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オフィスで「働きにくい」を解決。オフィスカイゼンの5つのメリット

公開日:2026.3.16

執筆:コクヨコラム編集部

#事例 #整理整頓 #風土改革

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オフィスで「働きにくい」を解決。オフィスカイゼンの5つのメリット

働き方が多様化する現代、オフィスのあり方も見直されています。ハイブリッドワークの導入やフリーアドレス化が進む一方で、「オフィスが使いにくい」「ルールが形骸化している」といった新たな課題に直面している企業も多いのではないでしょうか。
そうした課題を解決し、オフィスをボトムアップで進化させる活動が「オフィスカイゼン」です。
本記事では、コクヨが長年実践してきた「オフィスカイゼン」について、その概要から具体的なメリット、進め方、成功の秘訣までを詳しく解説します。

「今のオフィスは快適だろうか?」「思うように働けているだろうか?」
少しでも課題を感じているなら、この記事がきっとヒントになるはず。
さらに詳しい事例や具体的なノウハウをまとめた「オフィスカイゼンガイドブック」を無料でご提供しています。ぜひダウンロードして、貴社のオフィスづくりにお役立てください。

1.オフィスカイゼンとは?

オフィスカイゼンとは?

「オフィスカイゼン」とは、オフィスをより使いやすく、働きやすく変えていくための仕組みや活動のことです。
コクヨは、「オフィスとは、つくって終わりではなく育てていくもの」と考えています。
どんなに時間やコストをかけてオフィスをリニューアルしても、実際に使い始めると必ず「思い通りにいかない」「使いづらい」といった不具合は出てきます。また、働き方自体も時代とともに変化し、不具合は出てきてしまいます。
例えば、こんな「困りごと」はありませんか?
・デスクに書類が山積みになっている
・通路にモノが置かれたままになっている
・ハイブリッドワーク導入後、使われていないデスクやエリアがある
・会議室の備品(リモコンなど)がすぐに見つからない

一見すると些細なことですが、こうした不便の積み重ねは、業務効率の低下や、社員のストレスにつながります。
オフィスカイゼンは、こうした日々の小さな「困りごと」の解決から、仕事の効率化、生産性の向上まで、オフィスと働き方をより良く、より快適にしていく活動です。
重要なのは、「継続」と「多くの社員を巻き込むこと」です。
コクヨでは10年以上前からオフィスカイゼン活動を始め、これまでに1500件以上のカイゼン実績を積み上げてきました。その経験からわかったのは、カイゼン活動は継続が難しい一方で、多くの社員を巻き込まないと成功しない、ということです。オフィスカイゼンは、単なる美化活動ではなく、時代の変化に対応しながらオフィスを進化させ続ける、ボトムアップの取り組みなのです。

2.オフィスカイゼンがもたらす5つのメリット

オフィスカイゼンがもたらす5つのメリット1

次にオフィスカイゼンがもたらすメリットについて取り上げたいと思います。
オフィスカイゼンは、物理的な場を良くするだけにとどまりません。日々のカイゼンの積み重ねが、経営課題の解決につながる可能性も秘めています。コクヨでは、オフィスカイゼンによって実現するメリットを「5つのS」として定義しています。

①Sincerity(誠実さ・コンプライアンスUP)
オフィス運用を「自分ごと」として取り組むことで、オフィスや組織への愛着が深まります。
②Speed(業務スピード・組織の業務効率UP)
書類やモノの整理整頓により、探す・片づけるといったムダな時間が削減され、業務が効率的に進みます。
③Satisfaction(従業員満足度・採用力UP)
快適で働きやすい環境は、心にゆとりを生み、風通しの良い職場づくりやコミュニケーションの円滑化につながります。
④Security(情報セキュリティUP)
データや情報の管理ルールを整備し、社員のセキュリティ意識を醸成することで、情報漏洩リスクを防ぎます。
⑤Safety(事業継続性・災害対応力UP)
防災視点での安全な場づくりが、有事の際の業務遂行を可能にします。

これらに加え、「探せない」「わからない」といった心理的な負担の軽減や、ムダな作業が減ることによる生産性向上など、働く社員一人ひとりが実感できるメリットも大きな特徴です。

オフィスカイゼンがもたらす5つのメリット2

3.オフィスカイゼンの変遷

オフィスカイゼンの変遷

働き方や働く人の意識が変われば、オフィスカイゼンが担う役割も変わります。時代の変遷とともにオフィスカイゼンの変遷を振り返ります。
コクヨが活動を始めた2013年頃は、主に「オフィスの物理的課題をカイゼン」することが中心でした。その後、活動を継続する中で、単にモノを片付けるだけでは解決しない問題に直面します。そこで重要になったのが、「社員一人ひとりのカイゼン意識の醸成」と「カイゼンの自分ごと化」です。そして現在は、さらにその役割が拡がり、ABW(Activity Based Working)のように「目指すべき働き方を実現する場」としてオフィスを機能させるためのカイゼンが求められています。
オフィスカイゼンは、固定席の時代、フリーアドレスの時代、そしてハイブリッドワークの時代と、その時々の働き方に合わせて、常にアップデートされていく活動なのです。

4.【事例紹介】オフィスカイゼンの具体的な取り組み

では、具体的にどのようなオフィスカイゼンが行われているのでしょうか。コクヨの実践例を4つご紹介します。

事例1.モノの整理整頓

課題 貸出用の共有備品(文房具やリモコン)が元の場所に戻されず、紛失したり、使いたい時に使えなかったりする。
カイゼン策 戻しやすい文房具置き場:文房具の形に合わせた「姿置き」の台を設置。どこに何を戻すべきか、見ただけでわかるようにしました。

