HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典「テックシェイム」
「テックシェイム」とは、デジタル機器やテクノロジーを活用する際に、うまく使いこなせなかったり、操作や知識などスキル不足を認識することで、恥ずかしさを感じることです。また、周囲からの批判や会社での業務、組織への悪影響などを恐れる不安な感情も含まれます。「technology(技術)」と「shame(恥)」を組み合わせた造語で、主にオフィス内での現象について使用されます。
たとえば、パソコン、タブレット、電話、ファックス、プリンター、複合機、ソフトウェアやアプリ、システムやツールなど、最新機器だけでなく従来の機器も含めたあらゆる技術が対象となります。
2022年のHP社の調査によると、日本を含む10カ国・1万人の会社員のうち、18歳~29歳までの若い世代の5人に1人が「技術トラブルに直面した際批判されているように感じる」と回答。一方で、シニア世代はは25人に1人のみの回答となり、若い世代はシニア世代より10倍もテックシェイムを感じやすいという結果が出ました。
若年層のZ世代だけでなく、育児休暇や休職などから復帰した社員やパートタイム労働者も、テクノロジーの知識不足による羞恥心を感じやすい傾向があると言われています。
■若い世代がテックシェイムを感じやすい背景
・デジタルネイティブ世代への偏見
デジタルネイティブある若い世代は、デジタル機器やテクノロジーの扱いが得意というアンコンシャスバイアスや期待を周囲から持たれやすく、現実とのギャップを感じやすい。
・旧来のテクノロジーへの不慣れ
プリンターやコピー機、ファックス、スキャナー、デスクトップパソコン、固定電話など馴染みが薄い機器も多く、使用経験が少ない。
・直感的な操作の浸透
近年は直感的に操作できるデジタルツールも多く、マニュアルを見ながら操作する作業に慣れていないことがある。
・コミュニケーションが取りづらい環境
リモートワークやハイブリッドワークなど多様な働き方が普及したことで、対面でのコミュニケーション機会が少なくなり、技術的なトラブルが発生したときに気軽に聞きづらい。
■テックシェイムが与える悪影響
・エンゲージメントやモチベーションの低下
恥ずかしさや不安に対処せずにいると、従業員エンゲージメントや生産性やモチベーションの低下にもつながる。
・個人の評価・キャリアパスへの影響
テクノロジーに対する能力・知識不足が人事評価や査定に反映され、今後のキャリアパスに影響する可能性がある。
・企業イメージの低下
対外ミーティングの場などで必要なデバイスや会議ツールの操作に戸惑ったりすると、企業の評価やイメージにも影響をおよぼす。
テックシェイムを解消するには、技術の知識やスキルの習得が重要です。世代や雇用・勤務形態を問わず誰もが活用できるよう、研修や使用方法のマニュアル化を進めるなど企業側のサポートが必要です。また、気軽に相談できる環境づくりとして、メンターやチューター制度の導入、デジタル機器やテクノロジー専門の社内問合せやヘルプデスクを設置すると、トラブルが発生した際に気軽に相談しやすくなるでしょう。
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