こんにちは! GOOD WORK DAYS.編集部です。今回は、現在開催中の「2022 コクヨフェア」で新商品をお披露目している『wall shelf』をご紹介します!
『wall shelf』は、2016年の「DAYS OFFICE」初期からあるラインナップの一つで、シェルフで空間を構成できることが特長。これまでたくさんのお客様に導入いただいてきましたが、そのなかで、新たな課題やニーズが見えてきました。
そこで今回は、新商品の開発に携わった2名のメンバーにインタビューを実施。企画を担当した森田と開発を担当した靍﨑(つるさき)に、商品のこだわりや苦労点などなど、開発の裏話を伺いました。フェア会場の様子とともにお楽しみください!
プロフィール左)企画担当 森田 進一:ファニチャー事業部 ものづくり本部 右)開発担当 靍﨑 健太郎:ファニチャー事業部 ものづくり本部
【目次】
ー早速ですが、改めて『wall shelf』シリーズの特長を教えてください。
森田 一言でいうと、シェルフで空間を仕切れることです。従来のオフィスでは、空間を仕切る場合は壁や間仕切り、あるいは衝立のようなローパーティションを用いることがほとんどでした。
ー壁やパーティションで仕切るのとは、どんなところに違いがあるのでしょうか。
森田 壁は床から天井まで塞ぐためクローズドな空間になり、圧迫感も出てしまいます。一方、パーティションはコーナーをつくることはできても、広い空間を仕切るにはあまり適していません。シェルフなら、抜け感を保ちながら空間を構成することができるんです。
靍﨑 2016年以前、オフィスに求められる新価値のリサーチに参加して、「部門を越えたコミュニケーション」を起こすことがこれからのオフィスのあり方として重要なことが分かり、それが「DAYSOFFICE」の開発につながりました。家具としては、「向こうの様子が見える」ことがコミュニケーションを活性化するためのポイントとなっています。ですので、このシェルフもその点を意識してデザインしました。
ー今回のバリエーション拡充には、どんな狙いがあったのですか?靍﨑 シリーズの立ち上げ以来、『wall shelf』を導入されたお客様から、「シェルフで空間をつくれるのは面白いけど、中に何を入れたらいいの?」というお声をいただくことが多かったんです。
森田 そのニーズに応えるために、マガジンスタンドやブックスタンド、タブレットスタンドなど、書籍や小物をディスプレイできるオプションアイテムを追加しました。
靍﨑 さらに、「こもり空間」のニーズも徐々に増えてきたことも、バリエーション追加のきっかけになりました。もともと「DAYS OFFICE」が大切にしてきたことって、「オープンな空間に自然と人が集まり、コミュニケーションを発生させる」という仕掛けなんですね。だから個室的な機能を求めるお客様のニーズには応えきれていなかったんです。
ーちょっとオープンすぎる、と。靍﨑 そうです。じゃあこれをどう解決しようかと検討していた際に、「‟シェルフの中で過ごす"ことにフォーカスし、シェルフに新しい機能を追加する」というアイデアを、森田さんが出してくれたんですよね。
森田 はい。ちょうどその頃、オフィスや商業施設などで、シェルフと機能棚、ソファなど組み合わせて空間構成している事例がいろいろと目に付くようになったんです。そうした世の中の動きもあり、シェルフとシェルフの間にキッチンやテーブル、ソファを組み込むことで、ミーティングやリフレッシュといったさまざまな過ごし方や、セミクローズな空間づくりができるのではないかと考えました。
ー今回追加になったバリエーションと、オススメの使用シーンを教えてください。
森田 まず、「ソファタイプ(A)」を使用したミーティングシーンです。ソファタイプを設置し、ミーティングのエキストラベンチとして活用できます。また。ミーティング参加者の荷物置きとしても便利です。
森田 次に、「ハイテーブルタイプ(B)」「キッチンタイプ(C)「ソファタイプ(D)」で構成したリフレッシュシーン。シェルフの中にコーヒーコーナーなどリフレッシュで使う機能を内包させることで、効率的に空間を仕切りながら、リラックスできるスペースをつくれます。
森田 最後は、シェルフとシェルフの間に「テーブルタイプ(E)」をセッティングすることで、ソロワーク用のブースがつくれます。座り姿勢の状態で目線の高さまで隠すことで、抜け感を持たせながら、ちょっとこもれる空間になります。
森田 さらに今回は「コーナータイプ」を追加したことで、ジョイント部分も無理なくプランできるようになったことも特長ですね。
ーほかにもバリエーションの案はあったのですか?
