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タスクマスキング
あまり仕事をしていないのに、忙しく働くフリをする行為
「タスクマスキング」とは、実際には仕事をしていないにも関わらず、あたかも働いているように見せかける行為のことです。単なる怠慢ではなく、生産性を示すための忙しさを装った働き方で、アメリカのZ世代を中心に広がり、SNSでも話題となりました。
人材管理用のSaaSアプリケーションを提供しているWorkhuman社が2024年に実施した調査で、企業の管理職者の69%が「タスクマスキングはチームに共通して見られる一般的な課題になっている」と回答し、従業員の32%がタスクマスキングをしていると答えました。
■タスクマスキングが生まれた背景
タスクマスキングは、コロナ禍でのリモートワークにおいて定着した成果主義の働き方と、現代の労働環境や組織文化のズレから生じた現象です。
近年、リモートワークからオフィス回帰へ転換する企業が増加する中、経営者や上司からの監視による信頼の欠如や、業務の可視性を重視する不適切な評価制度といったプレッシャーや不安から、Z世代の間で忙しさをアピールする手段としてタスクマスキングが行われるようになりました。
■タスクマスキングの具体例
・キーボードを大きな音で叩いて、仕事をしているフリをする
・音楽を聴いているにも関わらず、オンライン会議に参加しているかのように常時イヤホンを装着している
・書類を抱えてオフィスを徘徊し、忙しさをアピールする
・不必要な会議に出席する
・メールを頻繁に確認する
・画面を見ながら困惑した声をあげる
・マウスを自動で動かすツールを使い、常にオンライン状態を偽装する
タスクマスキングが続くと、精神的な疲労によりバーンアウトを招く恐れがあります。日本でもリモートワークやハイブリッドワークを取り入れる企業が増えており、忙しさを装うタスクマスキングは十分に起こり得る現象です。そのためにも、業務時間やプロセスだけを評価基準にするのではなく、目標達成率やチームへの貢献度、資格取得や学習によるスキルアップなど、成果や価値といった多方面から評価することで、社員のモチベーションも向上し、生産性のある働き方へとシフトするでしょう。

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