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座る姿勢に合わせて選ぶ、心地よく働くための「イスの4原則」とは
公開日:2026.6.11
執筆:コクヨコラム編集部

イスはワーカーにとって欠かせないアイテムです。
価格やデザインを重視して選びがちですが、利用するシーンや座る時間、座り心地に合わせて、選ぶことも大切です。
この記事では、日常使っているイスの課題とその要因について触れ、それらの課題を解決するための「イスの4原則」と、選び方のポイントまでご紹介いたします。
なお、本記事でご紹介する「イスの選び方」について、より具体的な資料をご用意しています。こちらもぜひお役立てください。
目次(読了時間:約7分)
1.ハイブリッドワークが変えた「座る姿勢」の課題

コロナ禍を経て、私たちの働き方は大きく変化しました。出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークが浸透し、ABW(Activity Based Working)やフリーアドレスといった、働く場所を固定しない働き方が普及しています。
こうした働き方や働く空間の多様化に伴い、新たな課題も生まれています。それが、「座る姿勢」「着座時間」と「家具」のミスマッチです。
これまでは「執務空間=デスクワーク」「会議空間=コミュニケーション」と、空間の用途にあわせて家具がある程度決まっていました。しかし、今ではオフィス内のソファで長時間にわたってパソコンでの作業をしたり、リフレッシュスペースの硬いスツールで集中作業をしたりと、空間で想定されているワークシーンに合っていないイスで無理な姿勢で働いているという場面が増えています。
その結果、「長時間座るとおしりが痛い」、「肩こりや背中の痛みが慢性化した」、「パソコン操作をしていると、猫背になってしまう」 といった声がオフィス内で散見されるようになりました。
2.心地よく働くために知っておきたい「4つのワークタイプ」

こうしたミスマッチを防ぎ、身体への負担を軽減するためには、まず「どのような働き方があるか」を整理することが重要です。
コクヨでは、働く空間を「座る姿勢(行為)」と「着座時間」の2つの軸で、4つのタイプに分類しています。
1.短時間の静的ワーク:
短時間の打ち合わせ / 会議の合間などのメール対応。
2.長時間の静的ワーク:
集中して行う資料作成業務など。
3.短時間の動的ワーク:
偶発的なコミュニケーションなど。
4.長時間の動的ワーク:
会議や打ち合わせなど。
A.座る姿勢(行為)
・静的ワーク: 資料作成など、同じ姿勢が続く作業。
・動的ワーク: 会議やコミュニケーションなど、立ったり座ったりと姿勢が変化する作業。
B.着座時間
・短時間: ~1時間程度。
・長時間: 1時間~。
この4つのタイプ、例えば「長時間の静的ワーク(資料作成業務など)」 と「短時間の動的ワーク」 では、イスに求められる機能は当然異なります。
重要なのは、働き方にあった"イスの種類"を正しく選ぶこと。これが、ハイブリッドワーク時代のオフィスづくりにおける第一歩です。
まずはオフィスを見渡し、どの場所でどんな働き方をしているか、整理してみましょう。
3.心地よく働くための「イスの4原則」とは?

オフィスチェアだけでなく、ソファやスツールなど、それぞれの働き方にあったイスを選んでワークすることを想定したとき、どのような点に気を付ければ身体への負担を軽減できるのでしょうか。
そのポイントとして、コクヨが提唱しているのが「イスの4原則」です。
1.負担の少ない「アライメント」が整った姿勢を促すこと
背中がアーチ状となり、背骨や筋肉に負担がかかると、肩こりや背中の痛みが慢性的に発生します。このような場合は、骨盤を起こし、背骨をS字計上に近づけることで負担を軽減することができます。
2.適度に動けて「静的疲労」を蓄積しないこと
長時間同じ姿勢を続けることで筋肉や血流などへの負担が強くなります。このような場合は、時々身体を動かすことが解決策となります。
3.適正に「体圧分散」されていること
長時間座っているとおしりが痛くなることはありませんか?この場合は、身体の表面にかかる圧力を分散させることが必要です。
4.適正とされる「サイズ」に調節できること
イスが適正なサイズでない場合、パソコン操作時に猫背になってしまいます。体格や姿勢に合ったサイズに調整することで最適な姿勢サポートが得られます。
これら「イスの4原則」は、ワーカーの負担を軽減し、生産性を維持するために欠かせない視点です。次章から、各原則を詳しく見ていきましょう。
4.【原則1】アライメント:負担の少ない姿勢を促す

