやすさを更に高めていけると良いのではないでしょうか。

【テレワークの活用・定着予測】
働き方を変える必要性あり、但し業務特性により変化度は異なる
■図4
■図5
■図4 全体の約9割が「コロナ禍の経験を踏まえ、今までの働き方や意識を変える必要性を感じた」と回答
全体的に高く、部門別では窓口部門が事業・管理部門を上回る
■図5 今後、平時からテレワークを積極活用すべきか

・住民対応が少ない管理部門・事業部門は65%が「積極活用すべき」と回答

・住民対応が必要な窓口部門も55%が「積極活用すべき」と回答

コロナ禍の経験を踏まえ、「これまでの働き方を変える必要性がある」と感じている割合は約9割と非常に高くなっています。また、管理部門・事業部門だけでなく、従来テレワークが活用し難いとされてきた窓口部門でも「平時から積極的にテレワークを活用するべき」との回答が半数を超えています。コロナ禍をきっかけに社会の大きな意識変化が起こった今、官公庁においても、ICTなどのインフラ・制度の整備や意識醸成に加え、各部門の業務特性に合わせた働き方や働く場づくりが不可欠となっています。まず小さな試行から始めて、成功体験やノウハウをため、段階的に庁内の環境整備を進めていくことが将来へ向けた確実な第一歩となります。
また、日常からテレワークを含む柔軟な働き方ができることに加え、庁舎オフィスをフェーズフリー*視点で多用途・多目的に活用・転換できるようにしておくことで、非常時にも円滑に対応でき、BCP対応力を高めることにもつながるでしょう。ニューノーマルな働き方の実現策は、テレワークを併用するハイブリッドなワークスタイルと、庁舎オフィスにおける柔軟な働き方を目指すワークスタイル、組織の業務特性に応じて、これから先の変化に適応・進化すべく新しい働き方を考えていくことが重要です。

(作成/コクヨ)

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