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サステナブルなオフィスを作るには?-家具選び、空間づくりのヒント-

公開日:2026.6. 1

執筆:コクヨコラム編集部

#インクルーシブデザイン #サステナブル

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サステナブルなオフィスを作るには?-家具選び、空間づくりのヒント-

近年、世界的な経済・社会の急激な変化を背景に、企業はサステナブルな経営への取り組みをさまざまなステークホルダーから強く求められるようになりました。

企業の持続可能性を支える要素の1つに「人的資本」、つまり従業員の存在があります。私たちコクヨは、従業員が長い時間を過ごすオフィスという場は、企業の人的資本に大きな影響を与えると考え、注目しています。

企業の持続可能性を高め、企業価値を向上するためには、「サステナブルなオフィスづくり」がひとつのカギになるかもしれません。この記事では、サステナブルなオフィスの考え方や作り方について、詳しく解説していきます。

こちらの資料では、サステナブルなオフィスづくりの考え方や、さまざまな企業事例をご紹介しています。

1.サステナブルなオフィスとは?

1.サステナブルなオフィスとは?

サステナブルなオフィスとは、企業と社会の持続可能性に配慮したオフィスのことを指します。

サステナブルとは、持続可能な状態をあらわす形容動詞です。もともとは地球環境への配慮という意味合いが強かった言葉ですが、近年はより広い意味でとらえられるようになりました。国連が2015年に採択した「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」通称SDGsでは、前文で「誰一人取り残さない」ことが誓われ、健康と福祉、働きがい、格差の是正など幅広いテーマが17の目標に含まれています。

こういった背景から、サステナブルなオフィスとは、構築から運用において地球環境への配慮があるだけではなく、社会全体の幸福、働く人のウェルビーイングなど、さまざまな要素に配慮されたオフィスだと言えるでしょう。

サステナブルな経営が注目されている背景

企業にサステナブルな経営が求められる背景には、いくつかの内的・外的な要因があります。

内的な要因として挙げられるのは、気候変動などの影響による企業自体の意識変化です。ビジネスはすべて地球環境や社会の上に成り立っているため、それらが持続可能なものでなければ、ビジネスの継続も企業の発展もありえません。

外的な要因は、さまざまなステークホルダーからの要求です。世界中の主要な機関投資家は企業への投資判断において、ESG「環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」を重視しています。また、消費者や働く人の意識も変化し、商品やサービスの購入、就職先などを選択する際に、企業のサステナビリティを重視する人が増えています。

2020年8月に経済産業省が発行した「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」では「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」が提唱され、一般的にも認知されるようになりました。2023年3月期からは、有価証券報告書でサステナビリティに関連する項目を含む「非財務情報」の開示が義務付けられ、企業におけるサステナビリティへの取り組みは待ったなしの状況です。

企業によるサステナビリティへの取り組みは、かつては社会貢献やイメージ戦略といった文脈でとらえられ、「コスト」とみなされがちでした。しかし現在は、企業が生き残るために戦略的に取り組むべきこととして、経営による優先順位が高まってきています。

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サステナブルな経営におけるオフィスの重要性

サステナブルな経営におけるオフィスの重要性

サステナブルなオフィスづくりは、有価証券報告書で公開を求められている非財務情報と密接に関係しています。

非財務情報の中でも、とくに企業の成長に影響が高いと言われ、投資家の注目度も高い項目が「人的資本」です。企業が人的資本を強化するためには、「人材育成」「従業員エンゲージメント」「ダイバーシティ」「健康・安全」といった項目への取り組みが求められます。これらは、制度や仕組みと言ったソフト面だけでなく、オフィスという「場」からもアプローチすることが可能です。

オフィスは、安全・快適で働きやすい場をつくるということはもちろん、ランニングコストの最適化、固定資産価値の維持、地球環境への配慮といった面でもサステナブルな経営に関係しています。オフィスや工場、各種設備や土地など、経営の基盤となる資産を最適な形で維持・管理する「ファシリティマネジメント」は、オフィスを通じたサステナブルな経営に取り組むうえで憶えておきたいキーワードです。

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サステナブルなオフィスづくりに取り組むメリット

企業にサステナブルな経営が求められている背景や、オフィスの重要性を踏まえると、サステナブルなオフィスづくりには以下のようなメリットが期待できます。

【サステナブルなオフィスづくりに取り組むメリット】
・オフィスの快適さによる、従業員満足度の向上や生産性向上
・取り組みの外部発信による、消費者や求職者への魅力向上
・廃棄の削減や省エネによる、オフィス構築コストやランニングコストの最適化
・オフィスビルなど、不動産の資産価値維持・向上

オフィスという空間自体は、数字として財務諸表には記載されることがない「非財務資本」ですが、サステナブルなオフィスづくりが結果として従業員エンゲージメント、企業イメージ、経営効率などに良い影響を与え、財務資本にもプラスに働くことが期待できます。
そのなかでも、コクヨは「循環型社会への貢献」「Well-beingの向上」をマテリアリティ目標として掲げ、重点項目として取り組んでいます。ここからは、コクヨによる取り組みを例に、サステナブルなオフィス作りのノウハウを具体的にご紹介していきます。

