なぜ「1on1」を重ねてもチームはかみ合わないのか——個別最適の先にある「チーム対話」という視点

  • 公開日2026/4/1(水)
  • 中原 絵里子

メンバーはそれぞれ優秀でやる気もある。でも、チーム内の相互連携がなぜかうまくいかない・・・と悩むリーダーも多いようです。それぞれの強みを発揮しながら相乗効果を生みだせるチームになるために、リーダーができるアプローチについて考えていきます。

「優秀なチームなのになぜかうまくいかない」、リーダーはどう対処すべきか

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個々のメンバーは優秀で、スキルや経験は申し分ない。それなのに、なぜかチームとしてうまく機能していない。ホームランバッターを集めても試合に勝てない。そんな課題を抱える組織は少なくありません。

実際に私たちが日々お客様に接するなかでも、「優秀な人材を集めているはずなのになぜか歯車がかみ合わず、組織が前に進んでいかないもたつき感がある」、「新組織の方向性は定めたものの、メンバー全員がその方向に進んでくれているか不安」など、チームの状態への違和感に悩むリーダーの声をよく耳にします。

その対処法として、個々の悩みや不満の声をすくい上げるために1on1を実施しているケースも多いようです。ですが、実は1on1で個々のコンディションをケアするだけでは、組織力向上にはつながりにくいのです。

1on1が「リーダーの孤独」を深める

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1on1は、本来上司と部下が定期的な対話を通じて信頼関係を築き、部下の成長促進や業務上の課題解決を支援する目的で実施するもの。一方、コクヨで実施した調査結果から、それに加えて8割以上のリーダーが子育てや介護との両立」などのプライベートな内容や、「業務の人間関係」等についても相談を受けており、中には業務を進めるうえでの課題解決から外れた相談になっている場合もあるという実態が見えてきました。公私にわたる多様な相談を受けるリーダーの負担は大きく、特に人間関係の相談に対するリーダーの負担感は49%と、最も大きいことがわかります。

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1on1は上司と部下の信頼関係を構築するための重要な機会であり、個別に聞くことで初めて知ることができる声もあります。メンバーにとっては、一対一というクローズドな場だからこそ安心して悩みを話せるという側面はあるはず。

しかし、「相談内容は口外しない」という原則もあって、リーダーがすべてを抱えて問題解決を行わざるを得なくなり、リーダーの負担感につながりやすいのです。また、人間関係の問題は、個別に話を聞いても「点」で捉えることになり、全容をつかみにくいという側面もあります。

つまり、信頼関係の構築や個別フォローのために1on1を実施しつつ、チームの組織力向上のためには1on1以外のアプローチも組み合わせる必要があるのです。

「問い」をチームのテーブルに載せるーーチーム対話という処方箋

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そこで効果的なのが、チームが働きやすくなり、効果的に機能するための共通の「問い」をテーブルに載せること。つまりチームで対話をする場を持つことです。

チームでは1対1の関係性よりも、複数の人間の結びつきの強さやバランスが作用しあうもの。また、チームの関係性をつくるには、個々の価値観や役割認識などを口にすることで、お互いに理解しあう必要があります。そうしたチームの目線を合わせるためのアプローチとして、「チーム対話」の場を持つことが有効なのです。

チーム対話とは、例えばチーム内の関係性や業務上やりづらいと感じる点、逆にうまくいっていると感じる点など、チームが働きやすくなるために共有すべきテーマについて、チームで話し合う場のこと。1on1が個別に「点」の課題やテーマを扱うのに対して、チーム対話では主に「つながり」や「関わり」をテーマに全員で話し合います。

チーム対話を行う際には、何を全員で話し合う必要があるのかという「問い」の設定が重要になります。例えばチームの状態を把握するサーベイの結果からあきらかになったチームの伸び代をどう乗り越えるかなど、「チームの成長につながる問い」を中心に置いて行うと効果的です。また、目的を共有しやすい問いが設定されていると、「誰もしゃべらない」気まずさを取り除くことにもつながります。

そこでTEAMUSでは、サーベイの結果に合わせてチームの「伸び代」と「強み」をチーム内で共有して深める対話のきっかけ」を提供する機能を提供しています。

例えばチームの伸び代が「一体感」や「つながり」の強化の場合チーム対話で「一体感がないのはなぜだろう。どうしたら連携を改善できると思う?」といった一般的な問いに加えて、TEAMUSで提供する「最近チームメンバーに対して『仕事以外の人間味に触れて親しみがわいた』と感じたことは?」のような一歩踏み込んだ問いを全員で考え、言葉で伝え合います。

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こうした対話をチーム内で重ねていくことで、それまで知らなかったメンバーの一面や価値観を知ることや、今のチームの状態や理想の状態への気づきにもつながって、チームの「共有メンタルモデル」※が育つ機会になるはずです。

※共有メンタルモデル:チームや組織のメンバーが共通の理解・認識を持つことで、協働の成果を高めるための概念。

リーダーは「解決者」から「場を整える人」へ

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チーム対話が定期的に行われるようになれば、リーダーの役割も変わります。リーダーがすべての課題や責任を一人で背負う「問題解決のハブ」になるという構造から脱却し、チームが「問い」を中心に主体的に育つためのコンディションを整える役割を担うことになります。

また、チーム対話が活性化することで、1on1で語られる中身も自然と変わってくるはずです。チーム対話の機会があることで、1on1でも個人のミクロな視点にチームの視点を加えて考えられるようになり、チームの共通認識をベースに置いた会話ができるようになっていきます。

こうしたチーム対話を通してリーダーとメンバーが相互に良い影響を与え合うことは、持続的な組織力の向上にもつながります。チームを主体として考え、動く習慣が身についたメンバーは、次世代のリーダーとして組織づくりを継承していくでしょう。

コクヨの組織成長ソリューション「TEAMUS」は、このようにチームが成長するきっかけとなる仕掛けをたくさんご用意しています。

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