3社横断のシステム開発! プロジェクトメンバーが協力して組織変革に挑み、その先に見えた新しいチーム像とは?

(写真左から)

コクヨ株式会社 プロダクトマネージャー

金田 恵さん

コクヨに入社した2025年2月からTEAMUS開発プロジェクトのリーダーに。サービスのロードマップ
(「いつ・どんな価値をユーザーに届けるか」を時系列に沿ってまとめた中長期的な目標)策定と推進に取り組む。                                                                                 

株式会社グッドパッチ プロジェクトマネージャー 

美冬さん

2025年1月からTEAMUS開発プロジェクトに参画。進行管理やチームビルディングを担当する。                                       

株式会社グッドパッチ プロダクトマネージャー 

佐久間 一生さん

2024年6月からプロジェクトに参画し、他社メンバーと密に連携しながら要件定義(実装する機能・性能などの整理)を担う。                         
                                                        

スパイスファクトリー株式会社 エンジニア 

加世田 翔太さん

2024年12月からバックエンドエンジニア(システム開発において、サーバー側の開発を担当するエンジニア)として参画。                                                                  現在はエンジニアメンバーのリーダーとしてタスク管理も担う。                                                                          

導入背景

コクヨ株式会社・株式会社グッドパッチ・スパイスファクトリー株式会社は、2024年7月から3社の協力体制のもと、TEAMUS(チームアス)開発を進めてきました。2025年5月にサービス提供を開始した後も、サービスの改善や機能拡張に取り組んでいます。
開発チームでは、1週間単位の短い開発サイクル(スプリント)を回して情報共有や問題解決を行いながらプロジェクトを進行させてきました。しかし、3社から20数名が参画する大所帯のチームであったため、メンバーの一体感が生まれにくく、一人ひとりの主体性や目的意識も十分に育っていない状態でした。そこで、メンバーが互いを高め合えるチームへ進化するために、自分たちで開発したTEAMUSを活用して組織変革にチャレンジしました。

1. 「YUI」というチーム名に込めた思いとは?
——この記事では、3社から集結した開発メンバーが自分たちのチームに対して感じていた課題意識からTEAMUSを活用した経緯や、その結果チームに起こった変化について、プロセスを追ってご紹介したいと思います。まずみなさんが、自分たちのチームに対して感じていた思いについてお教えいただけますか?

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金田:私は2025年2月にコクヨに中途採用で入社し、そのタイミングでTEAMUS開発チームにリーダーとして参画しました。
開発はすでに進んでおり、コクヨはサービス企画、グッドパッチはデザイン、スパイスファクトリーはエンジニアリングという役割を担い、お客さまに価値を届けようと真剣に取り組んでいました。一方で、全体をひとつのチームとしてとらえたときに、正直「一体感がまだ醸成しきれていない」と感じたのです。20名を超えるメンバーで構成する大所帯のチームですから、連帯感を高めないとよいアウトプットやアウトカムが出せない、と課題感を持っていました。


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加世田:2025年の半ばまでは、開発にあたっての要望や指示が「コクヨ→グッドパッチ→スパイスファクトリー」というフローで伝えられていました。グッドパッチの佐久間さんや田邉さんから具体的な指示をいただいてから社内のエンジニア10数名に振り分けるスタイルは、1人ひとりが業務に集中できる点ではよかったと思います。
ただ、作業中に疑問が出てきたときに、「グッドパッチを通してコクヨに質問する」という手順を踏まなければならず、スピーディに解決できないのはジレンマでした。

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佐久間:当初はTEAMUSの多種多様な機能を同時につくっていく必要があったので、「コクヨ→グッドパッチ→スパイスファクトリー」というフローをつくり、情報を整理しながらコミュニケーションをとらなければならなかった、という事情はあります。
ただし、基本機能ができたシステムに対して、どんな変更や機能付加をしていくかを吟味する段階になると、3社のメンバーが自由に、ダイレクトにコミュニケーションをとれるような関係性をつくらなければ、と感じるようになってきました。

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田邉:心理的な壁もありましたね。コクヨのメンバーに質問をひとつするにしても「問題を整理して資料を作成し、おうかがいを立てなきゃ」という雰囲気がありました。そこに違和感を感じている人も多いだろうな、と予測はつきました。

——TEAMUSの開発プロジェクトに改めて「YUI」という名前をつけたのもそのころだったそうですが?