2.サステナブルな家具の選び方

まずは、家具の選び方です。オフィス家具を選ぶ時は、廃棄の削減やリサイクルの推進を意識し、長く使える家具や、リサイクルしやすい家具を選びましょう。詳しくは下で説明します。

また、製造する過程で環境に配慮されているかどうかも重要です。コクヨのカタログ掲載商品は、約97%が国の定めるグリーン購入法に適合した製品です。(2025年12月時点)

2026-2027年版 コクヨ総合カタログ ファニチャー編

ポイント1:長く使える家具を選ぶ

ポイント1:長く使える家具を選ぶオフィスチェアー「Monet(モネット)」を構成する数多くのパーツ。
各パーツの素材に再生材を採用し、環境への配慮にこだわっています。

ポイントの2つ目は、できるだけ廃棄せずに長く使える家具を選ぶことです。たとえば、オフィスチェアーで最初に劣化しやすいのは座面や背面の生地とクッションですが、この部分が交換可能になっていれば、買い替えずに使い続けることができます。

一例を挙げると、コクヨのオフィスチェアー「Monet(モネット)」は座面や背面に限らずそれぞれのパーツが交換が可能で、常に最適な状態で使用できるロングライフ設計が採用されています。

また、パーツの交換ができるイスやソファー、テーブルは、張地や天板を変えて手軽に模様替えをすることもできるので、使用場所や使用目的の変化に対応して長く使うことができます。

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【潜入! コクヨショールーム】 第6回:サステナブルなオフィスのために。ロングライフデザイン家具を調査!|コクヨのコラム

ポイント2:環境に配慮した素材を使用した家具を選ぶ

ポイント2:環境に配慮した素材を使用した家具を選ぶ「FABRE(ファブレ)」では、ノートの端材を使った再生張地「カミカラ」やクリアホルダー再生樹脂など使用。
別製として選択できる。

サステナブルな家具選びで着目したいポイントの1つが「素材」です。

大量生産・大量消費・大量廃棄の社会に代わる社会モデルとして近年注目されている、「循環型社会」という概念をご存知でしょうか。これは、限りある天然資源の商品を抑制し、資源の再使用や再利用などを推進することで、サステナブルな社会を目指す考え方です。

循環型社会の観点から、オフィス家具を選ぶときには、再生素材(リサイクル素材)や、未利用素材(従来は捨てられていた端材や間伐材など)を使用した商品を積極的に取り入れることをおすすめします。

たとえばコクヨでは、使用済みクリヤーホルダーを回収し、家具のパーツの一部や文具等の製品に再製品化する「クリヤーホルダー再生樹脂」や、ノートなどの端材を用いて、家具に使用できる張り地「カミカラ」の開発を行っています。これらの部材は人気のオフィス家具シリーズに使用され、機能面でもデザイン面でも従来の素材と遜色なく使用いただけます。

■関連サイト
SUTENAI CIRCLE
SUTENAI CIRCLEとは、未来のために今コクヨが必要と考える資源循環のための指針です。循環型社会の実現に向けたコクヨのモノ・コトづくりの取り組みを、こちらのサイトで紹介しています。

3.サステナブルな空間の作り方

3.サステナブルな空間の作り方ワークシーンをモジュール化することで配置変更が容易に。

サステナブルな空間を作るためには、従来の「スクラップ&ビルド」から、いまある資源を生かしながら、働き方の変化に応じて柔軟にアップデートする考え方に切り替えることが必要です。

できるだけ廃棄を減らし、運用時のエネルギーを節約できる設計にするなど、構築・運用時の環境負荷を抑える取り組みも効果的です。詳しく見ていきましょう。

ポイント1:将来的なレイアウト変更に備える

オフィスのリニューアルなどによる家具や内装材の廃棄を減らすためには、将来のアウト変更に対応できるよう、あらかじめ備えておきましょう。

上のイラストのように、さまざまなワークシーンをモジュール化したプランを採用すれば、人数の増減や働き方の変化に合わせて、それぞれの空間の役割を自在に変更することができます。また、オフィスの壁は最小限にして広い空間を確保し、組み換え可能なシステム家具や、可動式のブースやシェルフなどでゆるやかに仕切れば、空間をムダなく最大限に生かすことができます。

■関連商品
ワークポッド|家具|コクヨ
エニーウォール|家具|コクヨ

ポイント1:将来的なレイアウト変更に備える可動式の棚「エニーウォール」を使ったレイアウト。
実際の納品事例もご紹介していますので、ぜひご覧ください。
Case Study|Any way(エニーウェイ)|オフィスチェアー|製品|コクヨファニチャー