靍﨑 自販機を入れ込めるカバ―タイプや、ボックスで向かい合ってミーティングできるブースなど、アイデアはたくさんありましたね。企画担当と開発担当で議論を重ねて、最終的に6タイプを採用しました。またそれら異質な機能をシェルフとどう合体させるかがデザインのポイントでした。当初は、シェルフ自体の形も変更してしまうゼロベースの案から検討したんです。そのなかでもやはり今お客様に受け入れていただいている既存シェルフを活かしながら、デザインをまとめていく方向を模索しました。
ー開発のこだわりや、苦労された点を教えてください。靍﨑 一番苦労したのは、「オープン」と「クローズ」のバランスです。必要なのは、シェルフの中にいるワーカーが物理的にも心理的にも心地よく作業ができて、かつシェルフ内外でのコミュニケーションも取りやすい絶妙な遮蔽感。それをかなえるために、どんなバランスで視界のコントロールをしていくか。森田さんとかなり話し合いました。
靍﨑 そこで、「さえぎる」のではなく「視線をカットする」ということを提案しました。当たり前のようですが、たとえば他の人からの視線が気にならないギリギリの高さを試作で検証したり、ハイテーブルタイプでは幕板を浮かせたデザインにすることで、脚元に抜けをつくり軽快感を与えながら、作業スペースは外から見えないようにするなど、「DAYS OFFICE」の持つ「抜け感」を大切にしながらも、ユーザーがストレスなく作業できる環境を形作っていきました。
森田 キッチンタイプならコーヒーメーカーなど雑多なものを隠せるよう卓上ブースをオプションにしたり、ダストワゴンが外から見えないように幕板を床までの設計にしたりと、「必要なところだけ隠す」ということを意識しました。それに加えて、開発段階では「こもり感」を意識しすぎたあまり本体に厚みが出て、閉塞感のある重たい印象になってしまったんです。やはり「DAYS OFFICE」の従来のイメージを損なわないよう、「抜け感」を確保するための工夫もかなり施しました。
靍﨑 プロダクトデザインの観点では、シェルフ同士を並べたときに‟箱が並んでいる"ような印象にならないよう、いかに全体として一つに見せるか、といったディティールにこだわりました。そもそもシェルフは安定性を確保するためにベース部の奥行きが大きくなっており、形状的に新規のアイテムと合わせるのが難しかったんです。細かいことですが、一体感を出すために、ボックスタイプの上部は、棚板と連続して見えるように、補強部分が一段落ちた設定になっていたりします。
森田 総じて、試作は相当行ったよね。靍﨑 そうですね(笑)。この試行錯誤は、開発担当としては結構面白かったです。
ー『wall shelf』はDAYSのメインとなる「BOUNDARY(バウンダリー)シリーズ」の一つですが、そもそも「BOUNDARY」って、一言で言うと...?
森田 家具と建築の中間といいますか、天井や床などの内装工事が不要で、本当に‟置くだけ"で空間の印象をガラッと変えることができます。
森田 電源などのインフラも考慮している点も特長で、この『wall shelf』も、「見せたくない配線」を隠すため、側板内に配線構造を仕込んでいます。机上も、脚元空間も、スッキリと使っていただくことができますよ。
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ーお二人は、仕事やオフィスについて、どのように感じていますか?
靍﨑 入社から3年間は対象こそオフィスではありませんでしたが、空間設計を経験し、それ以降はファニチャー事業部で製品開発に携わってきました。「DAYS OFFICE」は、空間とプロダクト両方の視点をもって製品開発ができるところに面白みを感じています。「仕事」を「WORK=活動」と言い換えた方がいいのかもしれませんが、コロナ禍を経て、必ずしも「会社での仕事」「家でのプライベート」だけで生活が成り立っているわけではなく、広くは、デザインに関する個人的活動や発信など、自分自身がどう動くかも含めて、自分にとってのWORKなのだと感じるようになってきました。開発中の試作品の確認や検証などは、もちろんオフィスに出社しないとできないことですが、それ以上に、仲間との情報交換やディスカッション、アイデアのブラッシュアップなど、オフィスは、1人ではできないことをする大切な場だと感じています。
森田 入社以来、空間設計やプロダクト、R&Dなどいくつかの部門を経て、一時期は会社の研修制度を活用して海外にも行き、現在に至ります。なんとなく、「クリエイティブなことをしたい」という気持ちを持っていて、自然と、すこしでも、その要望が叶うようにいろいろ移行していているように思います。オフィスとは...?うーん。僕は1991年入社なのですが、その当時といまとでオフィスのあり方は大きく変わっていますし、これからも、どんどん変わっていくと思います。これから、どんどん楽しく活動できる場になっていくようになればイイですね。僕も、そんな楽しい場の提案をしていけたらいいなーと思います。
いかがでしたでしょうか? 今回は、本コラム初の開発者インタビューをお届けしました。「シェルフで仕切る」という新しい方法で空間構成できる『wall shelf』。実物は、「2022 コクヨフェア」にて各ラインナップをご紹介しています! ぜひ見に来てくださいね!
(おわり)
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