金田:プロジェクトコード(進行中のプロジェクトを識別するためにつける短い文字列)を決める必要があったため、せっかくなのでチーム名を兼ねた名前にしてメンバーたちに「これは自分たちのプロジェクトであり、自分はチームの一員なんだな」と感じてもらいたい、と思いました。
チーム名はメンバーにアイデアを募り、最終的には投票で決めました。「YUI」というネーミングを漢字で書くと「結」で、「メンバー間の結びつきを強めて、みんなでTEAMUSの価値を高めていこう」といった気持ちがこもっています。

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2. TEAMUSを活用してチームとしての一体感を高める
——YUIのメンバー全員でTEAMUSのサーベイを受けてみる、というアイデアが出てきたのは、どんな経緯だったのでしょうか?

田邉:YUIのチームビルディングについて金田さんと話す中で、「自分たちの強みや伸び代を明確にすることも、一体感の醸成に役立つよね」と意見がまとまったのがきっかけです。

加世田:2025年5月にサーベイを全員で受けることが決まったときは、「自分たちでつくってきたサービスを、実際に試すことができる」とワクワクしました。
ただその反面、チームとしての一体感が育ち切ってはいないことも自覚していたので、その感覚がスコアとしてどう可視化されるのか、不安もありましたね。

田邉:TEAMUSの開発には「スクラム」という手法を取り入れていて、1週間という短いサイクルで振り返りを行いながら、こまめに業務改善を進めていました。
ただ、スクラムの中の振り返りはどうしても業務改善が中心になりやすく、その中でメンバーの本音やチーム全体の状態を少し長い目線で捉えるのは難しさも感じていて、TEAMUSを導入してみたいと思いました。

自分たちで開発しているサービスなので、「こう答えるとこういう結果になる」というのはある程度分かってしまう部分もあるのですが、それでも多くのメンバーが「チームのためにも正直に答えよう」と考えて、本音で回答してくれたのではないかと思います。

佐久間:正直に言うと、僕個人は「自分たちの評価をするのに、サーベイ結果が低かったらまずいんじゃないかな」と気になりました。だから、回答するときも、スコアが上向くように少し意見を誇張してしまった部分もあります。

3. 第1回サーベイ結果を受けてメンバー全員でポジティブに対話
——第1回サーベイの結果に関して、メンバーのみなさんはどう感じたのですか?

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佐久間:チームの伸び代(課題)として「関係理解」(チームの目的を充分に理解し、メンバーと共に達成を目指している)という項目が挙がったのが印象的でしたね。先ほどお話した通り、僕は少しオーバーな回答をしたところもあったのですが、それでも「メンバーの協力体制に課題がある」というチームの現状を正確に示す結果が出たので、TEAMUSというサービスのポテンシャルを実感しました。

加世田:結果自体には納得感がありました。私自身はグッドパッチやコクヨのメンバーと密にコミュニケーションをとっていましたが、他のエンジニアメンバー10数名にとっては、担当タスクの実装に重きを置いていたため、プロジェクトの全体像を把握しづらいという実状がありました。そのため、「自分たちの見えないところでどんなふうにプロジェクトが進んでいるのかわからない」と少なからず不安を感じていたようです。サーベイ結果には、そんなエンジニアたちの思いが色濃く反映されたのではないでしょうか。

——その伸び代に対して、メンバー間でどんな話し合いをしたのですか?

金田:「関係理解」という項目について、メンバー全員でオンラインで対話を行いました。課題を解消するために話し合うというよりは、「今までどんなふうに連携できていたか」といったチームの強みについて発表してもらいました。みんなのコメントを聞きながら、「私たちのチームは、思っていたより互いに尊重しあう関係性がつくれていたんだな」とうれしく感じましたね。

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田邉:そのときの対話で「プロジェクト全体の進行状況がつかめない」といった意見をエンジニアからいただいたので、今までは少人数で実施していた毎週のミーティングにエンジニアのメンバーたちに交代で出席してもらうようにしました。

