HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典「スポットワーク」
「スポットワーク」とは、数時間単位や短い期間、あるいは1回限りで契約をする仕事や働き方のことです。「単発バイト」や「スキマバイト」とも呼ばれます。
従来のアルバイトや派遣労働とは異なり、長期間の契約や面接がなかったり、労働時間や回数の上限がないこと、賃金はほとんどが即日入金されることも特徴です。
スポットワークはアプリや求人サイトなどを通して、企業や店舗など雇用する側が人手が必要な時間帯に求人募集を出し、求職者は空いている時間の仕事を選び、雇用契約を結びます。
働く人にとっては隙間時間を活用して手軽に労働ができ、雇用する側もピンポイントで人手を確保できることがメリットです。近年は若年層だけでなく、ミドルシニアやシニア層にも人気を集め、さまざまな業界で新しい働き方のひとつとして広まっています。
スポットワーク協会の調査では、2025年5月末時点で日本のスポットワーク登録者は約2,200万人に上り、2023年3月に比べ約2.2倍と急成長しています。
スポットワーク登録者数の推移
出典:「スポットワーク市場の動向と展望について」(財務省「ファイナンス」令和6年12月号)
■スポットワークが拡大する背景
・人材不足の解消
少子高齢化による人手不足が進む中、必要なタイミングで人材を確保できるスポットワークの需要が高まっている。
・働き方の多様化
リモートワークや時短勤務、副業など働き方が多様化したことで、短時間や単発で仕事する人が増えている。また、企業や店舗などでも、雇用形態が柔軟化し、スポットワークの受け入れが拡大している。
・デジタル技術の進化
IT技術が発展したことで、ウェブサイトやアプリなどのオンライン上で求人の募集や応募、採用できる環境が整い、必要なタイミングで手軽に仕事を探しやすくなった。
■スポットワークの仕事例
・イベントスタッフ、フードデリバリー
・飲食店のホールスタッフや調理補助
・引っ越し作業、工場や倉庫などの軽作業
・コールセンターやデータ入力などのオフィス業務
■スポットワークのメリット
―雇用する側
・繁忙期や急な欠員、プロジェクトなど、必要なタイミングで人材を確保が可能
・ピンポイントで採用するため、社会保険料や福利厚生費などの人件費軽減
―労働者
・自分の都合に合わせて、仕事を選ぶことができる
・採用面接やシフトの作成などの手続きが不要
■スポットワークと似た言葉
似た表現として、「ギグワーク」があります。単発・短時間で仕事をする働き方という意味は共通していますが、雇用形態が異なります。
―スポットワーク:雇用契約
・雇用保険や社会保険に加入できる
・原則時給制で、最低賃金が保証される
・雇用する側が勤務時間や業務内容を指定する
―ギグワーク:業務委託契約
・成果報酬制で、スキルや成果物に応じて報酬額が決まる
・労働者が勤務時間や労働場所、業務遂行方法などを決めることができる
スポットワークを導入するにあたり、人材のミスマッチや仕事の質のばらつきなど、課題が生じることも懸念されます。また、一時的な仕事であるため、既存の従業員との連携不足により、トラブルにつながるリスクもあります。スムーズに業務をまわすためには、スポットワーカー専用マニュアルの作成や動画を活用した業務内容の明確化など、短時間で効率よく働ける体制をに事前に整備しておくことが重要です。
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