働き方

働き方用語辞典「オンボーディング」

公開日:2025.10. 3

執筆:コクヨコラム編集部

#人材育成 #働き方用語辞典

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働き方用語辞典「オンボーディング」

オンボーディング

新入社員や中途採用の社員が、いち早く組織に適応し活躍できるようサポートする取り組み

「オンボーディング」とは、新しく会社・組織に採用された人材が、早期に慣れて戦力化するためにサポートする取り組みです。乗り物に乗っていることを意味する「on-board」に由来しており、業務知識に限らず、企業文化やルール、仕組みなどを効率的に習得するのに役立ちます。

オンボーディングは、新入社員や中途採用社員に対して、研修のほか、メンター制度や同僚・上司による面談、ハンドブックの配布などを通じて、人事や教育担当者だけでなく、組織全体が多方面から配属後も継続的にサポートするのが特徴です。

厚生労働省が発表した2024年「新規学卒者の離職状況」を見ると、高卒過去3年の離職率は38.4%、大卒過去3年の離職率は34.9%と、新卒社員の離職率が高い傾向にあることがわかります。近年、業務・人間関係のミスマッチや転職市場の活発化に伴い、人材不足が深刻化しています。これらの対応策として、早期離職を防ぎ、人材を定着させるオンボーディングが注目されるようになりました。

■オンボーディング導入によるメリット
・人材採用コストの削減
オンボーディングを実施し離職率が低下すると、オンボーディングを実施し離職率が低下すると、広告費や人件費などの採用費用や育成に関するコストを抑えることができます。

・生産性の向上
スムーズに組織に慣れることで、早い段階から能力を発揮しパフォーマンスが高まるため、企業の利益拡大にもつながります。

・社員のエンゲージメントの向上
1on1ミーティングや活発なコミュニケーションを通じてサポートすることで、不安や悩みを解消でき、信頼関係や愛着を深めることができます。

・チーム力の強化
人事担当者や部署の上司・同僚だけでなく、会社全体でオンボーディングに取り組むため、社内の多くの人と良好な人間関係を構築し、円満な業務連携が期待できます。

オンボーディングと似た言葉として、OJTOff-JTがあります。実務の中でスキルを指導し習得するOJTや、実務現場から離れて実施する人材育成のための学習や研修を指すOff-JTは、主に業務に関する知識や技術を身に付けることが目的となっています。一方で、オンボーディングは組織に早期適応するために、能力だけでなく企業の風土やシステム、人間関係など、幅広い面から社員をサポートします。

早期離職を防ぐためには、不安や不満、疑問を解消することが大切です。面談だけでなく、気軽に相談できる窓口を設置したり、同期や同世代の横のつながりを強化したり、社外での食事会を開催したりなど、仕事や人間関係の悩みを気兼ねなく打ち明けられる場を作るのが良いでしょう。

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