加世田:参加したエンジニアメンバーにとっては、「ミーティングではこんな話し合いをしていたんだ」「こんなふうにフィードバックが行われるんだ」などさまざまな気づきの場となったようです。これまでの「どんなふうに意思決定が行われているのかわからない」という不安が軽減し、心理的安全性がメンバーたちの間に生まれた感覚があります。

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4. 2回目のサーベイでチーム状態が前進!チームの士気が向上した
——2回目のサーベイは1回目実施から3か月後の2025年8月でしたね。

佐久間:実はそのころ、開発プロジェクト自体がひとつの山場を迎えていてメンバーがみな忙しく、個人的には2回目のサーベイを行うとなったときに「この前やったばかりなのに」と前向きになれない気持ちもありました。ただ、前回の結果からチームの状態を的確につかむことができたので、「よりよいチームをつくるために、自分も正直に回答しよう」という気持ちで、誇張した回答はしませんでした。

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田邉:いざ結果が出てみると前回よりスコアが向上しており、「関係理解」という課題が解消されていたので、素直に「よかったな」と感じました。今回も全員で対話を行ったのですが、金田さんが「関係理解という伸び代を改善できた背景には、どんなアクションがあったからだと思いますか?」というところから対話をスタートしてくれて、前向きに議論するベースができたと思います。

金田:とはいえ、2回目サーベイで伸び代として見えた「他者啓発」(チーム全体をよくしていくために、互いに啓発しあうこと)については、どんなアクションを今後始めればよいのかを考えるのは難しかったですね。メンバーからは「チーム内で定期的な学びの機会をつくる」といったアイデアは挙がったものの、YUIは異なる専門性をもつメンバーが集まったチームということもあり、どんな学びを共有すればチーム全体の成長に繋がるかが見えづらかったのです。

そこで、まず個人的に始めたのが「今朝のご一読」という取り組みです。毎朝Web記事などを読んで気づいたことなどを短くまとめ、コミュニケーションツールでメンバーに共有しています。学んだ内容そのもの以上に、日々学び続けるスタンス自体がチームに良い影響を与えられるといいな、と願って、今も続けています。

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5. 3回目サーベイで「関係理解」の項目が再び課題に「MEMBER インサイト」で率直に意見を出し合う
——第2回目の実施から更に3か月後の12月に、3回目のサーベイを受けられたわけですが、結果はいかがでしたか?

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金田:スコアに一喜一憂しても意味がないとわかっているのですが、結果だけを見ると第2回より下がっていて、リーダーとして焦る気持ちはありました。特に、「関係理解」という項目が伸び代として再度浮上してきたのには驚きました。「チームとして成長していると思っていたのに、どうしてまた伸び代に?」と疑問に思いました。

考えた末に、メンバーとの対話方法を今までとはガラッと変え、サービス提供前だった「MEMBERインサイト」というメニューを試してみることにしたのです。これまでの対話では私がファシリテーターとなってメンバーの声を聞いてきましたが、MEMBERインサイトでは専門のスタッフがチームメンバーに問いかけるスタイルで対話が進んでいきます。私自身も質問される側に回り、ほかのメンバーと一緒になって意見を言いました。

田邉:チームとしての一体感や、一人ひとりの当事者意識が高まっているのは、これまでメンバーと接する中で感じていました。ですから私も「どうしてスコアが下がったのかな?」と考えながらMEMBERインサイトに臨んだのですが、専門スタッフの方からの質問を受ける中で、「もっとよいチームにしたい」とメンバーが強く願っているからスコアが下がったのかもしれないな、とわかってきました。

佐久間:確かにそうですね。プロジェクトの進行に関しても、メンバーが「指示された通りにやる」というスタンスから「なぜこのプロセスが必要なのか」とより踏み込んで考えられるようになったため、スコア自体は下がってもチームの質は向上していると感じました。

——MEMBERインサイトでは、どんな話し合いが行われたのですか?

