HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典「テクノストレス」
「テクノストレス」とは、コンピューターやスマートフォン、タブレット、ゲーム機などのテクノロジーを使用することで生じる様々なストレスのことを指します。テクノストレス症候群とも呼ばれ、1984年にアメリカの臨床心理学者のクレイグ・ブロードが提唱しました。
本来は、プログラマーやシステムエンジニアなどが、長時間労働することで生じる精神的・肉体的な職業病を表す言葉として使われていました。しかし、近年では若年層から中高年まで幅広い世代で、コンピューターによって心身の不調を起こす現代病となっています。
テクノストレスは、コンピューターに過剰に適応して生じる「テクノ依存症」と、コンピューターの不適応状態に起因する「テクノ不安症」の相反する2種類に分けることができます。
■テクノ依存症
コンピューターなどのテクノロジーがないと不安になるほど依存してしまう状態で、現代のネット依存症とも言えます。人間関係が煩わしくなったり、物事を機械的に考えたり、コミュニケーションが苦手になったりと、社会生活に支障をきたすようになります。また、幼少期からIT機器に慣れている若い世代に多く見られます。
―症状
・常にコンピューターのことばかり考えている
・他者への思いやりが欠ける
・人の反応を鈍く感じ、イライラする
・コンピューター作業環境から日常生活への切り替えが困難になる
・人を見下すようになる
・自分の限界がわからなくなる
・時間の感覚がなくなる
■テクノ不安症
テクノロジーを使いこなせずストレスを感じる状態を指します。特にパソコンに不慣れな中高年に多く、うまく操作できないという苦手意識から不安や恐怖感、焦りなどの精神の不調や、頭痛や肩こり、動悸、息切れ、めまい、冷や汗、震えなどの身体の症状を伴います。
―症状
・コンピューターに対する嫌悪感が生じる
・短気になる
・悪夢を見るようになる
・自信喪失、強い絶望感を抱く
・抑うつ状態を示す
テクノストレスの似た言葉として、「VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)障害」があります。長時間のコンピューター作業により生じる様々な心身の不調を言います。仕事でコンピューターを使う大人だけでなく、ゲームやスマートフォンを長時間使う子どもにも見られます。
―症状
・眼精疲労、視力低下
・肩こり、腰痛
・腱鞘炎
・めまい、吐き気、倦怠感
・イライラ、不安感、抑うつ
近年、リモートワークの普及に伴い、コンピューターの作業時間が増えたことで、テクノストレスを訴える人が増加しています。「テクノ不安症」においては、中高年だけでなく、デジタルネイティブ世代でもテクノロジーに不慣れなことからテックシェイムを感じると言います。在宅時間が長い場合、テクノストレスに対してまわりが気づきにくく、誰かに相談できず一人で悩みこんでしまう傾向があります。リモートワークの際には、コンピューター作業の制限時間や休憩時間を設定するなどし、ストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
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