「肩こりや背中の痛みが取れない」 という悩みは、座る姿勢の「アライメント」が崩れていることが原因かもしれません。
【用語解説】
アライメント(Alignment):
「整列」「一列に並べる」という意味。座る姿勢においては、身体を横から見たときの「耳・肩・腰」の整列を指します。
人の背骨は、重い頭を支えるために、立った姿勢で自然な「S字形状」をしています。これが最も身体に負担の少ない状態です。
しかし、イスに座ると骨盤が後ろに倒れやすく、背骨はS字から「アーチ状」(猫背)に崩れがち。この状態が続くと、椎間板や筋肉への負担、内臓の圧迫 など、さまざまな疲労の原因となります。

そこで重要なのが、「骨盤」を起こす意識です。骨盤を立てることで、背骨は自然とS字形状に近づきます。
とはいえ、意識だけで正しい姿勢を保ち続けるのは困難ですし、座っているうちに無意識に姿勢は崩れてしまうもの。そのため、アライメントが整った姿勢になるように促す骨盤周りをサポートする機能が搭載されたオフィスチェアを選ぶことが不可欠です。
例えば、コクヨの「ポスチャーサポートシート」 は、座面に骨盤を支える面形状を設け、その上に厚みのあるクッション層を乗せることで、「安定した姿勢の保持力」と包み込み感のある「高い耐圧分散性」を実現しています。開発には、車イスの「シーティング」から姿勢保持のための多くのヒントを得ました。
5.【原則2】静的疲労:適度に動けて疲労を蓄積しない

「座りすぎが寿命を縮める」 といった話を聞いたことがあるかもしれません。これは、どんなに良い姿勢でも、長時間同じ姿勢を取り続けるのはよくない、ということを意味します。
同じ姿勢が続くと筋肉が緊張し、「静的疲労」が発生します。
【用語解説】
静的疲労(Static Fatigue):
筋肉が持続的に緊張することで血流が滞り、疲労物質が蓄積する状態。デスクワーク中の肩こりなどが代表例です。
実は、私たちは疲労を防ぐため、座っている間も無意識に身体を動かしています。身体を動かすと「筋肉ポンプ」の作用がはたらき、血液の循環を促すことができるのです。
したがって、イスには「無意識の動きを妨げず、意識的な動きをサポートする」機能が求められます。

例として、コクヨの「360° グライディング」機能 は、まるでバランスボールのように座面が360°自由に動きます。これにより、前傾、後傾、左右のひねりまで、身体のどんな動きにもイスが追随し、姿勢を「活性化」させることを促します。
また、「デュアルモーションメカニズム」 は、イスの基本機能である『ロッキング』に加え、背もたれ上部だけが柔軟に動く『アッパーチルト機構』を搭載。伸びをしたり、振り返ったりといった身体の小さな動きにもフィットし、静的疲労の軽減をサポートします。
6.【原則3】体圧分散:お尻が痛くならない座り心地