わかりやすいリモコン置き場:モニター本体に、リモコンのピクトシールを貼った専用置き場を設置。モニターとリモコンをセットで管理できるようにしました。
ポイント 人に聞かなくても、見ただけで片付け方がわかる「しかけ」をつくることが、整理整頓の継続につながります。

事例1.モノの整理整頓

事例2.オフィス運用の「自分ごと化」

課題 オフィスの運用が総務任せになり、総務が多忙だと、少しずつ使いづらいオフィスになってしまう。
カイゼン策 文房具の補充:「最後の一個」を持ち出した人が、QRコードを読み取って担当部署に補充申請するルールに変更。

共有デスクの清掃:手の届く場所に「お掃除セット」を常備。気づいた人が気づいた時にサッと掃除できるようにしました。
ポイント 運用の負担をみんなで分け合うことで、総務の業務負荷を減らしつつ、社員の「自分ごと化」する意識を醸成します。

事例3.オフィス運用意識の醸成

課題 ルールやマナーが守られず、みんなが少しずつ不満を抱えてしまう、居心地の悪いオフィスになっている。
カイゼン策 ミニ動画で理解促進:Web会議の話し声がうるさいなど、よくあるマナー違反のシーンを再現したミニ動画を制作。オフィス内のサイネージで放映し、行動の振り返りを促しました。

プロジェクト型のカイゼン:「放置傘」のような根深い課題は、プロジェクト化して一定期間継続的に施策(持ち帰り推奨ステッカーの貼付など)を実施しました。
ポイント 注意しづらいマナー違反は、動画などで感覚的に理解してもらうのが効果的です。

事例4.スペースの活用

課題 部門を超えたコミュニケーションの場として「共創空間」をつくったが、うまく活用されない。
カイゼン策 活用方法の見える化:「ここは会話を活性化させたい場所」と一目でわかる卓上サインを設置。

活用の機会を意図的につくる:定期的に「チームで集まる日」を設けるなど、意図的に活用の機会をつくり、習慣化をねらいました。
ポイント スペースをつくった「目的」と「具体的な使い方」を見える化し、社員の理解と共感を得ることが大切です。

5.オフィスカイゼン活動の進め方(5ステップ)

ご紹介した具体的な事例のように、オフィスカイゼンは、その場限りの取り組みではなく、継続して「育てる」ことが大切です。次に、この継続的な活動を支えるための、基本的な進め方を5つのステップでご紹介します。

Step 1:カイゼン課題出し
担当者が直接オフィスを見回って課題を集めたり、社員から直接声を集めたりします。
Step 2:課題の優先順位づけ
集まった課題の中から、カイゼン実施の優先順位を決めます。(例:美観・衛生面から放置傘のカイゼンを優先)
Step 3:カイゼン策のアイデア出し
課題の背景を議論し、具体的なアイデアを検討します。(例:傘に持ち帰り期日ステッカーを貼る)
Step 4:施策の実施
社内への事前周知などを行った上で、施策を実施します。
Step 5:社内への報告・経過観察
社内Webサイトやサイネージで「どんな課題」を「どうカイゼンしたか」を報告します。その後も状況をチェックし、カイゼンが見られない場合は新たな策を検討します。

オフィスカイゼン活動の進め方(5ステップ)

大切なのは、実施して終わりではなく、Step 5のあとも「カイゼン内容の見直し・アップデート」を続けていくことです。

6.カイゼン活動を成功させる「オフィスカイゼン委員会」

カイゼン活動を成功させる「オフィスカイゼン委員会」

オフィスカイゼン活動を単なる一過性の活動で終わらせず、継続的に成功させるためには、活動を推進し、社員を巻き込む体制づくりが欠かせません。そのため、有志の活動ではなく、業務の一環として部門横断の「オフィスカイゼン委員会」を立ち上げることが有効です。
部門横断にすることで、多様な視点が得られるだけでなく、普段関わらない人とのコミュニケーションが活性化し、一体感が生まれます。
オフィスカイゼン委員会が大切にしているのは、「失敗を恐れない」こと。社内活動だからこその安心感の中で、仲間と協力してチャレンジを楽しむことができます。

こうした活動は、オフィスが快適になるだけでなく、副次的な効果も生み出します。
1.社員の成長:「オフィスが快適になった」という実感や成功体験が、社員の成長につながる。
2.社内ネットワークの構築:部門を超えたコミュニケーションで生まれた人脈を、本業に活かせる。
3.エンゲージメントの向上:オフィスへの愛着が増し、企業へのエンゲージメントが高まる。

オフィスの課題は、役職や業務を越えた「共通言語」となります。自分たちの手でオフィスを快適に変えていく活動は、出社したくなる、愛されるオフィスづくりにつながるのです。

7.まとめ

本記事では、オフィスをボトムアップで進化させる「オフィスカイゼン」について解説しました。
オフィスカイゼンとは、オフィスを「育てる」活動です。
そのメリットは「5つのS」に代表されるように、単なる環境整備にとどまらず、業務効率化や従業員満足度、エンゲージメントの向上にも及びます。

「何から始めたらいいかわからない」
「カイゼン活動が総務任せになっている」
「社員を巻き込みたいが、手間がかかりそう」

こうしたお悩みをお持ちの方も多いかもしれません。
コクヨでは、この記事でご紹介したオフィスカイゼンのノウハウや、具体的な事例をさらに詳しく解説した資料「オフィスカイゼンガイドブック」を無料で公開しています。

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