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カラーで実現する「出社したくなるオフィス」とは

公開日:2026.3. 3

執筆:コクヨコラム編集部

#ABW #チームビルディング #フリーアドレス

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カラーで実現する「出社したくなるオフィス」とは

オフィスの移転やリニューアルを検討する際、レイアウトや機能性ばかりに注目していないでしょうか。もちろん、それらも重要ですが、働く人のモチベーションや生産性に大きく影響する「色」の力を見落としてはいけません。
オフィス空間の「色」は、私たちが無意識に感じている以上に、心理や行動に影響を与えます。なんとなく選んだ配色が、かえって集中力を妨げたり、疲れやすさの原因になったりしているケースも少なくありません。
本記事では、オフィス空間におけるカラーの重要性、色彩心理がもたらす具体的な効果、そしてエリア別・目的別のカラー構築のポイントについて、コクヨの知見を交えて詳しく解説します。
「今のオフィスに課題を感じている」「もっといきいきと働ける空間をつくりたい」
そうお考えのご担当者様は、ぜひご一読ください。
さらに詳細なカラーテイストや具体的な配色例、コクヨが提案する空間づくりのノウハウをまとめた「空間デザインのカラー構築」のホワイトペーパーを無料でご提供しています。ぜひダウンロードして、貴社のオフィスづくりにお役立てください。

1.オフィス空間のカラー構築、こんな悩みはありませんか?

オフィス空間のカラー構築、こんな悩みはありませんか?1

オフィスの移転やリニューアルは、企業が次のステージへ進むための大きなプロジェクトです。多くの担当者様が次のような要望や悩みを抱えています。

・「オフィス移転を機に、働く人のモチベーションや生産性アップにつなげたい」
・「作業目的に合わせて、エリア別の空間デザインを実現したい」
・「おしゃれな内装にしたいが、具体的なイメージがわかない」
・「そもそも、空間デザインが働き方にどのような効果をもたらすのか知りたい」

もし、一つでも当てはまるなら、その解決策は「オフィスのカラー構築」にあるかもしれません。
理想の空間デザインを実現するためには、まず移転やリニューアルの目的、そして現在のオフィスの課題を明確にすることがスタートラインです。その上で、空間の用途や目的に合った色を選ぶこと。それこそが、理想のオフィスを構築するカギとなります。

オフィス空間のカラー構築、こんな悩みはありませんか?2

2.オフィスカラーの変遷と現代のトレンド

オフィスカラーの変遷と現代のトレンド

かつての日本のオフィスをご存知でしょうか。今から約60年前、1960年代のオフィスは、「進駐軍グレー」と呼ばれる緑みを帯びたグレーのスチール家具が並ぶ、画一的な空間が主流でした。

時代は進み、1980年代は本格的なOA化とともにインテリアへの意識が高まり、家具の色は明るいアイボリー系へと変化。2000年代にはビジネスのスピード化やユニバーサルデザインの導入により、ホワイトを基調とした明快な色彩のオフィスが増えました。

そして現在。オフィスの目的やビジネスモデルが大きく変化する中で、空間デザインやカラーの使い方は劇的に進化しています。

現在のトレンドは「多様性」です。もはや、オフィス全体を一つの色で統一する時代ではありません。働く人の生産性向上を重視し、個々の能力を最大限に発揮するため、作業目的やエリアに応じた多様な空間設計とカラー活用が取り入れられています。

3.【エリア別】目的に合わせたカラー構築のポイント

【エリア別】目的に合わせたカラー構築のポイント

現在のオフィスは、「執務」「受付・エントランス」「会議・ミーティング」といった機能ごとにゾーニングされ、各エリアにふさわしいカラー設計が求められます。それぞれのエリアで期待される効果と、カラー活用のポイントを見ていきましょう。

執務エリア:集中しやすく疲れにくい空間づくり

執務エリアは、働く人が多くの時間を過ごす場所。「集中しやすく疲れにくい空間づくり」 がポイントとなります。
従来はグレーのデスクが主流でしたが、最近では白を基調にした清潔感のある色使いが増えています。ただし、白一色は単調になりがちです。そこで、オフィス家具やパーティションにブルーやグリーン、イエローなどのアクセントカラーを採用する企業が増えています。ちなみに、アクセントカラーそれぞれがワーカーに影響を与え、効果があり、例えばブルーなら集中力、グリーンならリラックス感を高める効果が期待できます。