ポイント2:オフィス運用時の環境負荷を抑える

サステナブルな空間づくりは、家具や内装といった目に見える部分だけで完結するものではありません。日々の運用の中で、環境負荷を抑える工夫も大切です。

たとえば、自然採光や人感センサー、断熱・除湿効果のある建材の採用などによって、消費エネルギーを抑えることができます。エネルギー使用量をモニタリングして、従業員がエネルギー消費を意識する機会を作るのも効果的です。

オフィスリニューアルとあわせたペーパーレス化の推進もおすすめです。オフィスにおける紙の使用量削減は、森林資源や水資源の保護、紙の製造・輸送プロセスにおけるCO2排出量の削減など、自然環境への負荷軽減につながります。また、既存の書類をデータ化して社内システム上で共有することで、書類の保管スペースを削減でき、オフィススペースの効率的な使用が可能になるメリットもあります。

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オフィスの書類削減とペーパーレス化のメリット・導入方法|コクヨのコラム

4.社員のウェルビーイングにつながるオフィスの作り方

近年、働く環境を考えるうえで「ウェルビーイング」という概念が注目されています。これは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあることを指します。社員のウェルビーイングにつながるオフィスは、社員の出社を促し、エンゲージメントの向上や生産性の向上も期待できます。

ここからは、社員のウェルビーイングにつながるオフィスの作り方についてご紹介します。

ポイント1:多様な当事者の声を取り入れる

ポイント1:多様な当事者の声を取り入れるコクヨが特例子会社・コクヨKハート株式会社とともに開発したダイバーシティオフィス「HOWS PARK」

誰もが使いやすいオフィスを目指すためには、「インクルーシブデザイン」の考え方を導入することがおすすめです。

平均的なユーザーに合わせた従来のオフィスづくりでは、高齢、障がい、異文化といった多様な背景を持つ人々は置き去りにされがちでした 。一方、インクルーシブデザインによるオフィスづくりでは、企画・設計の初期段階から多様な人々が関わり、設計者と共に対話を重ねる「プロセス」を何よりも大切にします 。それにより、物理的なバリアを取り除くだけでなく、誰もが自分らしく活き活きと働ける、心理的な満足度が高いワークプレイスを実現することができるのです。

この考え方は、オフィスづくりの他にも、さまざまな商品やサービスで取り入れられています。オフィスで使う家具や文具などを購入する際に、インクルーシブデザインを取り入れた商品に切り替えていくなど、手軽に始められることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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HOWS DESIGN
コクヨは特例子会社・コクヨKハートや多様な社外の仲間とともに、インクルーシブデザインによって社会のバリアを発見し、誰もが自分らしくいられる社会をつくることを目指しています。コクヨではこのプロセスに「HOWS DESIGN」という名前をつけて、共感・共創によるモノづくり・コトづくりを進めています。

ポイント2:健康的で快適な働き方を意識する

ポイント2:健康的で快適な働き方を意識する1

ポイント2:健康的で快適な働き方を意識する2コクヨ東京品川オフィスの「WELL-STATION」。
オープン、R&R(rest and recuperration:休息と回復)、クローズドという3つのエリアで構成されている。

オフィスは、働く人が長い時間を過ごす場所です。社員のウェルビーイングのためには、心身に無理がかからず、適度に休息を取れるような執務環境を作ることが大切です。

仕事をする際の姿勢や照明、音や温度などの環境条件は、一見小さなことであっても、不快な状態が長く続けばストレスや健康被害を引き起こす場合もあります。定期的に社員からのフィードバックを取り入れ、改善していきましょう。

座りっぱなし姿勢から起こるの静的疲労を防ぐためには、ロッキング機能などで適度に上半身を動かせるオフィスチェアーの導入が効果的です。作業内容に応じて天板の高さを変えることができる昇降デスクを取り入れるのもよいでしょう。PC作業で疲れた目に優しいオフィスグリーン、音対策に役立つブースやパーティションの導入などもおすすめです。

また、体調がすぐれないときに安心して休憩できる場所があること、健康について情報収集や相談ができる場所が確保されていることも大切です。

たとえばコクヨの東京品川オフィスでは、従来からあった健康管理室に社員のヘルスリテラシー向上機能をプラスし、「WELL-STATION」としてリニューアルしました。また、霞が関オフィスでは、生理痛や妊娠、更年期症状など女性特有の健康問題に対応できる専用空間「FemUPD Room(フェムアップルーム)」が、社員発案のプロジェクトから生まれました。

5.最新の取り組みをライブオフィスで体感

この記事では、サステナブルなオフィスの考え方や作り方についてご紹介してきました。

コクヨでは、この記事で紹介してきた考え方を取り入れて自社オフィスを構築しています。実際のオフィス空間やオフィス家具は、全国のライブオフィス・ショールームでご覧いただくことが可能です。 また、品川ショールームでは、SUTENAI CIRCLEやHOWS DESIGNなど、コクヨが取り組むサステナビリティに関する展示も広く行っています。

最新のサステナブルなオフィスを、ぜひ実際の空間で体感してみてください。

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