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働き方用語辞典「セルフ・キャリアドック」

公開日:2025.9.18

執筆:コクヨコラム編集部

#トレンド #働き方用語辞典

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働き方用語辞典「セルフ・キャリアドック」

セルフ・キャリアドック

企業が、面談や研修などを組み合わせて、従業員の主体的なキャリア形成を支援する仕組みや取り組み

「セルフ・キャリアドック」とは、企業がキャリアに関する面談や研修などを行い、体系的・定期的・継続的に従業員のキャリア形成をサポートする仕組みや取り組みのことです。企業が主導となって機会を提供するのではなく、従業員が主体的に実施し、企業は希望や適性に合った支援を行うのが特徴です。

■セルフ・キャリアドックが注目される背景
・少子高齢化による労働人口の減少
少子高齢化に伴う人手不足が深刻化する中、新規採用が難しいため、社内の人材育成が重要視されるようになり、キャリア形成の支援が必要となった。

・激しい環境変化への対応
BANIの時代、急激な社会変化に対応するために、自律的に考えて動ける人材が求められるようになった。

・シニア社員の増加
定年制度の廃止や定年延長など、60歳以降の就労者が増えたことで、シニア世代に適したキャリア形成の必要性が高くなった。

・政府による職業能力開発の促進
2016年の改正職業能力開発促進法で、企業のキャリア形成の支援および、従業員のキャリア形成が「努力義務」となり、セルフ・キャリアドックの導入が注目されるようになった。

■セルフ・キャリアドックの導入メリット
―企業側
・従業員のモチベーションの向上
費用や時間などのキャリア支援を受けるだけでなく、自身の能力の棚卸しの機会となるため、モチベーションの維持や向上が期待できる。

・人材定着率の向上
企業が継続的にキャリア支援をすることで、従業員のロイヤリティが向上する。また、面談などを通してキャリアパスを築くことで、意欲が高まり離職防止につながる。

・生産性の向上
従業員の成長とともにパフォーマンスが向上することで、仕事の生産性も高まる。

―個人側
・モチベーションの向上
主体的にキャリア形成に取り組むことで目的が明確化し、モチベーションの向上が期待できる。

・能力の開発
必要な知識やスキル、課題を把握し継続的に能力を向上させることで、自己成長が見込める。

セルフ・キャリアドックの導入にあたり、キャリア研修や面談を実施するには時間や人的リソースが必要となります。初めから全体的に行うのではなく、希望者や新人社員、中堅社員、シニア社員といった一部の社員を対象に実行する方法もあります。また、社内にキャリアコンサルタントがいない場合、外部の人材育成サービスを活用することで、効果的なキャリア設計のサポートを図ることができるでしょう。

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