新型コロナウィルス(COVID-19)への緊急対応策実態

コロナ禍における中央省庁・地方自治体の働き方に関する調査報告(概要)

日本での新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大を受け、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されました。そして中央省庁及び地方自治体それぞれの組織では、来庁者や職員の感染拡大防止策が次々と実行に移されました。しかし、従来の登庁を前提とした業務スタイルに加え、新型コロナウィルスに関連する業務が新たに発生したことによって、職員の働き方に多くの混乱と課題が生じたことは想像に難くありません。コクヨは今回、中央省庁と地方自治体における緊急事態宣言中の緊急対応策や働き方の実態に関する調査を実施しました。この度の突発的な働き方の変化を通じて得た様々な気づきを、中央省庁と地方自治体におけるこれからの働き方や働く場を考えるひとつの手がかりとすべく、調査報告の概要版を公開いたします。

調査概要
実施時期 5月18日 〜 5月21日
実施方法 中央省庁勤務の国家公務員・全国の地方公務員にむけて、働き方に関する調査をウェブアンケートで実施
回答者数 622名(内訳:国家公務員207名、地方公務員415名)
【緊急事態宣言中の働き方】約7割が「在宅勤務」を導入、利用頻度は地方自治体で「週2回以下」が7割 ■ 緊急事態宣言発令中に組織が採用した制度・ICT関連の施策(図1)

・「緊急事態宣言発令中に組織が採用した制度・ICT関連の施策」では「在宅勤務」が約7割と最も多く、また実際の活用率も8割以上

・「時差出勤」「シフト勤務」も多く採用されている

■ 在宅勤務の利用頻度(図2)

・在宅勤務の利用頻度では、地方自治体の事業・管理部門で7割以上、窓口部門では8割以上が「週2回以下」と回答
・中央省庁では「週3日以上」という回答が約5割と、地方自治体に比べ在宅勤務の利用頻度は高い

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多くの組織が在宅勤務を導入し、かつ時差出勤やシフト勤務と併用していたということが分かりました。併用の背景には相談業務をはじめとした業務特性の他、情報セキュリティ(非電子化/書類の持ち出し禁止)、ICTツールの未整備といった課題があったと考えられます。

【緊急事態宣言解除後の働き方】在宅勤務の導入率は逆戻り傾向に ■ 導入率変化(図3)

・在宅勤務の導入率を「コロナ感染拡大前」「緊急事態宣言中の導入率」「緊急事態宣言解除後も継続される見通し」という3つの段階で比較すると、全体平均で69%の導入率があった緊急事態宣言中に対し、宣言解除後では40%減の29%と大幅低下

・中央省庁と地方自治体で各段階の数値に差はみられるものの、いずれも緊急事態宣言中の導入率が緊急事態宣言解除後も維持される、という結果にはならず

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導入率の変化が示すことは、緊急事態宣言後に在宅勤務を急ぎ導入した組織のほとんどが、緊急事態宣言解除後は在宅勤務を継続しない方針であるということです。これは業務特性に加え、図4で示されているような「紙資料」「ネットワーク環境」「ICTツールの運用」といった現状の業務スタイルに起因する課題が背景にあると考えられます。 民間企業の中には、緊急事態宣言解除後に在宅勤務を中心とした働き方へのシフトを表明している企業も出てきていますが、中央省庁や地方自治体の多くの組織ではそうした働き方へ向かうまでの準備期間がまだしばらく必要であり、庁舎での業務も継続されるでしょう。従って、新型コロナウィルスの再流行による再度の緊急事態宣言に備えるには、在宅勤務における環境整備の視点と庁舎における業務継続の視点を平行して検討していくべきであると考えます。

【突発的な在宅勤務から見えたメリットと課題】最多回答は感染リスクへの安心感 ・利用者が感じた在宅勤務のメリット1位は「感染リスクを下げられる」。
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まず、「利用者が感じた在宅勤務のメリット」として「感染リスクを下げられる」を挙げる人が多かったことから、いわゆる"3密(密閉・密集・密接)"状態が起きやすい庁舎で業務を行うことに対して、多くの職員が不安を感じていたことが分かりました。その他には業務中の気分転換、適切な休息、集中環境の確保などもメリットとして挙がりました。こうした行動や環境が効率的・創造的な働き方につながるのであれば、今後庁舎の執務環境を考える上でも参考になるのではないでしょうか。

【在宅勤務への期待とこれからの働き方】9割弱が「働き方や意識変革の必要性を感じる」 ・全体の68%が「在宅勤務を継続して活用していきたい」と回答
・全体の87%が「コロナショックの経験を踏まえ、今までの働き方や意識を変える必要性を感じた」と回答

この2つの結果から見えてきたことは、今回の突発的な働き方の変化は在宅勤務の継続的活用において様々な課題を浮き彫りにした一方、職員はそれを上回る多くのメリットや可能性を感じていたということです。加えて、時代や世の中の変化に合わせて働き方や意識をアップデートしていく必要性についても、職員一人ひとりが強く感じ取ったのだと言えるでしょう。

(作成/コクヨ)

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