【用語解説】
体圧分散(Body Pressure Distribution):
身体の表面にかかる圧力(体圧)が、局所的にかかるのを防ぐこと。
イスに座ると、特に座面は「座骨結節点」というお尻の2箇所の骨を中心に集中しやすく、硬い面に長時間座ると痛みを感じることもあります。
体圧分布の比較図を見ても、硬い板の上に座ると、この2点に強い圧力がかかっていることが分かります。だからといって、柔らかすぎるクッションが良いわけではありません。柔らかすぎるとお尻が沈み込み、かえって姿勢が崩れやすくなってしまうからです。
イスの座面に求められるのは、『硬すぎず、柔らかすぎず、接触面積が広いこと』。
コクヨではこの座面にこだわっています。適度な固さのあるウレタンクッションを用い、身体のラインに沿うよう接触面積を広げることで、「体圧分散」と「姿勢保持」を両立させています。
また、姿勢によっても体圧のかかり方は変わります。特に「浅座り」(イスに浅く腰掛ける姿勢)は、お尻だけでなく背もたれにもたれた背中にも圧力が集中し、腰痛の一因になると言われています。
7.【原則4】サイズ:体格や姿勢に合わせた調節機能
どんなに高機能なイスでも、自分の身体に合っていなければ効果は半減します。「パソコンの操作中に猫背になってしまう」 のは、イスのサイズが合っていないからかもしれません。
イスのフィッティングの基本は、まず『深く座る』こと。背もたれに腰が自然に当たるように深く座ることで、骨盤をサポートする機能が正しく働きます。
その上で、最低限チェックしたい調節ポイントは2つです。
1. 座面高のフィッティング
太ももが座面と平行になり、膝、足首がそれぞれ90度に曲がる高さが目安です。靴のかかとが床にしっかり着く状態にしましょう。
2. 座面奥行きのフィッティング
深く座った状態で、「膝の裏と座面の間にこぶしが入るくらいの隙間」を作れる位置が目安です。
この「座面奥行き調節」は、小柄な方が深く座るためにも、大柄な方が体圧分散面を広く確保するためにも重要ですが、 「使っていない方が多い機能」 でもあります。ぜひ一度、ご自身のイスを確認してみてください。

さらに、見落とされがちなのが「肘掛け」の重要性です。
両腕の重さは、体重の約16%にもなります。肘掛けで腕の重さを支えることで、肩への負担を軽減し、体圧を分散させる効果があります。また、立ち座りや座り直しの際の支えにもなります。
肘掛けも、高さをデスクの天板と合わせたり、前後左右に調節できる(「2way モーションアーム」 など)ことで、より自然な姿勢でPC作業をサポートします。
8. まとめ|働き方に合ったイス選びがワーカーの心地よさと生産性を守る
今回は、心地よく働くために知っておきたいことと着座時間で分類する「4つのワークタイプ」、そしてハイブリッドワーク時代のイス選びの指針となる「イスの4原則」について解説しました。
ご紹介した4つの原則(アライメント、静的疲労、体圧分散、サイズ)は、全てのイスに同等に求められるわけではありません。その必要性は、働く姿勢と着座時間によって変わります。
長時間の静的ワーク(例:資料作成)
アライメント・静的疲労・ 体圧分散・ サイズの4原則すべてが必要です。
長時間の動的ワーク(例:会議)
アライメント・静的疲労・体圧分散 が特に必要です。
短時間の静的ワーク(例:メール対応)
アライメント・静的疲労・体圧分散が必要です。
短時間の動的ワーク(例:偶発的コミュニケーション)
アライメント・静的疲労のサポートが必要です。
オフィスには、働く空間や座る姿勢に合ったイスを複数用意し、利用シーンに合わせてバランスよく配置すること。それが、ワーカーの身体への負担を軽減し、業務の効率化へと繋がっていきます。
ただし、どんなに疲れにくい姿勢であっても、長時間座り続ければ疲労は溜まるもの。意識的に身体を動かし、正しく座る姿勢を身につけることも、イス選びと同時に大切にしたい習慣です。
コクヨでは、本記事でご紹介した機能以外にも、多機能なイスからカジュアルなイスまで、数多くのラインナップを取り揃えています。
「自社の働き方に合うイスが分からない」「最新のオフィスチェアを実際に試してみたい」という方は、ぜひコクヨのショールームにお立ち寄りいただくか、下記の詳細資料(ホワイトペーパー)をダウンロードして、貴社のオフィスづくりにお役立てください。
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