受付・エントランスエリア:企業の顔となる場所

受付・エントランスは、まさに「企業の顔」となる重要なスペース。来訪者に与える第一印象を決定づけます。
白やグレーを基調とした無機質で清潔感のある空間も多いですが、近年では企業のコーポレートカラーを効果的に取り入れるデザインが増加しています。これにより、ブランドイメージの向上や認知度アップが期待できるのです。

コーポレートカラーを取り入れたエントランス(納入事例:カドカワドワンゴ)コーポレートカラーを取り入れたエントランス
(納入事例:カドカワドワンゴ)

会議・ミーティングエリア:コミュニケーションが活発になる空間

会議室には、グレーや茶系、黒といった落ち着いた色合いが使われることが多くあります。これは、議論に集中するための配色です。
一方で、最近は少人数で気軽に打ち合わせができるカジュアルなミーティングスペースのニーズも高まっています。こうしたエリアでは、カラーバリエーションが豊富でレイアウト変更もしやすい家具を選ぶ。そうすることで、固定化された重厚な会議室とは異なる、自由で活発なコミュニケーションを促進する空間が生まれます。

4.働き方に影響を与える「色彩心理」と活用のヒント

働き方に影響を与える「色彩心理」と活用のヒント

色彩を戦略的に使い分けることで、オフィスは単なる作業場所から、目的や活動内容に合わせて最適な心理状態を誘発する「知的生産性の高い場」へと変貌を遂げることができます。

エリアごとの色彩活用と心理的効果

まずは、代表的な色が持つ心理的効果と、それに基づいたオフィスエリアへの応用例を、より詳細に見ていきましょう。

代表的な心理的効果
オフィスエリアへの応用例と効果
赤色
「情熱」「エネルギー」「興奮」「注意喚起」
心拍数を高め、時間経過を早く感じさせる効果もあります。
ミーティングスペース
(短時間集中型)、
プレゼンテーションエリア:
瞬発的なモチベーションや活発な議論を促します。ただし、広範囲に使用するとストレスの原因になるため、チェアやアートなどのアクセントカラーとして 限定的に使用するのが鉄則です。
緑色
「安心感」「リラックス」「調和」「自然」
目の疲労を和らげ、精神的な安定をもたらす効果が非常に高いです。
休憩エリア
(リフレッシュメントスペース)、
集中ブース(長時間の単独作業)、
執務エリアの一部:
自然との繋がりを感じさせ、心身の緊張を緩和し、穏やかな集中力を維持させます。特に、デスク周りの小物や観葉植物に取り入れるのも効果的です。
青色
「冷静」「知的」「信頼」「集中」
鎮静効果があり、脈拍を落ち着かせ、思考をクリアにする効果が期待できます。
長時間の集中作業エリア、
論理的な思考を要する会議室、
コールセンター:
知的生産性を高め、判断力を向上させます。また、空間を広く感じさせる効果もあるため、比較的小さな空間にも適しています。寒色であるため、温かみのある照明とのバランスが重要です。
橙色・黄色
「明るい」「元気」「幸福感」「親しみやすさ」
コミュニケーションを促進し、ポジティブな感情を誘発します。
コミュニケーションエリア
(カフェテリア、ラウンジ)、
コラボレーションスペース:
活発な会話とアイデアの交換を促します。また、北側など自然光が入りにくいスペースに取り入れると、空間全体が温かく、明るく感じられ、活動意欲を高めます。
紫色
「高級感」「創造性」「スピリチュアル」
青の冷静さと赤の情熱を併せ持ち、静けさの中にインスピレーションを与える効果があります。
リフレクションルーム
(内省・アイデア出し)、
役員執務室、静かな執務スペース:
落ち着きと同時に創造的な思考を刺激します。深みのある紫は高級感を演出し、薄いラベンダー系は穏やかで優しい印象を与えます。