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加世田:印象的だったのは、専門スタッフの方から「あなたが仕事上で感じている問題や障害は?」「チームとしてヤバいな、と思う状況はありますか?」と問いかけられたことです。エンジニアメンバーたちとしては「言ってしまっていいのかな」と戸惑いもあったと思いますが、「開発しているシステムについてわからないことも実は多い」「メンバー同士で認識のずれがあり、手戻りが発生している」など、勇気をもって正直に答えてくれました。

金田:「私だったらこんなこと怖くて聞けない!」と感じるような質問を専門スタッフの方がしてくださるので、その場で初めて知るメンバーの本音も多く、ドキドキしたけれど気づきがたくさんありましたね。

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田邉:プログラムの一環で、3社横断で少人数のグループに分かれて話し合ったのもよかったですね。私が参加したグループでは、あるメンバーが「例えば文章の『てにをは』を一つ修正するにしても、『なぜその修正が必要なのか』を理解したうえで作業するのとそうでないのとでは意識が変わってくる。一つひとつの作業の先にある目的を知りたい」と言ってくれて、そこまで考えてくれていたんだ、と感激しました。

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6. より深い関係理解と情報共有に向けて仕組みを整える
——3回目サーベイの後に、チーム力を高めるために行った取り組みはありますか?

佐久間:サーベイ前から企画していたことですが、年末年始の時期に全員が集まってのイベントを実施しました。特に盛り上がったのが、一人ひとりが短い持ち時間で自分の好きなことを話す「ライトニングトーク」というプログラムです。互いの人となりを知ることができて、とても楽しく新鮮でした。僕も話しているうちに力がこもってしまって、後で「あんなに熱い佐久間さんは初めて見た」とメンバーに言われたのを覚えています。

田邉:会社ごと・メンバーごとの情報格差を解消するため、プロジェクトに新しいメンバーが加わったときの導入研修プログラム(オンボーディング)を3社共通の内容に変えました。それまでは会社ごとに行っていたのですが、MEMBERインサイトでの「この開発プロジェクトの目的をもっと明確に理解したい」という声を受けて始めた取り組みです。
そのころちょうどスパイスファクトリーに新メンバーが加わったので、開発経緯やコクヨの歴史なども含めた内容で研修を実施したところ、メンバーからは「プロジェクトの目的がとてもよく理解できた」と好評でした。

加世田:メンバーの自己紹介ボードをつくってもらったのもそのころでしたね。金田さんが小学校時代から現在までのライフストーリーを詳しく書いてくれたので、ほかのメンバーも趣味や仕事でのこだわり、育児や介護などプライベートでのタイムスケジュール、自分の特性などを詳しく書くようになりました。

金田:メンバーの人となりがより明確になったことで、チームがカラフルになって、一体感の醸成が進んだ気がします。

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7. 今後もTEAMUSを活用しながら変化に対応し、強いチームをつくりたい
——「TEAMUSの結果を踏まえて、メンバー全員で対話する」という3回の取り組みを経て、今、チームに対してどんな思いを持っていらっしゃいますか?

佐久間:これまでサーベイを受けたり対話をしたりして、YUIはよりよいチームをつくるために具体的なアクションを起こしてきました。チームや組織の課題は社会情勢の変化などに伴って常に出てくるものだと思いますが、このチームなら会社の垣根を超えて柔軟に対応し続けられると思うし、その局面が楽しみでもあります。
開発プロジェクトでは1週間ごとに振り返りを行っていますが、「チーム」という視点で今後もTEAMUSを活用して定点観測を続けていくことは大切だと感じます。

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田邉:働く時間は1日の中で多くの割合を占めるので、その時間をチームメンバーと高めあいながら刺激的に過ごせれば、もっと仕事が楽しくなるのではないでしょうか。その「楽しさ」をTEAMUSで可視化し、サーベイ後の対話によってさらに洗練させて、メンバーにとってYUIが自慢のチームになるよう今後も取り組んでいきたいですね。

加世田:私たちスパイスファクトリーは、「革新の触媒」をミッションに掲げて企業活動を行っていますが、今回の取り組みを通じて、TEAMUSの「組織変革を通じて、社会に貢献する」というミッションが、当社の思いと深いところでつながっていることを実感できました。今後もコクヨやグッドパッチのメンバーと一緒にTEAMUSの開発に取り組む中で、会社としてのミッションも追求していきたいと考えています。

金田:私たちはTEAMUSという「チームの価値を高めるソリューション」の開発に取り組んでいるので、自分たちのチームについてもとことん悩み、考え、果敢にチャレンジしていきたいと思っています。今後もTEAMUSを自分たちで活用しながら、より良いチームづくりを実践していきます!


※MEMBER インサイトの内容は組織の状態によって変更する場合があります。

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