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企業カルチャーとは?変革や浸透・醸成のヒントを紹介【事例あり】
公開日:2026.4.24
執筆:コクヨコラム編集部

いま、企業カルチャーのあり方が問われています。働き方の変化や、AIの台頭によって意思決定や業務のプロセス、組織構造の変化が起こる中で、従来のカルチャーが時代に合わなくなったり、企業カルチャーの浸透や醸成に困難を感じたりしている企業が増えているのです。
企業カルチャーの醸成や浸透、変革に成功している企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか。事例をご紹介します。
こちらの資料では、企業カルチャーを働く場から変革するためのノウハウをより詳しくご紹介しています。ぜひお役立てください。
目次(読了時間:約8分)
1.企業カルチャーとは?

企業カルチャーとは、どのようなものなのでしょうか。まずは、企業カルチャーという言葉の一般的な定義や、企業カルチャーの役割と必要性について解説します。
企業カルチャーの定義
企業カルチャー(corporate culture)とは、企業や社員が共有する価値観や信念、行動様式などのを意味する言葉です。企業カルチャーと同じような意味で用いられる言葉と、それぞれの違いを、以下にご紹介します。
「企業カルチャー」と「企業文化」「企業風土」「社風」
企業カルチャーと「企業文化」は基本的に同じ意味です。企業という単位に限定せずに語る際には「組織文化」という言葉が使われます。カルチャーや文化とは、特定の社会や人々の中で共有される伝統や価値観、思考方法や生活様式のことを意味します。
一方、「企業風土」は、社員の考え方や行動に影響を与える、社員が感じる雰囲気や組織の性格(自然発生的、結果的に定着したもの)を意味します。「社風」も、その会社が持つ気風(気性や性質)のことを指す、より日常的な言葉です。
組織に特有の風土や気風は、社員の考え方や言葉の使い方、行動様式などに影響を与えます。それらが長年に渡って受け継がれる中で、企業の理念やシンボル、伝統、ルール、暗黙の了解事項などの文化(カルチャー)が形作られていくのです。企業カルチャーの根底には企業風土や社風があると言い換えることもできるでしょう。
企業カルチャーの役割と必要性
企業カルチャーは、企業の円滑な事業推進に欠かせない要素です。これらは企業独自のアイデンティティを形作る根幹であり、外部が模倣できない独自の強みとして、意思決定のスピード、採用のミスマッチ防止、社員のエンゲージメント向上などに大きく寄与します。
企業の目指す姿にマッチした「文化」が全社員に浸透している企業ほど、変化の激しい時代においてもブレない軸を持ち、一貫性のあるサービスやプロダクトを生み出すことができるのです。
しかし、カルチャーの浸透が希薄であったり、目指す組織像と実際のカルチャーが矛盾していたりする場合は、社員の離職やモラル低下などにつながる恐れもあります。企業が持続的に成長していくためには、企業の価値観や求められる行動様式を社員が体現できるようなカルチャーの醸成が欠かせません。
企業カルチャーの構造
では、企業にとって望ましいカルチャーを醸成するには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。そのカギを探るために、企業カルチャーの構造を知っておきましょう。
組織心理学者のエドガー・シャインは、組織文化は以下に示す図のように3つのレベルで構成されているとしました。

深層にある「当たり前」とされていることを社員に広く定着させていくためには、中層だけではなく、表層の従業員体験を効果的に与えていくことが必要です。
■関連記事
チームに生じる問題の根底にあるもの、それは「組織文化」
2.企業カルチャー変革が停滞する理由と、解決のヒント

年にわたって形成された企業カルチャーを変えるのは容易ではなく、多くの企業がカルチャー変革の停滞に悩んでいます。企業カルチャー白書2025によると、その変革が進まない原因の上位2項目は「カルチャー変革に取り組んだ成果が見えづらい 71%」「何をどう実行すればよいかが不明確である 68%」*とあります。
こういった変革のボトルネックを解決するポイントは「働く場の体験」にあると、コクヨは考えています。以下、カルチャー変革の停滞を解決するヒントをご紹介します。
*出典:カルチャー変革推進委員会 powered by Unipos「企業カルチャー白書2025 」P.28
取り組みの成果が見えにくい
経営として目指したい企業カルチャーがあっても、トップダウンでさまざまな施策を推し進めるだけでは、目に見える変化はなかなか生まれません。
これを解決するには、カルチャー変革に向けた取り組みに社員が参画できる仕組みを作ることが有効です。変化に直面した社員が感じるであろう心情に寄り添い、どんなところに不安や抵抗感を持つか理解しましょう。その上で、どうしたら変化への不安や抵抗感を、ワクワクや期待感といった前向きな感情に変換できるか、具体的な施策につなげていきます。
たとえば、経営が「社員が主体的に行動を起こすカルチャーを醸成したい」と考えているとします。それを一方的に伝えられても、社員の側は「どんな行動を期待されているのか」「どこまで自由にやっていいのか」と不安に思うかもしれません。そんなときに必要なのは、「やりたい」と思った社員の行動を後押しするような仕組みです。
【社員の「やりたい!」を後押しする取り組みの例】
・オフィス運用の自由度を高め、社員の意見をオフィス改善に反映できるようにする
・自分の仕事時間の20%を、社内外での副業に充てられるようにする
・社員の挑戦事例を朝礼で取り上げ、全員で応援する
仕組みがあることで、思いを持った社員が安心して行動でき、周囲の社員のロールモデルになります。また、社員の意識や行動の変容を通して、経営陣やマネジャーも取り組みの成果を実感することができます。こういったプロセスがあるかないかで、カルチャー変革のスピードは大きく変わるはずです。
何から手を付けたらいいのかわからない
まずは、目指す理念や価値観が明確されていなければ、変革の取り組みをスタートすることはできません。最初に手をつけるべきは企業カルチャーの3つのレベルでいう「中層」で目指す組織の姿を明確に言語化することです。
次に取り組むべきは、理念や価値観を日常の組織活動と接続する「表層」のデザインです。空間や服装、制度・運用など、従業員体験にかかわるものごとは社員の帰属意識や愛着に強く影響し、やがて「深層」にある思考や関係性のあり方を更新する原動力になります。
3.変革を推進するカギは「従業員体験のデザイン」