色彩をオフィスデザインに取り入れる際は、その色が持つ心理的効果だけでなく、そのエリアで働く人の活動内容や滞在時間、自然光の入り具合などを総合的に考慮することが、真に効果的なオフィス環境を構築するための鍵となります。

カラーが生産性に与える影響の研究

かつて、米テキサス大学の研究で、被験者を赤、白、水色の部屋で作業させる実験が行われました。
その結果、赤い壁が視界に入りやすい環境では生産性が妨げられる傾向が見られました。また、白い壁の部屋では、他の部屋より多くの作業ミスが報告されました。
この結果から、赤は興奮作用が強いため使い方に注意が必要であること、そして白は落ち着きを与える一方で、長時間の集中作業には不向きな面があること が示唆されます。
大切なのは、単色で統一するのではなく、目的に応じたポイントカラーをバランスよく取り入れること。これこそが、生産性の維持・向上に寄与します。色彩を活用することで、仕事のモチベーションを上げたり、業務効率や集中力、創造力を高めたりといった効果が期待できるのです。

5.理想の空間を実現する「コクヨのオフィスカラー8テイスト」

とはいえ、「色彩心理は分かったけれど、具体的にどう組み合わせれば良いか分からない」という方も多いでしょう。
そこでコクヨでは、最新のインテリアトレンドと膨大なオフィス構築事例から、オフィスのテイストを簡易的な8種類に分類しました。働き方や空間の目的に応じてこの8テイストから選ぶだけで、誰でも簡単に洗練されたカラーコーディネートが可能です。
ここでは、その一部をご紹介します。

MODERN(モダン)カラー

濁りのない鮮やかな色や、白・黒といった無彩色を使い、コントラストを効かせたメリハリのある配色が特徴です。
・ライトモダン:白を基調に、ブルー系やイエローグリーン系をアクセントにした清潔感ある色彩。リラックスしながらの知的ワークに適しています。
・ダークモダン:モノトーン系の明暗コントラストを効かせた都会的な空間。スタイリッシュな空間で、効率的な報告・連絡・相談を促進します。

NATURAL(ナチュラル)カラー

少し黄みがかったアイボリーやベージュなど淡い色合いや、天然の木材などを取り入れ、自然で素朴な雰囲気を演出します。
・ライトナチュラル:明るい木目を基調にした、暖かみと開放感を感じさせる色彩。穏やかな気持ちで業務に取り組める空間です。
・アクセントナチュラル:明るい木目に、活気を感じさせる暖色系をプラス。躍動感ある空間が、クリエイティブな発想を促します。

CHIC(シック)カラー

上品で落ち着いた印象を与える、中~低彩度・低明度の色が中心。
・カジュアルシック:ミディアム系の木目を基調とし、個人の集中ワークからミーティングまで、リラックスした雰囲気で行える空間です。
・フォーマルシック:上品で格調高い、重厚感のあるコーディネート。適度な緊張感と落ち着いた雰囲気で、マネジメント層の執務室や個人集中ワークにも最適です。

CHIC(シック)カラー

6.まとめ|色彩効果を活かして「出社したくなる職場」へ

まとめ|色彩効果を活かして「出社したくなる職場」へ

理想的なオフィス空間を実現するために最も重要なこと。それは、「どのような働き方を実現したいか」を明確にすることです。
その軸が定まって初めて、空間全体のコンセプトが生まれ、デザインや家具選定、そしてカラー計画にも一貫性が生まれます。
色が持つ心理的効果を理解し、エリアや目的に合わせて活用する。
時には、映像や照明、音響、香りといった他の要素と組み合わせ、空間デザインを総合的に演出する。
そうした取り組みこそが、オフィスを単なる「作業場所」から、「出社したくなる職場」 へと変革させ、働く人のモチベーションや業務効率の向上につながります。空間デザインにおけるカラー構築は、働く意欲やビジョンの共有、さらには企業のブランディングにも貢献する、強力な経営戦略の一つと言えるのです。

働き方と空間デザインの「今」がわかる。

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コクヨでは、長年の研究と豊富な実績に基づき、色彩効果を活かしたオフィスづくりをサポートする「空間デザインのカラー構築」のホワイトペーパー(PDF)をご用意いたしました。

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