私たちコクヨはこれまで、自社でのカルチャー変革の実験や、さまざまな企業のカルチャー変革のお手伝いをしてきました。その経験から、社員の視点をもって従業員体験をていねいにデザインすることで、企業カルチャーに変化を生み出すスタイルを作り上げてきました。
ここからは、企業カルチャー変革を推進するための3つのステップと、コクヨのソリューションをご紹介します。
ステップ1:理念を可視化・言語化する
カルチャー変革を企業の成長につなげていくためには、現状の課題や市場のトレンドをインプットした上で、企業の「ありたい姿」を描き、社員に共有できるように言語化していくことが大切です。その「ありたい姿」を実現するための施策を立てることで、一貫した従業員体験のデザインと、携わった社員の動機づけが可能になります。
コクヨでは、働き方を中心としたカルチャー変革のコンサルティングやプロジェクト支援を行っています。
ステップ2:目指すカルチャーを働く場に反映する
目指すカルチャーが明確になったら、働く空間のデザインや、社内の制度、運用など、あらゆる場面に実装していきます。
ただし、トップダウンで施策を押し付けるだけでは、社員の行動は変わりません。企業カルチャーは、日々の現場で社員がどう考え、どう行動し、どう関わるかの積み重ねによって形作られます。
コクヨでは、組織のカルチャーに影響する課題は社員の「創造性・主体性・関係性」という3つの観点から整理できると考えています。これらにアプローチする具体的な施策の例を、資料「WX Vol.04」の中で多数ご紹介しています。ぜひダウンロードしてお役立てください。
ステップ3:体験の積み重ねで、変化を「自分ごと」「当たり前」に
社員個人の行動変容を組織の成長につなげていくためには、組織の最小単位である「チーム」の中で個人が十分に力を発揮できる環境が欠かせません。個人が目指すカルチャーに沿った判断や行動をしていても、チーム全体が古いカルチャーのままであれば、業務のアウトプットにはつながらないためです。
チームの「当たり前」を変えるには、第三者の介入が有効です。コクヨが提供する「TEAMUS」は、チームメンバーへのサーベイやリーダーへの1on1などを通して、チームの課題や伸びしろに気づく機会を作り、チームの変革につなげます。
チームの関係性の中で新しいカルチャ-に沿った体験を積み重ねることで、やがて社員1人ひとりにとっての「当たり前」に変化していきます。
■関連サービス
TEAMUS
4.企業カルチャーのベストプラクティス
企業カルチャーの醸成や浸透、変革に成功している企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか。コクヨを含む国内外の事例をご紹介します。
ミズノ株式会社 新しい研究開発拠点が企業カルチャー変革も牽引
「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念を掲げるミズノ株式会社は、研究開発力を強化し、スポーツによる社会イノベーション創出を加速させることを目的に、2022年にイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」を設立しました。
プロジェクトの初期には国内外の社員へのアンケートやワークショップを通じて企業のありたい姿を描き、設計のコンセプトに反映。スポーツの躍動感や楽しさが随所に感じられる空間デザインや、偶然の出会いを生み出しコラボレーションを促進するさまざまな仕掛けや仕組みが実装されました。オフィスづくりの機会を研究開発のスピードアップだけでなく、企業カルチャーや働き方の変革にも生かしています。

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MIZUNO ENGINE|空間事例 KOKUYO DESIGN WORKS
コクヨ株式会社 街に開かれたオフィスで、企業カルチャーの醸成と発信を行う
THE CAMPUSは、オフィスを街にひらくことで「働く」「学ぶ」「暮らす」のゆるやかな交わりや新しい出会い・機会を生み出す、コクヨの自社オフィスです。公園や公共施設のように近隣の人が自由に使える空間を併設し、「共感共創」「実験カルチャー」「体験デザイン」というコクヨのコアバリューを体現する空間を実現しました。
「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」というコクヨのパーパスを体感できるフラッグシップオフィスとして、社内のカルチャー醸成だけでなく、社外に向けた企業カルチャーの発信にも生かしています。

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THE CAMPUS
5.企業カルチャーは未来を切り拓く資産
この記事では、企業カルチャーの重要性や、企業カルチャー変革を推進するためのポイントについて解説してきました。事業環境の変化が激しい現代においては、一人ひとりの社員が自律的に判断・行動できるよう、企業の目指す姿にマッチしたカルチャーを浸透させることが企業価値の向上につながります。
コクヨでは、空間デザインから制度、運用まで、ハードとソフトの両面から、オフィス空間を通じた企業カルチャー醸成の支援を幅広く行っています。コクヨの提案するオフィスや働き方は、ライブオフィスで見学することができます。企業カルチャーの醸成や浸透、変革の推進にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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